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東京都杏林大学医学部付属杉並病院

〒166-0012 東京都杉並区和田2-25-1

03-6382-4473(庶務課)

主任(左)
入退院支援室
2003年入職(旧佼成病院)
大分県出身 佼成看護専門学校卒業
2年目看護師A(右)
4階病棟(循環器内科など)
2023年入職(旧佼成病院)
青森県出身 青森県立黒石高等学校専攻科看護科卒業

入院時から退院を見据えて
多職種が連携を図り、
患者さんやご家族の
意向に沿った生活の実現を
サポートする役割を担う

患者さんの思いをくみ取ることで
声かけの大切さを学ぶ

主任 当院は2024年4月に大学の付属病院としてオープンした地域密着型の急性期病院です。クリニカルラダーに合わせたプログラムがあり、フィジカルアセスメントなど急性期の学習だけでなく、退院後を見据えたアセスメントを重視した教育体制が整っていることも特徴です。Aさんは入職からこれまでを振り返ってどうでしたか。

A 初めは業務をこなすだけで精一杯でした。当院はPNS(パートナーシップ・ナーシング・システム)を導入しているため、先輩と一緒にベッドサイドでケアを行えたことは心強かったです。その場で不明点を確認できたり、先輩の看護を間近で見られたりすることで学びにつながりました。

主任 ベッドサイドで直接指導することによって技術を深め、協力してケアを提供することで、より良いケアが実現できます。入職時は目の前の業務に集中していた新人たちが患者さんの言葉に耳を傾けられるようになり、成長を感じています。患者さんとの関係で印象に残っていることはありますか。

A 1年目の夜勤時、トイレで排便を失敗した高齢の患者さんがいました。「ごめんなさい」と謝罪をくり返しており、自尊心が傷ついているのではないかと思ったため「大丈夫ですよ。スッキリしましたね」と声かけを行うと、「ありがとう」と安心した様子で言ってくれました。声かけ1つで患者さんの気持ちも変わることを改めて認識しました。患者さんの気持ちを理解し、寄り添うことの大切さを今でも心に刻んでいます。

退院前訪問で見えてきた
患者さんの生活を考えた看護の実践

主任 当院では退院支援看護師や医療ソーシャルワーカーなど、多職種が連携して入院前から退院後まで継続的な支援を行っています。退院前後に、病棟看護師と一緒に患者さんのご自宅を訪問し、患者さんとご家族の希望や不安を把握して、生活の環境を整えていきます。以前Aさんとも同行しましたが、どんな印象でしたか。

A 受け持っている患者さんの自宅訪問は初めてでしたが、主任がどのような視点を持って情報収集を行い支援しているかを学びました。病院と自宅では個々の患者さんの環境も異なりますし、患者さんやご家族が希望する生活の実現に向けて支援することも看護師の役割であることを知りました。

主任 各病棟では退院支援のリンクナースを中心に退院前・退院後の患者さんの生活を、どんな視点で見れば良いかなどの勉強会を開催しています。Aさんも同行時、「病棟に戻り、患者さんの生活を踏まえてどんな看護を行えば良いか考えたい」と言っていましたね。多くの学びがあったのではないでしょうか。今後の目標はありますか。

A 5年目までにリーダー業務や病棟全体の看護技術の底上げを目的とした役割を担うクリニカルコーチを経験し、全体を見据えた看護を行うことが目標です。

主任 Aさんはケアの提供だけでなく、患者さんの思いをくみ取る力があると思います。今後も自分の価値観だけでなく、患者さんを取り巻く環境や家族に目を向け、広い視野で物事を捉え、大きな気持ちを持って看護を提供してほしいと思います。

Aさんは業務がルーチン化しないよう、常にエビデンスに基づき考え行動できる看護師でありたいという。主任はAさんの成長をいつも温かく見守っている。
循環器疾患に欠かせないモニター管理。患者さんのわずかな変化を観察することが求められる。
ベッドサイドでは、患者さんの言葉を大切にしながら看護を行い、信頼関係を構築する。患者さんが日常生活で抱く思いはどこからくるのか、考えて行動していくことが看護師には求められる。
必要に応じて、医師、訪問看護師、ケアマネジャーなど多職種とのカンファレンスも定期的に開催している。