【新卒看護師向け】採用試験ガイド|病院の採用担当者が見ているポイントは?

最終更新日:2025/01/29
新卒看護師向けの病院の採用試験は、春ごろから本格的にスタートします。志望する病院の内定をもらうためには、採用スケジュールと試験内容について理解して早めに対策しておくことがカギです。今回は、採用試験のスケジュールや採用担当者がチェックしているポイントを解説します。参考にしてください。
目次
病院の採用試験の概要まとめ
採用試験の詳細は病院によって異なりますが、まずは一般的な概要を理解しておきましょう。ここでは、採用試験のスケジュール例とどのような人が採用担当者となるのかを解説します。
採用試験のスケジュール例
下記は病院の新卒採用試験のスケジュール例をまとめたものです。
病院の新卒採用試験は、看護学生が最終学年になる年の春に開始されることが多く、応募受付→採用試験→内定の流れで進みます。病院によっては、試験日を複数回設けているところや、夏から秋にかけて追加募集をするところもあります。
病院によって採用スケジュールは違いますが、国立病院機構など大規模なグループ病院や大学病院などは、比較的早い3月ごろから応募受付が開始される傾向にあるようです。一方で、民間病院のなかには応募者に合わせて試験日を決めてくれるところもあります。
採用担当者となるのはどんな人?
病院の採用試験では、看護部長、院長、副院長、事務長、人事担当者などが採用担当者となります。病院規模にもよりますが、一般的に応募から採用までを取り仕切る人事担当者がおり、面接や選考では看護部長や院長、副院長など、決定権をもつ役職者が携わるケースが多いようです。
病院の採用担当者のチェックポイント
ここでは、採用担当者がチェックする3つのポイントを解説します。
採用試験は、一般的に面接に加え書類選考や筆記試験、小論文などが行われます。病院によって異なりますが、応募する病院の試験内容に合わせた対策が必要です。とはいえ、採用担当者が採用試験でみているポイントはある程度決まっています。ポイントを解説するので、念頭に置いておくとよいでしょう。
1.人柄・能力
採用担当者はまず、受験者の人柄や能力、看護観が病院と合っているか、チーム医療のなかで働くためのコミュニケーション能力や主体性があるか、看護師になるうえでの向上心や誠実さがあるかなどをチェックする場合が多いでしょう。
人柄や能力は、志望動機や面接だけでなく採用試験全体を通してみえてくるものです。例えば、履歴書の書き方から丁寧で誠実な人であるかを確認し、小論文の内容から自主性や論理的思考があるかを判断します。つまり、応募受付から採用試験までのすべての過程で、人柄と能力をチェックしているということを覚えておきましょう。
2.病院の理解度・就職意欲
採用担当者は、就職意欲や病院への理解度が高い学生を選ぼうとします。就職意欲があまりない学生は、内定後に辞退する可能性があり、病院理解が乏しい場合は入職後にミスマッチに陥りやすいからです。そのため、病院の機能や理念をどのぐらい理解しているか、就職意欲が高く入職後のビジョンがはっきりしているかの両方をチェックします。
3.第一印象・マナー
応募書類や面接での第一印象やマナーも重要な評価ポイントとなります。見た目や言葉遣い、挨拶などから得る印象は、その人の人間性を示す要素となるからです。
初対面の人に抱いた印象は記憶に残りやすく、その後の評価につながるといわれています。第一印象だけで評価がマイナスになってしまわないよう、身だしなみを整え、基本的なマナーを身につけておくことが大切です。
病院の採用試験ガイド【準備・対策編】
ここからは、病院の採用試験に向けて具体的に準備・対策すべきことを解説します。
病院の情報収集
応募先を決めたら、応募書類の締め切りや採用試験の日程を確認し、試験内容の情報を集めます。病院が公表している内容だけでなく、先輩からの情報なども活用して過去の試験情報も調べてみてください。また、説明会などで知り得た情報を整理して病院への理解を深めておきましょう。
応募書類の作成・提出
応募書類は志望動機などの内容も重要ですが、期限と様式を守ることも大切です。応募書類の不備は第一印象に関わるため、募集要項をよく確認したうえで早めに準備しましょう。
履歴書やエントリーシートの書き方のコツや例文は、次の記事で詳しく解説しているので参考にしてください。
面接対策
面接はどの病院でも必ず実施されるため、十分な対策が必要です。当日に緊張しすぎないように、入室から退出まで本番を想定した練習をしておきましょう。
志望動機や自己PR、長所や短所などよく聞かれる質問の返答に加え、採用担当者から質問がないかどうかを尋ねられたときにも質問できるよう内容をいくつか考えておくと安心です。また、面接の形式も確認しておきましょう。
小論文・筆記試験対策
