5日間の現場を想定した研修で、
病棟でのケアをスムーズに実施
藤原 当院はがん専門病院ですが、看護師としての基本的な技術や知識を学べる教育環境があります。研修を受講しての感想はありますか。
鷺谷 一番印象に残っている研修は、入職後に5日間実施された技術研修です。採血、輸液管理、血糖測定など、基本的な技術を2人1組で実際の現場を想定して実施していきます。準備から実施、終了までの一連の流れを確認しながら学べるため、研修を終え、病棟で実践する際もあわてずにできました。
藤原 基本的な看護技術の習得は不可欠です。ほかにもフィジカルアセスメントや看護記録など、グループワークを主体とした研修プログラムが年間を通して組まれていますね。また、病棟でもプリセプターだけでなく、アソシエイトや病棟スタッフ全員で新人が技術を習得できるようにサポートするようにしています。
鷺谷 プリセプターの藤原さんは優しく、いつも「大丈夫?」と声をかけてくれます。アソシエイトとプリセプターとは毎月振り返りを行い、目標と成果を確認しています。達成後は新たな目標を立てるため、段階を踏んで成長できました。
藤原 鷺谷さんは明るくハキハキとした印象で、患者さんとのコミュニケーションもスムーズでした。技術面も確実に習得していましたし、「次はこの技術をやりたい」など積極的に学ぶ姿勢を感じました。これからは外科的なケアから、内科的治療を受ける患者さんの受け持ちになりますね。
鷺谷 これまで乳がんの患者さんの日常的なケアや術前・術後のケア、疼痛コントロールなどを行っていましたが、今後は化学療法や放射線治療を受ける患者さんの担当となります。さらに技術の幅を広げ、副作用に関する知識も深めたいと思います。
患者さんからの感謝の言葉は
看護を行う原動力につながる
藤原 治療に関する知識・技術はもちろん、患者さんの精神面のサポートも重要です。印象に残っている患者さんとのエピソードはありますか。
鷺谷 乳がんの手術で入院された患者さんを受け持った時のことですが、手術に対する不安な思いを傾聴すると同時に、気が紛れるような話をして緊張を軽くすることを心がけました。退院後に「声をかけてくれたことが支えになった」という手紙をいただき、看護師になって良かったとしみじみ感じました。今もこのことは自分の原動力となっています。
藤原 患者さんからの感謝の言葉は、力になると同時にやりがいにつながりますね。今後の目標はありますか。
鷺谷 がん疾患は、完治して退院する方だけでなく、治療を継続している方も多くいらっしゃいます。そうした方々の気持ちに寄り添い、入院生活の中で少しでも笑顔になれるようにサポートしたいと思います。
藤原 私自身プリセプターは2回目ですが、指導する難しさを感じるとともに、後輩が成長していく姿を見る喜びも実感しています。今後もお互い、患者さんの思いを傾聴して向き合っていきましょう。
