ポジティブフィードバックで
できている自分に気づかせる
榎本 エデュケーションナースとして新人の特性を理解し、病棟での指導の方向性などを決めています。またプリセプターと新人から話を聞いたり、2人がやりとりした内容を確認したり、全体を見ながらきめ細やかな現場教育が行えるようにしています。
渡辺 3年目でプリセプターになったときは、まだ自分の業務で手いっぱいで十分な指導ができなかったように思います。ですが、エデュケーションナースや先輩からのサポートを受けることで、新人が少しでも余裕を持てるよう、生活面にも配慮してかかわることができました。
中山 心身ともに疲れを感じていたとき、先輩に「きてくれているだけでうれしい」と言われたことが支えとなり、新たな気持ちで患者さんと向き合うことができました。プリセプターをはじめ、常に気にかけてくれる先輩たちは本当に心強い存在です。
榎本 新人が自分のできている部分に目を向け自信を持てるように、先輩同士がコミュニケーションをとりながら新人の状況を把握し、ポジティブフィードバックでサポートしています。失敗を恐れずに挑戦していける環境づくりを整えています。
渡辺 「看護に正解はない」、新人のころに先輩に言われた言葉です。看護を評価するのは患者さん。例えば洗髪がうまくできなかったとしても、患者さんが「さっぱりしてよく眠れた」という反応であれば、それは失敗ではない。その経験をより良いケアにつなげればいい、と。物事をプラスに変えられるかかわりを私も心がけています。
臨床現場で感じる新人の成長
自らの看護を深め、学びを続ける
榎本 新人看護師は慈恵看護の原点であるナイチンゲール看護理論を1年間の教育を通して学び、実践力を培っていきます。渡辺さんのお話は、まさに「看護とは何か」を考え、学び、実践している姿ですね。
中山 新人研修では看護の基本となるコミュニケーション力を養うグループワーク、患者さんの身体回復に必要な看護を考える演習、看護を楽しむためのセルフケア研修など、どれも臨床で役立つものばかりでした。研修を通して自己分析の見方を変えられることで、経験を前向きにとらえ少しずつ成長につなげられたと感じています。
渡辺 それまで指示に従って動いていた新人が、担当患者さんについて自分から相談をしてきたときは、成長が感じられてとてもうれしく思いました。
榎本 入職当初は現場の雰囲気に緊張して遠慮がちだったのが、徐々に先輩に自分の考えを発信できるようになり、患者さんにも積極的に話しかけている姿や、患者さんの背景をとらえ個別性のある看護を考えている発言が聞かれたときは、成長を実感します。
渡辺 看護というのは、患者さんの最もそばにいる看護師にしかできない素晴らしい仕事です。その中で自分のやりたい看護を、一緒に成長しながら見つけていきたいですね。
中山 新人教育だけでなく、2年目以降もレベル別の研修が設けられているので、継続して学び続け、自信を持って自分の看護を行えるようになりたいと思います。



