年間700件の看護師の「強み」が
eポートフォリオに蓄積されている
清水 看護部情報システムは、看護に関する情報を管理する部署です。電子カルテの運用のサポートや、蓄積された情報を管理してシステム開発や提案などを行っており、私たち2名の看護師で構成されています。
2010年に電子カルテ導入のタイミングで当部署が設置され、当時病棟での情報管理に課題を感じていたので、大きなチャンスだと思い異動を希望しました。その後、看護部のキャリア管理システム(eポートフォリオ)や質評価の仕組みの構築などさまざまな企画に参加、主導してきました。
奥山 私は一般病棟で7年、集中治療室で3年勤務したのち、2016年に当部署へ異動しました。私自身も、看護現場の効率化(例えば、各種マニュアルや資料、集計データなどにアクセスできる仕組みの構築)を通して、看護現場の支援ができていると実感し、やりがいを持って働いています。
清水 看護師がシステム構築を担当していることの強みは、やはり現場を知っていることです。現場での経験を多く積んでいる私たちなら必要なものがわかるので、現場のニーズにいち早く対応できます。
奥山 清水さんがつくったeポートフォリオは2015年にe-Learning 大賞「厚生労働大臣賞」を受賞するなど、外部からも評価されています。クリニカルラダーやコンピテンシーの自己評価・他者評価はもちろん、資格や委員会・教育活動などの役割も入力でき、自身の成長や経歴がすぐに確認できます。学習コンテンツもあり、コロナ禍でも院内の勉強会や研修をオンライン化できるので、継続教育に活かされていますね。
清水 私がeポートフォリオで意図したのは、うまくいったことをみんなで共有することです。業務の中でうまくいったことを「強みジャーナル」としてポートフォリオにためる仕組みをつくりました。最初はこれが使われるのか不安でしたが、今は年間700~800件の看護師の「強み」が寄せられています。それを読んでいるだけでも、私自身元気をもらえます。
看護師としてのアセスメント力を活かし、
背景や本当のニーズを探る
清水 奥山さんは当部署で6年目となりましたが、現在の課題は何でしょうか。
奥山 データ抽出やシステム構築はあくまで手段であるので、現場から言われたとおりにするのではなく、ニーズの背景まで考えられるようになりたいです。さらに自ら発信できるようになることが課題です。
清水 それは看護でも一緒ですよね。患者さんや家族の思いを聞くときに、その言葉の裏にあるもの、背景や本当のニーズは何かを探っていくと思います。奥山さんは看護の臨床経験が長く、アセスメント力もあるので、それを強みとしてデータ抽出や情報の提供に活かしていければいいですね。
私の目標は看護師が楽しく働ける環境を整えることですが、それには病院のスマート化は不可欠で、今後も現場をシステムの視点から支えていきたいと考えています。
当院は適材適所に先駆者や専門家がいて、困ったときは誰に相談すればいいかすぐに顔が思い浮かびます。私たちも頼られる人になれるよう、一緒に頑張りましょう。


