新人の成長を支え促す、
少人数制研修と職場のサポート体制
先輩 小児病棟では、移植が必要な血液疾患から川崎病のようなよく知られた疾患まで幅広く看ています。この幅広さが、私が当院を選んだ理由の1つです。
新人 私はそれにくわえて特定機能病院で高度医療を学べること、そのための研修が充実していることに魅力を感じました。
先輩 中央研修では他病棟の同期と顔を合わせるので、互いに悩みを打ち明け、自分だけが大変なわけではないと知り、前向きになれる機会にもなっていますね。
新人 はい。技術面では少人数制研修で技術指導者から丁寧な指導を受け、スマートフォンや電子カルテで、いつでも技術の確認や学習ができる教育環境でしっかり学ぶことができています。
先輩 学生時代の学びは成人看護が中心なので、小児の脳外科や血液疾患、成長発達などあらためて学ぶことも多く、新人にとっては大変かもしれないですね。
新人 勉強が多く追いつかずに焦っていたころ、師長やプリセプターとの面談で「焦らなくて大丈夫。自信がないときは何度質問しても構わない」と声をかけてもらったことで、安心できました。病棟スタッフが常に笑顔なので、私も明るく前向きに取り組めています。
先輩 新人なら誰でも通る道ですよね。私たち先輩は、新人に対して常に気にかけていることを伝え、話しやすい雰囲気づくりを心がけています。学びに関しては、本人の力になるようにまずは自分で調べ、自ら考えられるようにかかわっています。
患児と家族は1つのユニット
良好な関係性を築き、看護に生かす
先輩 成人の患者さんだと疾患や内服の必要性の理解も得やすいですが、小児の場合は難しい面もあります。その点はどう感じていますか。
新人 薬をなかなか飲んでもらえずに、その後のスケジュールがずれることもあり、意思疎通の難しさを感じています。
先輩 患児には親と離れる分離不安、親は子どもの罹患に混乱し、何も考えられない状態になることもあります。小児科は家族も交えて1つのユニットと考え、寄り添うことが大切だと思います。
新人 初めてのオペ出しでは自分のことで精一杯で、不安を感じている患児やご家族へのメンタルサポートが十分にできませんでした。適切なサポートをしている先輩の姿から多くのことを学びました。
先輩 子どもは好き嫌いがはっきりしています。患児に名前で呼ばれていますよね。名前で呼ばれるのは良いかかわりができている証です。日々の業務記録でも勉強のあとが見え、成長を感じています。
新人 うれしいです。少しでも成長できるように、疾患の勉強にくわえて受け持ち患児の内服や手術の内容をまとめたり、先輩たちのかかわりを参考にしてコミュニケーションをとったりしています。
先輩 多重業務が増えてくると、患児や家族とのかかわりが薄くなりがちです。忙しい中でも時間を見つけて会話し、患児の環境を気にかけていれば、より良い看護が実践できると期待しています。一緒に患児の成長過程を見守っていきましょう。