【看護学生の就活スケジュール】面接・履歴書対策はいつから準備が必要?
最終更新日:2024/10/29
看護学生の就職活動は、実習や国家試験対策と同時並行で進みます。その時期は特に忙しくなるので慌ててしまわないように、どんな準備をいつから始めるか就活スケジュールと気をつけるべきポイントを確認しましょう。
目次
就活準備はいつからすべき?看護学生の就活スケジュールを解説
「就活の準備はいつからするべきか?」。答えとしては「準備は早いほどいい」となります。特にキャリアプランを明確にすることは早くからできるので、実践するとよいでしょう。
看護学生の就活スケジュール・イメージ
看護師の就職活動は一般的に、以下の流れで進みます。
- 病院の情報収集
- 合同就職説明会・見学会・就業体験
- 応募書類の作成・提出
- 就職試験
- 内定・就職先の決定
一般的には3年制の場合は2年生の、4年制の場合は3年生の秋頃から情報収集を始め、最終学年の12月までに内定をもらって就職先が決まるという流れです。しかし最近ではコロナ禍の影響もあって低学年から就職活動を始める学生も増えているようです。
就職活動をどう乗り切った?先輩看護師からのコメント
実際にナース専科 就職が2024年卒の看護学生に行ったアンケートでは、以下のようなコメントが寄せられています。
「自己分析は早めに始めると安心」
就活の時期、自己分析は早めに終わらせておくと楽に進めることができ、希望する病院も2~3個に絞っておくと迷わず決めることができました。
「低学年から就職活動を意識して積極的に情報収集するとよい」
1年生の頃から就職活動を考えて資料請求をしていたことで、焦らずゆっくり病院を選考することができました。病院の方と実際に触れ合える貴重な機会である説明会も参加しました。希望度が高い病院は事前に資料請求を行いあらかじめ質問を考えてたうえで参加したことで、より病院の理解に繋がり、相手にもやる気があると思っていただけたのではないかと思います。
「短大・専門学校の場合は実習前に準備しておくことが大切」
短大や専門学校は実習と就活が被ると思うので、早い段階から就活に関する準備や採用試験のトレーニングを始めることが大切だと感じました。とくに、どうしてその病院を希望するのか振り返り、その熱意をエントリーシートや面接で伝えるよう自己分析することが重要だと思います。
参考:ナース専科 就職『看護学生意識調査2024』「就職活動を振り返って」より
このように早い時期からの就職活動を勧める先輩の意見は少なくありません。ですが、就職活動はただ闇雲に早くから始めれば良い、というわけではないことも事実です。
情報収集を始める前にしっかりと準備をしておくことで、希望のキャリアにより近い就職先を見つけられることもあります。ここからは就活前の準備も含めて、何を、いつ、どのように進めていけば良いかを確認していきましょう。
看護学生が就活開始前に準備すべきこと
就活開始前の準備としてまずやるべきことは自己分析です。自身の「やりたいこと」や「理想の看護師像」を明確にして、キャリアプランを考えましょう。また、病院や働き方の種類を理解しておくことも重要です。
自己分析をおこないキャリアプランを考える
看護師になりたい理由、なろうと思ったきっかけや実習等で印象に残った場面などを振り返り、希望の看護師像や取り組みたい看護を明確にしましょう。なぜなら、病院によって求める看護師像や提供する看護が全く違うからです。
就職後にミスマッチに気づくと、我慢して働き続けたり、転職活動をしたりと、精神的にも辛い状況に陥りかねません。自己分析をおこない、自分自身を把握することが大切です。
自己分析をおこなううえで、適職診断テストを活用するのもおすすめです。以下の適職診断テストは複数の質問に答えると自分の向いている診療科を知ることができます。ぜひ活用してみてください。
病院や看護師の働き方を理解する
一言で病院と言っても、急性期に力を入れる大学病院やリハビリテーションを専門とする病院など、さまざまな種類があります。「自身の取り組みたい看護はどのような病院で行えるのか」という視点で、病院の種類を調べておきましょう。
また看護師の働き方もさまざまです。たとえば二交代制と三交代制では勤務時間や休みの日数が大きく異なります。同じ二交代制でも、夜勤時間が12時間や16時間など、病院や病棟によってさまざまです。
「休みをまとめてプライベートを充実させたい」「体力に自信がないので1回の勤務時間は短くしたい」などの希望に近い働き方を知っておくと、就職先を絞りやすくなります。
実習などで病院を訪問した際にもこの2つをチェックしておくと、就職先を探すときの参考にできるでしょう。
