患者さんの命を救う
看護師を目指して
救命救急センターは、当院が位置する千代田区で唯一の三次救急センターです。救急外来にくわえ、救急搬送される軽症・中等症の二次救急患者および最重症の三次救急患者の初療を受け入れています。
センター内の入院病棟として機能しているのが、ICU、CCU、HCUです。私の所属するHCUには、他病棟から受け入れる急変の危険がある患者さんや、術後の管理を必要とする重篤疾患の患者さんも少なくありません。また、年齢層も疾患も幅広いため、正確な知識と細やかな観察力、的確なアセスメント能力などが求められます。プリセプターをはじめ諸先輩の指導を受けながら、実践力を培おうと励む日々です。
生涯の仕事として看護職を志したのは高校時代です。入退院をくり返した経験から、人の役に立つ仕事の尊さを知りました。大学時に、自分が目指す「人の役に立つ仕事」が「命を救う看護」へと具体化。入職にあたり、それが急性期の重篤な患者さんを看護する「救命救急センター配属希望」と明確な形になったのです。
当院には、配属前にすべての病棟をシャドウイングしながらローテーションする新人研修プログラムがあります。救命救急センターでは、迅速かつ円滑な多職種連携のチーム医療が展開されていました。ストレスフルなイメージを抱いていましたが、良い人間関係から生まれるチームワークが感じられ、良い意味でのリアリティショックを受けました。ここで看護師の土台をしっかり築きたいと、思いを新たにしました。
看護師としての基礎を築き
専門性を高めていきたい
新人研修は少人数のグループごとに分かれて行われます。また、配属部署では新人一人ひとりにプリセプターがついて、OJT教育が行われます。入職当初は業務内容を理解するので精一杯でした。しかし、看護業務は患者さんの生命に直結しています。わからないことは必ず先輩に確認、相談し業務を遂行しています。初夏には夜勤も始まり、二交代勤務にも慣れてきました。
先輩看護師の仕事ぶりから学ぶことは非常に多く、その1つが病態知識やバイタルサイン測定などの基本技術の重要性です。バイタルサインが示している意味を理解したうえでの細やかな気づきで、患者さんの急変や状態悪化を防ぐことができます。先輩が病態や呼吸の変化などから急変の兆候を察知したとき、それを実感しました。
重篤なケースでは、家族が重大な決定をしなければならない場合や、不安、悲しみに包まれる場合もあります。そうしたときに、先輩看護師は家族に寄り添い、傾聴していました。その様子に、看護師は患者さんを看るだけではなく、その家族の心も癒す専門職なのだと実感しました。
救命救急センターには、救急看護認定看護師が2名、クリティカルケア認定看護師が1名います。そうした高い専門性を持つ先輩看護師の姿は、看護師として成長し、経験と学びを積み重ねた先に描く「自分もこうなりたい」というロールモデルです。
まだ小さな一歩を踏み出したばかりですが、この領域で良い看護を実践できるように、努力していきたいと思います。