患者さんの気持ちを
何気ない会話の中からくみ取る
大学4年の看護研究で、研究室の教授から「がん疾患は生涯つき合う疾患」であることを学びました。患者さんの意思決定が大切でそれには看護師の存在が大きいことを知り、がん疾患の専門病院で働きたいと思いました。現在は乳腺外科で主に外科治療・化学療法・放射線治療・ホルモン療法を受ける患者さんのケアを行っています。
乳房切除によって受けるボディイメージの変化を受容する過程は個々の患者さんによって異なります。今までの自分と違うという戸惑いや不安に寄り添い、患者さんの話に耳を傾けることは簡単ではありません。無理に気持ちを引き出そうとせず、何気ない会話の中で表出される言葉から心情をくみ取ることを心がけています。患者さんと手術を乗り越えたことを喜び、患者さんの今を支持することも大切にしています。
患者さんへのかかわり方や術後のケアなどで行き詰まったときも、先輩の手厚い支援があり、疑問点はすぐ聞ける体制が整っているので、安心して働くことができました。病棟で働く乳がん看護認定看護師の患者さんへの対応やケアを見たり、相談や助言を受けられたりと、学ぶ機会に恵まれていることも心強く感じています。
がん看護の魅力は、患者さんと一緒に悩み、一緒に考えていくことです。今後は、入院中だけでなく退院後の患者さんの生活を見据えたケアができることが目標です。専門的な知識と技術を持って、自分が中心となり支援ができる看護師になりたいと思います。