一般病棟のスタッフも
クリティカルケアが学べる
CNS 私は急性・重症患者看護専門看護師として、院内で横断的な教育支援を行っています。当院には一般病棟のスタッフが、クリティカルケア領域で重症度の高い看護を学べる院内留学制度があります。整形外科病棟から救命センターに院内留学したBさんと、受け入れる側のAさんに、そのときの様子を聞きたいと思います。
A 人工呼吸器管理を必要とする患者さんは、一般病棟の患者さんと比べると重症度が高いです。不安もある中、Bさんは院内留学に参加してくれたと思います。そのため、不安を少しでも軽くできるように、人工呼吸器がどんな機械なのか、どこに注意してケアをすれば良いのかを、院内の基準や手順を確認しながら丁寧に説明しました。
B 救命センターで、1日かけてAさんのシャドウイングをしました。人工呼吸器装着中の患者さんに必要なケアを見学しました。特に合併症であるVAP(人工呼吸器関連肺炎)や拘縮などを予防するためのケア、例えば口腔ケアや他動運動はとても参考になりました。学んだことは自分の病棟でも生かしていこうと思っています。
「心によりそう看護」の理念のもと、
スタッフ同士も成長し合う
CNS 私は「呼吸ケアチーム」の一員として、人工呼吸器や酸素療法を受けている患者さんのケアを担当しながら病棟を巡回しています。その中で新人と接する際に、相談が単なる「どうすればいいですか?」という質問から、自分で状況を評価し、その結果を踏まえて相談してくれるようになると、相談内容だけでなく、その姿勢からも成長を感じます。Bさんは2年目になり、自分で成長したと感じるのはどんなところですか。
B 1年目は多重課題に対する時間管理がうまくありませんでした。2年目になると時間を意識し、優先順位を考えて複数の課題に対応できるようになりました。また、自分で考えたことを先輩にしっかり報告できるようになったことも成長です。今後は人工呼吸器を使用している患者さんや終末期の患者さんに対し、自信を持って看護できるようになりたいです。
CNS 入職時から救命センターで働いてきたAさんですが、看護をするうえで大切にしていることは何ですか。
A 急性期の患者さんに対する治療は、急速に進み、状態も大きく変化することがあります。その中で患者さんの気持ちが置き去りにならないように、いつでも患者さんの思いによりそい、得られた情報を医師とも共有を図りながら、看護をするように心がけています。
CNS 私は新卒からずっと当院で働いてきましたが、専門看護師の資格取得だけでなく、特定行為研修や博士課程も修了することができました。当院は、やりたいことやキャリアアップにとても前向きで、成長を支援してくれる職場です。目的意識を持って、一緒に学び合いながら成長していきましょう。患者さんによりそう看護を提供するために、スタッフ同士も成長し合えるとうれしいです。