キャリアラダーとPNSとメンタルヘルスで
確実な成長を後押し
山本 当院は、大学病院の看護専門職として、倫理に基づいた質の高い看護を提供できる創造性のある看護職の育成を目指しています。教育体制の柱となるのが、5段階のキャリアラダーで「卓越したジェネラリスト育成」を目的としています。また、一人前のジェネラリストであるラダーレベルⅢに成長した後も、自己研鑽を積み重ね、看護管理者・スペシャリストなどキャリアを広げられるように役割に応じた教育体制を整備しています。
市川 病棟では、PNS(パートナーシップ・ナーシング・システム)を導入していることも特徴です。看護師2人がパートナーとなってケアを行う、安心で心強いシステムです。2人で協力して看護を実践し、お互いに学びの機会にもなっています。患者さんに質の高い看護を提供できるとともに、新人看護師は、安心して早く技術や知識を身につけることができます。
花田 質の高いケアは、看護師の心身の健康に支えられています。当院は看護師のメンタルヘルスに手厚いサポート体制を整え、2020年から看護部職員対象の相談室を開設し、個別相談を受けています。ある看護師が相談にきたときは、慣れない業務にひどく悩み、辞めてしまうのではと心配するほどでした。しかし、翌年、笑顔で廊下を歩いているのを見かけ、苦しい時期を自身の力で頑張り乗り越えることができたと、うれしくなりました。部署と離れた相談室に話したことで、自分で問題を整理して自分の力で乗り越えることができたのだなと思いました。2021年度からは教育担当と連携して、新人看護師向けにメンタルヘルス研修や質問紙を用いた調査を行い、より踏み込んだメンタルサポートを実施しています。
行き届いた手厚いサポートで
新人看護師の能力を引き出す
市川 新人看護師から、「同期と比べて自分はできていない」「先輩に迷惑をかけて申し訳ない」という悩みをよく聞きます。そのような新人看護師には入職時と比べて、できていることを言葉で伝え、自己肯定感が得られるかかわりをしています。
山本 3カ月ごとに体験振り返り研修を行っています。看護体験を振り返り、同期とお互いの経験や気持ちを共有し、支え合う機会となっています。新たな気づきを得て、次の経験につなげることができている姿を見ると、成長を実感できます。集合研修で感じた、新人看護師の良いところや成長しているところを、部署の看護師長と共有し、さらに伸ばしていけるような働きかけをしています。1人の新人看護師をプリセプターやメンター、PNSグループのメンバー、副看護師長、看護師長など院内全体で支えています。
花田 仕事に対して意欲が持てる目標を見つけ、自らの「楽しい」を大切にしてともに頑張っていきましょう。
市川 入職した1年目は不安でいっぱいだと思いますが、「確実に成長していけるから一緒に頑張りましょう」と伝えたいです。
山本 看護師は長く働ける仕事です。ワークライフバランスを大切に、一緒に学び、成長していきましょう。



