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東京都東京大学医学部附属病院

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【掲載中】特集ページ「看護部長インタビュー」
小児医療センター PICU(2009年入職)
櫻井 善光さん
茨城県出身 北里大学卒業

櫻井 善光さん

急変の連続で疲弊しても、
小児急性期領域の看護に感じる
やりがい。
より専門性を高めて
看護の力を鍛えたい

高度最先端医療の現場は
子どもたちの命の最後の砦

 看護師を志したきっかけは、高校2年の時に父が亡くなったことです。スキルス性胃がんでした。看取り体験を経て「人の命に寄り添う看護師」に進路を決めました。
 高度最先端医療機関で看護師として成長したいと、当院に入職。特に循環器領域に関心があったので、植込み型補助人工心臓や心臓移植などで日本の医療・看護をリードしている心臓外科を希望し、3年間の看護経験を積みました。次のステップとして小児の超急性期領域での看護に取り組もうと、PICU(小児集中治療室)に移って7年になります。
 少子化時代と逆行して、ハイリスク新生児の出生は増えています。そうした医療ニーズに対応して、当院では今年6月に新しい小児センターがオープンしました。PICUは、4名の医師と31名の看護師が、小児心臓移植や小児肺移植などを含む小児重症疾患全般の治療・看護に取り組んでいます。NICU(新生児特定集中治療室)とGCU(新生児回復期治療室)も同じフロアにあり、「子どもたちの命の最後の砦」として、救命救急に奮闘しています。
 先天性心疾患の周術期症例が多いPICUでは、フロア内で緊急開胸手術が行われることも少なくありません。初めてその介助に入って緊張していた時に、「大丈夫。何があっても俺がフォローする」と、成人ICUなど多領域での経験を持つ看護師歴20年超の先輩が見守ってくれました。以来、その先輩を“ナースマンのロールモデル”としています。

幼い命を救い、家族を支援する
ナースマンのキャリアプラン

 当院に限らず、看護師全体に占める男性看護師の絶対数は少ないのが現実です。そのような中で、ロールモデルとなる先輩に出会えたことは幸運でした。また、当院には「ナースマン会」という、男性看護師対象の研修があります。管理職や認定看護師、大学院に進学した先輩などから体験談が聞けるので、将来のキャリアプランを考えるのにとても役立ちます。
 今後は小児の超急性期看護分野で専門性を高めていきたいという目標を持っています。以前、他院から救急搬送されてきた出生直後の新生児を救命できず、看取ったことがありました。付き添いの若い父親は「何も知らない産後の妻に、なんと伝えればいいのでしょう……」と涙を流しました。返す言葉がなく、ただ彼の背中に手を添えるしかありませんでした。その後、父親と一緒に亡くなった子の沐浴をすると、父親は「パパがお風呂に入れているよ」と笑顔で話しかけながら、温かい湯の中に涙を落としていました。看護師が寄り添う命には、このようにはかなく消える命もあるのです。無力感に打ちのめされましたが、退院時に「短い時間でしたが、生まれてきてくれた我が子の父親になれて良かった。ありがとう」という言葉をもらいました。
 この体験から命の尊さを改めて感じると同時に、小児急性期領域に携わる看護師としての責任の重さを実感しました。少しでも多くの幼い命を救えるように、そしてその家族を支えられるように、専門性を高めて看護の力を鍛えたいと強く思っています。

尊敬するロールモデルの先輩を見習い、「チームリーダーとして、後輩が安心して働けるような見守りと指導を心がけています」。

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  • 入職1年目の終わりに結婚し、現在は2児の父親だ。「就職の際には給与・福利厚生などの待遇面もかなり厳密に検討し、当院を選びました。看護師として成長したいですし、一人の人間として家庭を築き、幸せな生活も営みたいですから」。
  • 医師との関係は決して一方的ではない。「看護師の視点から意見を述べると、それを踏まえたうえでより良い治療や介入プランを提示してくれます」。
  • 後輩ナースマン(西田和晃さんと斎藤裕也さん)とディスカッション。新しい知識や情報を吸収し、日々の看護に反映している。
  • 反抗期の櫻井さんが父の病室に背を向けていた時、最後の看取りに背中を押してくれたのが看護師だった。

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