情報収集から内定まで。看護学生の就活の流れを解説
自分の理想の看護師像や働き方が整理できたら、本格的に就活を始めましょう。実際に就活は以下の6つのステップですすみます。
- 病院の情報収集をスタート
- 合同就職説明会
- 見学会・就業体験
- 応募書類の作成・提出
- 就職試験
- 内定
それぞれ具体的にどのような行動が必要になるのか、行動する際のポイントは何か、順を追って解説していきます。
ステップ1:就活候補となる病院の情報収集
まずは志望候補となる病院を探します。最初はインターネットを活用し、看護学生向けの就活情報サイトや病院の採用ページを参考に情報を集めることが大切です。少しでも気になる病院の資料請求をしましょう。その際に押さえておきたいポイントを5つ紹介します。
通勤時間・方法
自宅から通える距離か、引越しは必要か、交通手段はどうするかなどを確認します。台風や大雪などの悪天候でも出勤せざるを得ないことがあります。
不測の事態が起きても対応できるかまで考えてチェックしましょう。
提供している看護
病院の種類や病院・看護部の理念を見ておきましょう。就活を始める前に考えたキャリアプランと比較して「ここで働きたい」と思えるかを吟味します。
新人教育
多くの病院が組織的に新人教育を行っています。しかし例えば、技術だけでなく看護過程まで時間をかけて教育する病院や、即戦力となる教育を行なっている病院など、それぞれプログラムには特徴があります。
プログラム内容や研修頻度などを確認して、自分に合った教育を受けられるかを見ておきましょう。
給与・賞与・手当・福利厚生
給料や福利厚生などは、生活や仕事を続けるためにとても重要な要素です。基本給がいくらか、賞与や手当はどのような条件でいくらもらえるのか、福利厚生は整っているかを「ここで働き続けられるか」という視点でチェックします。
大規模病院の場合は配属先によって夜勤回数や該当する手当が異なることが多く、注意が必要です。
勤務体制
交代勤務の制度やローテーション制度の有無、部署異動の希望の出しやすさなどを確認します。ローテーション制度は就職後の配属先を決める前に、院内の各部署を経験できる制度です。
それぞれの仕事内容や雰囲気を確認してから配属先希望を出せるメリットがあります。異動のしやすさはキャリアに直結するので、自分に合った制度を採用している病院を探しましょう。
ナース専科 就職では看護学生向けの病院情報を掲載しています。気になる病院の資料請求もできるので、ぜひ活用してみてください。
参考:ナース専科 就職
ステップ2:合同就職説明会
合同就職説明会は夏(7~8月)と冬(12月~3月)に全国各地で開催されます。情報収集で候補にあげた病院のブースに行き、インターネットだけではわからなかった情報を確認します。実際に働いている看護師と直接話せる病院もあるので、リアルな声を聞いて参考にしましょう。
コロナ禍の影響で、昨今ではオンラインでの合同就職説明会も開催されています。オンラインでは自宅にいながら全国各地、どの地方の合同就職説明会にも参加できます。少しでも気になる病院を見かけたらエントリーしてみるのもおすすめです。
ステップ3:見学会・就業体験
情報収集、説明会を経て、志望する病院の候補がある程度絞れてきたと思います。候補先の病院の見学会や就業体験には積極的に参加しましょう。実際に病院を訪れて、提供している看護や職場の雰囲気が確認できます。
「ここで働きたい」と思えるか、自分の直感も大切にしましょう。見学や就業体験は年明けから夏頃まで続きますが、人気のあるところは就職試験自体を早めに切り上げてしまうこともあります。
情報収集の段階で強い就職希望を持った病院はすぐに見学会・就業体験に参加して、就職試験を受けるかどうか早めに判断しましょう。
病院説明会や就業体験を実施している病院は以下から探すことができますので、ぜひ活用してみてください。
参考:ナース専科 就職
ステップ4:応募書類の作成・提出
就職試験を受ける病院を決めたら、応募書類を提出します。必要書類は病院によって異なります。新卒採用の募集要項を必ず確認し、余裕を持って準備しましょう。ここでは一般的によく提出が求められる3つをご紹介します。
履歴書
履歴書は、あなたの学業や職業の経歴を一覧で示したものです。指定の用紙がある場合はそれを使用し、なければ文具店などで購入します。黒の油性ボールペンで記入しましょう。修正液などは使用できません。
あらかじめ下書きしておくと間違いを防げます。写真の撮り方や封筒の書き方にもルールがあるので、募集要項や購入した履歴書に同封されている説明書などを確認して準備しましょう。
志望動機
