高齢者や認知機能低下の患者さんへ
笑顔で穏やかな看護を心がける
副主任 Aさんとは今年1年間、PNS(パートナーシップ・ナーシング・システム)のペアナースとして組んでいますね。新人のころから患者さんに対してとてもやさしく、声かけの仕方が上手だなと思って見ていました。忙しいときも笑顔を絶やさずにいると、高齢の患者さんも安心しますし、病棟も穏やかな雰囲気に包まれますね。
A 入職して配属先が当病棟(高齢診療科・皮膚科)に決まり、高齢者が非常に多いことに驚いたのは、今となっては懐かしい思い出です。大学病院は急性期医療がメインですが、当病棟は患者さんの在院日数が少し長いことが特徴です。認知機能が落ちないような看護の介入や療養型病院への転院といった退院支援があり、他病棟では学べない看護です。
副主任 日本は超高齢社会であり、高齢患者さんの入院はどこの施設でも増えています。認知機能の落ちている患者さんとのコミュニケーションの方法は、看護師として必須のスキルになるので、当病棟に所属している間にしっかりと学んでほしいと思っています。
スペシャリストが活躍する姿から
多くを学べる環境
A 副主任は認知症看護認定看護師の資格を持つスペシャリストです。どのように介入するか迷う高齢患者さんへの対応を、即座に的確に教えてくださり、日々刺激を受けています。毎日の業務の中で教えていただいたことを忘れないように、復習して覚えるようにしています。
副主任 私たちの病棟は一般的な病棟と異なり、認知機能が低下している方が多く精神的なプレッシャーを感じることもあります。専門的に認知症看護を学んできた私たちが、しっかりと新人看護師をフォローすることが大切だと思っています。希望と不安の入り混じっている新人看護師が安心して働けるように、認知症について学ぶ勉強会を定期的に開催したり、一緒に業務に就いたときはかかわり方についてアドバイスをしたり、高齢者の看護を学べる環境を整えています。
A 認知症の患者さんの対応は、特に個別性が高いと思うので、自分が考えるだけでは気づかない視点についてアドバイスをもらえると非常に勉強になります。
副主任 それは良かったです。Aさんの今後の目標を教えてください。
A 異常の早期発見や患者さんの病態だけでなく、生活背景や家族背景を含めたアセスメントができ、その方に合った看護や退院支援ができるようになりたいです。
副主任 確実に成長しているから、このままの調子でいけば大丈夫ですよ。看護部ではリソースナースの育成を教育方針の1つに掲げています。特定分野に強い看護師が院内で活躍しているのは、当院の魅力でもあります。資格をとりやすいように経済面も含めたサポート体制があるので、ぜひ挑戦してほしいです。
A ありがとうございます。最新の医療技術を学びつつ、さまざまな看護を勉強できる環境を、最大限活用していきたいと思っています。