命を預かる責任に抱いた大きな不安
支えとなった先輩からの言葉かけ
先輩 私が新人のときは、入職してから3カ月間の記憶がないほど大変だったのですが、入職して半年経った今、どう感じていますか?
新人 入職当初は患者さんのケアや検査、処置などタイムスケジュールをうまく組み立てられず、戸惑ってしまうことがよくありました。今では先輩方のサポートを受けながら、患者さんの状態とニーズを確認しつつ仕事を進められるようになっています。
先輩 最初は不安そうな表情が見てとれました。明るく振舞っているのだけれど、まじめすぎる部分があったから、そこを心配していました。でも、今は自分から私たちに声をかけてくれているので、成長が感じられてうれしいです。
新人 先輩たちが話しかけやすい雰囲気をつくってくださったおかげです。急性期に限ったことではありませんが、自分の技術1つ、例えば「与薬」では用量・用法・経路など、少しのミスが患者さんの命を奪ってしまう、それが大きなプレッシャーでした。でも先輩たちが、病棟でくり返し丁寧に指導してくれたことで不安は軽減されています。先輩たちのサポートがあり、安心して看護に取り組むことができています。
先輩 全スタッフがチームで育てようという意識を持ち、新人を見守っています。自己学習してから技術指導を受け、知識がある状態で学べていたので、効果的に習得できたのだと思います。主体的・積極的な学びの姿勢は、大きな成長につながっていくはずです。
コミュニケーションを大切に
患者さん一人ひとりと向き合いたい
新人 遠慮がちだった患者さんに「私が今日の担当です」と伝えると、「あなたでうれしい。いつもよくしてくれるから」と言われたことがあります。入職3カ月くらいで一番悩んでいた時期で、自分の看護が患者さんのためになっているかどうかもわからなかったため、このひと言はとてもうれしかったです。
先輩 入職時から患者さんへの対応はとても丁寧でしたね。マスク越しでも感情が伝わるような声かけをしていたので、患者さんからそのように声をかけてもらったのですね。
新人 混合病棟のため疾患の幅も広く、診療科によってカルテの見方が異なったり、治療法や薬も多様だったりと、難しさを感じていますが、病棟で勉強会もあるので、これからさらに学びを深めていきたいと思います。
先輩 確かに勉強は大変だと思いますが、幅広く知識を得られるということは、看護師としての成長には大きなプラスになります。先輩たちも日々、研究会や委員会などで学びを深めながらキャリアアップしていますよ。
新人 どんなに多忙でも余裕が持てるように学習を重ねて、患者さんとのコミュニケーションの時間を持ち、一人ひとりと向き合っていきたいと考えています。
先輩 時間をつくることは簡単なようで難しいものですが、その思いを持ち続ければ、優先順位が高くなります。忘れずに看護に向き合っていきましょう。