履歴書に記入欄がある場合と、志望動機だけで別の用紙が必要な場合とがあります。応募先の募集要項を必ず確認してください。
内容は、就活開始前に考えたキャリアプランや、説明会や就業体験で印象に残ったことなどを思い出しながら「なぜここで働きたいと思ったのか」を書きます。
自己PR
自己PRは自分の強みをアピールするものです。これまでに力を入れて取り組んできたことを、エピソードも交えて紹介します。
ステップ5:就職試験
就職試験には、学力水準や人柄の確認だけでなく、あなたと病院の相性をチェックする側面もあり、この点を重視する病院も少なくはないようです。普段の自分が出せるよう、落ち着いて臨みましょう。就職試験の内容は病院によって異なりますが、ここでは良くみられる5つの試験を紹介します。
適性検査
適正検査はその人の知的能力や性格の傾向を知るための検査です。最低限必要な能力を身につけているかを確認したり、配属先を決めるときの参考にしたり、活用の仕方は病院によって異なります。
書店などで適性検査対策用の書籍が販売されています。それらを参考に準備しておくのもよいでしょう。
一般常識問題
基本的な学力を見るために実施する試験です。国語・数学・英語・理科・社会の基本問題のほか、文化や時事問題なども出題されます。どのような問題が出るかは病院によって異なりますが、参考書やウェブサイトなどで問題に触れておくと、本番で実力を発揮できるかもしれません。
専門試験
看護師国家試験の合格基準を満たしているかをチェックする試験です。内容は国試に準じています。すべての病院で実施しているわけではありませんが、導入している病院に応募する場合は、早めの国試対策を心掛けましょう。
小論文
出されたテーマに対して、自身の意見を客観的・論理的に説明できるかを見られます。出題されやすいテーマや書き方のポイントを紹介するウェブサイトなどがあるので、参考にしながら練習しましょう。
小論文の書き方は「ナース専科 就職」でも解説しています。ぜひ参考にしてください。
面接
個別面接または集団面接で行われます。身だしなみを整え、聞き取りやすい声で、端的に、正直に答えましょう。面接前には履歴書を再度確認しておくと、質問に答えやすくなります。練習は先生や友人に協力してもらい、動画撮影をしながら行ってみましょう。自分の悪い癖を見つけることができます。
ステップ6:内定
内定をもらい就職先を決めたら、その後に必要な手続きと締切日を必ず確認しましょう。健康診断の結果など、準備に時間のかかる書類もあります。提出期日に遅れることがないように、時間に余裕を持って準備をします。
就活は第一印象が大切。身だしなみで気をつけることは?
説明会や見学会・就業体験や就職試験では、実際に病院の採用担当者と顔を合わせる機会もあるでしょう。
だからこそ就職試験では試験結果だけでなく、面接時などで対面した際の印象にもつながる身だしなみが大切なポイントとなります。いずれもTPO(Time(時間)、Place(場所)、Occasion(場面))に合わせて整えましょう
服装
就活シーンに合わせたスーツで臨みます。特にスーツはサイズ感が重要なので事前に一度着用しておくようにしましょう。清潔感も重要なので汚れやほつれなどがないかを確認して。女性の場合は予備のストッキングを持参するなど準備をすすめましょう。男性であれば靴下の色・形に気をつけましょう。目立ちにくい黒を基本とし、長めのものが無難です。
かばん
シンプルなデザインで、A4資料を入れてゆとりのあるサイズが必要です。自立できるタイプはカバンを床置きできるので便利です。
アクセサリー・ネクタイ
面接では看護師としてふさわしい服装や髪型ができているかもチェックされます。オシャレを目的としたようなアクセサリーやネクタイはつけないようにして臨みましょう。
メイク
清潔感が重要です。特に女性であれば基本的にノーメイクは避けるようにしましょう。自身の素肌や目鼻立ちを活かして自然に仕上げて健康的に見えるようにナチュラルメイクで仕上げます。
髪型
女性の場合は髪が肩にかかる場合は、黒ゴムでひとつにまとめます。短い場合も整髪料などでナチュラルにまとめ、前髪は眉にかからないようにヘアピンなどで止めておきましょう。
髪色は黒にしましょう。派手なヘアアクセサリーは禁物。男性の場合もビジネスシーンを意識した髪色やすっきりとした長さを心がけましょう。
早めの準備を心がけて就活を成功させよう
看護学生の就職活動は、実習や国試対策試験などと時期が重なることが多いため、計画的に行うことをおすすめします。就活を成功させる秘訣は、就活が本格化する前から準備を整えることです。余裕を持った就活で、あなたの希望によりマッチした就職先を見つけてください。