病院によっては、小論文や筆記試験を実施するところもあります。小論文や筆記試験は、過去に出題された問題などを実際にいくつか解くことで対策することができます。過去の傾向を調べ、応募先病院の試験内容に合わせて対策しておきましょう。先輩や学校に相談して傾向を知るのもひとつの手です。
マナーや身だしなみの確認
マナーや身だしなみは、採用を左右するポイントになります。試験当日に慌てないよう、髪や服装、爪などの身だしなみは数日前までに整え、マナーを確認しておきましょう。
病院の採用試験ガイド【当日確認編】
ここでは、採用試験の当日に確認しておくべきことを解説します。持ち物と身だしなみのチェックリストも紹介するので、活用してください。
持ち物の確認
採用試験当日に持っていくものを、リストにまとめました。
【採用試験当日の持ち物チェックリスト】
□ 提出書類の原本とコピー(履歴書・成績証明書など)
□ 携帯電話
□ 筆記用具・メモ帳
□ 応募先病院の資料
□ 採用担当者の連絡先控え
□ ハンカチ・ティッシュ
□ 腕時計
□ 現金(移動トラブルなど万一のときのために)
応募書類については、事前に提出している場合は持参不要ですが、当日提出する場合は汚れないようにクリアファイルに入れて持っていきましょう。履歴書のコピーや病院の資料は、面接前に内容を振り返るために使います。
採用試験では、携帯電話で時間を確認するより腕時計のほうが無難です。女性は予備のストッキングも持っていくと安心でしょう。
身だしなみの確認
当日の身だしなみチェックリストは、以下のとおりです。
【身だしなみチェックリスト】
□ 髪型は清潔感があり乱れていないか
□ スーツにシワ・汚れ・ほつれがないか
□ 靴が汚れていないか
□ 爪が長くないか(マニキュアは落とす)
□ メイクは派手すぎないか
身だしなみは清潔感があり、試験担当者に不快な印象を与えないかを基準に整えましょう。
到着時間とルートの確認
採用試験会場までの移動ルートは、余裕をもって到着できるよう考慮しましょう。当日は、交通機関の遅延や道路渋滞がないかなど交通状況を必ず確認するようにします。前もって試験会場までの移動手段を複数ルート調べておくと安心です。
病院の採用試験|よくある質問
ここでは、病院の採用試験に関するよくある質問について回答します。
採用試験の結果はいつごろ届く?
採用試験の結果は、基本1〜2週間程度で届きますが、応募者の人数によっては2週間以上かかる場合もあります。結果が通知されるタイミングは病院によって異なるため、不安な場合は、採用試験時に、いつ、どのような方法で結果が届くのか、不採用時に通知されるのかを確認するとよいでしょう。
看護師の採用試験で落ちる可能性はある?
看護師は採用試験では落ちにくいと思っている人もいるかもしれませんが、もちろん落ちる可能性はあります。採用倍率に関わらず、採用試験の出来具合によって落ちることはあるので、十分な対策を取って挑みましょう。
採用試験で落ちる人の特徴は?
採用試験は、病院によって採用計画や求める人物像が異なるため、採用と不採用の基準も異なります。ただし、マナーがきちんとしていない人やコミュニケーションが取りにくい人、入職に対する熱意が感じられない人などは、どのような病院でも落ちやすい傾向にあるでしょう。
面接の受かる・落ちるフラグのみで結果は予測できる?
面接時間が短い、面接官の反応が薄い場合、落ちたフラグ感じて気にする人もいるかもしれませんが、これらで採用結果を予測するのは難しいでしょう。面接官の反応について一喜一憂する必要はなく、採用試験後は次の試験に活かせるよう、自分の良かった点と悪かった点を振り返ってみてくださいね。
不採用になった病院にもう一度挑戦しても大丈夫?
不採用になった病院へ同年度内に再応募できるかどうかは、病院によって異なります。多くは同年度内の再応募は受け付けていないようです。
ただし、内定辞退者が多く二次募集をしている可能性もあるため、どうしてももう一度挑戦したい病院がある場合は、事情を説明し直接問い合わせてみましょう。
学校の成績はチェックされる?
新卒看護師の採用試験では、応募書類として成績証明書の提出を求める病院が多くなっています。成績証明書を提出した場合は、成績の良し悪しや国家試験に受かる学力を備えているか以外に、学校の出席状況などがチェックされるでしょう。
病院の採用試験は事前対策をしっかりと
新卒看護師の採用試験は、最終学年の春ごろから本格的に始まり、病院によってスケジュールや試験内容が異なります。今までの努力を成果につなげて希望する病院に入職するためには、早めの対策が肝心です。慣れない採用試験では緊張するかもしれませんが、準備がしっかりできていれば、自信をもって試験に臨むことができるでしょう。ナース専科ではさまざまな就活対策記事を用意しているので、これらを活用して対策に取り組んでみてくださいね。