患者さんへのストーマケアを機に
認定看護師に興味を持つように
私が皮膚・排泄ケア認定看護師を目指したのは、看護師になって2年目、高齢患者さんへのストーマケアがきっかけでした。一人暮らしの80代の方から、ストーマを自分でケアして自宅で過ごしたいという強い希望を受けました。先輩に相談しながら自分で工夫してセルフケア支援を行い、無事に退院できたのですが、このとき知識不足や経験不足を痛感しました。
そのころ、所属先の泌尿器科病棟に皮膚・排泄ケア認定看護師が週1回、病棟にラウンドにきていました。局所のケアだけでなく患者さんの思いに沿った支援、深いところまで入り込んだ看護を見て認定看護師の役割を知り、感銘を受け、私も認定看護師になろうと決意しました。
まずは自分から希望して褥瘡対策チームのリンクナースになり、地域で開かれている褥瘡に関するセミナーや、勉強会で知識を深めていきました。消化管ストーマを造設する患者さんが多いので、泌尿器科から消化器外科への異動願いを出し、そこでストーマケアの経験を積み、2013年に念願の認定看護師の資格を取得しました。
現在、皮膚・排泄ケア認定看護師として褥瘡管理室に所属し、ストーマ外来を担当しています。ほかにも褥瘡対策チームのメンバーとして、院内ラウンドやコンサルテーション、創傷管理関連の特定行為など活動は多岐にわたります。ストーマのセルフケアが難しい患者さんが退院後も安心して過ごせるように、訪問看護師との同行訪問を行っています。訪問看護師と一緒にケアをすることで患者さんは安心でき、訪問看護師にその患者さんに適したストーマケアを知ってもらえる良い機会なので、この活動をもっと広げていきたいです。
「あなたの看護はアート」
主任からの最高の褒め言葉
認定看護師になり、消化器外科病棟で勤務していたときのことです。全身疼痛があり、腹部自壊創から腸液が多く浸出している患者さんがいました。昼夜問わず1~2時間ごとにガーゼ交換をしていたので、ケア方法を検討してパウチングに変えたところ、週に2回の装具交換をすればよくなりました。患者さんの苦痛が軽減でき、それを見た病棟の主任が「すごくきれいなケアで、看護はアートということがよくわかった」と言ってくださり、うれしかったです。
2019年には創傷管理の特定行為研修を修了し、医師と相談しながら自分の判断でケアできる範囲が広がりました。より早く患者さんの創傷を治し、安全で快適に過ごしてもらうための取り組みを考え中です。
当院の良さは、自分が挑戦したい、学びたいと思ったことに対して、看護部をはじめ病棟全体で手厚くサポートしてくれるところです。各病棟にはスペシャリストも多く在籍しており、活動を間近で見られ、すぐに相談できる、とても恵まれた環境です。
私も他部署の看護師が相談したいと思ったときに、タイムリーに声をかけてもらえる気軽な存在でありたいと思っています。認定看護師としての活動をより積極的に行い、スタッフに頼ってもらえる看護師を目指していきます。