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アセスメントガイドとは、看護過程作成時に参考にできるツールです。実習期間中にアセスメントを実施しそれを記録するとき、以下のようなことで困ったことがあるはず…
・実習中集めなければいけない情報が何かわからない
・SpO₂の正常値が何%だったかがすぐわからない
・エリクソンやフィンクの理論、看護過程への活用方法がわからない
・実習記録を作成するとき、データの解釈方法がわからない
・アセスメントに書く文章や表現方法がわからない
実習中、時間がないうえにやることがたくさんあるため悩みはつきません。しかし、アセスメントガイドを使うと、答えを調べる手間を省けて効率的に学習を進めることができます。
看護実習とは、看護学校で「知る」「わかる」ようになった看護を、患者さんに対して「使う」「実践できる」ようになる機会です。学校で学んだことを実習で行い、看護の理解を深めることが実習の意義です。 そんな実習で使う実習記録は、どのように看護過程を組み立てるか、実習で何を行ったかを書き記すものです。実習記録をきちんと書くことは、看護への理解をさらに深めることとなるので、重要な役割を担っています。
実習記録の用途は、学校や実習先によって異なります。以下実習記録の一部をあげたので、参考にしてみてください。
看護過程とは、看護ケアを必要とする患者さんに適切な看護を提供するため、看護計画をたて、介入をどう行うかを考え実行するための活動です。看護過程には、5つのステップがあります。
看護過程におけるアセスメントとは、患者さんの情報(S・O情報)を収集し、患者さんにどのような看護の問題があるかを分析・評価することです。アセスメントを行うことで、看護の問題に優先順位をつけられるため、看護の問題軽減・解決する計画を立てることができます。
看護過程において、記録方法のひとつに「SOAP」という方法があります。
SOAPに当てはめてアセスメントを行うポイントや書き方について、例を用いて紹介します。
早期胃がんで腹腔鏡のオペをした患者さんの場合
実習期間中、看護学生の睡眠時間は心身に悪影響を及ぼすほど少なくなることがあります。看護学生は患者さんの健康をサポートするべき立場ですが、自分が健康でなくなると辛い実習期間になってしまいます。看護学生が少しでも睡眠時間を確保し、笑顔を忘れず心身ともに健康で充実した実習になる一助となればうれしいです。
看護の世界では、質問をすることや質問に対する直接的な回答を教えることに関して
【絶対NG】な空気になることもあります。しかし、回答を効率的に手に入れることで、学びがより深まることもあるはずです。
アセスメントガイドを確認し、反復学習をして身につくこともあるのではないでしょうか。短時間で効率よく学習し、意欲的に学ぶ環境を整えたいと思っています。
アセスメントガイドは、看護学生だけでなく看護師になったあとも役立つツールを目指しています。看護師になってからも勉強の日々が続きます。目の前の患者さんを看護するとき、今どのような状況か迷ったときなど、ポケットのアセスメントガイドで患者さんの状況を把握することもできるはずです。
アセスメントガイドを通して学習し続けることで、アセスメント能力の高い看護師が増えることを願っています。高い水準の医療提供機会・看護人材の育成につながり、その結果(患者・看護学生・看護師含め)元気な人が増えることを願っています。
各看護理論ごとに、サイトとダウンロード資料があります。それらを使って、看護過程を組み立てましょう。
会員登録して各パターンごとのページを見る
会員になると、各看護理論ごとのページを閲覧できます。ページ内には、各パターンで収集する項目・項目の概要・基準値などを掲載しています。
何をアセスメントするために項目があるのかを理解しながら学習をすすめましょう。
※各パターンで収集する情報はあくまで一例です。必ず実習で受けもつ患者さんや通っている学校での授業・教科書・指導などに合わせた情報収集を心がけましょう。
実習中情報収集メモで患者さんのS・O情報を収集する 実習中情報収集メモには、各パターンの基準値・正常値が1枚にまとまっています。実習に持っていき、このメモに患者さんのS・O情報を記入したら、患者さんの状態が正常か異常かということを把握することができます。
練習ノートを使って看護過程を作成する 看護過程練習ノートには、基準値・異常値や正常時の看護過程例文が載っています。実習中情報収集メモをもとに、患者さんの情報が正常なときは例文を使い、異常なときは正常時の例文を参考に自分で文章を考え、看護過程を組み立てることができます。
※このよくある質問は、ナース専科運営部がお送りするものであり、任先生ご監修のコンテンツではありません。
1 | 情報収集する項目を確認する |
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2 | 項目が正常な場合、どういったことが言えるかを考える |
3 | 受け持つ患者さんの疾患と照らし合わせ、異常になる可能性のある項目をチェックする |
4 | 異常がある場合、どのようなことが考えられるか調べる |
任 和子(にん かずこ)
京都大学大学院医学研究科/人間健康科学系専攻先端中核看護科学講座/教授
大阪教育大学大学院 教育学研究科 修士課程修了、京都大学大学院 人間・環境学研究科 博士後期課程修了。
京都大学医学部附属病院にて看護師として勤務後、京都大学医療技術短期大学部 助手、名古屋大学医学部保健学科 助教授、滋賀医科大学医学部看護学科 助教授を経て、再び2005年より京都大学医学部付属病院 副看護部長、2007年同院病 院長補佐兼看護部長を兼務、2011年4月より現在に至る。
専門は、慢性看護学・看護管理学。
著書に『看護過程展開ガイド 実習記録の書き方がわかる ヘンダーソン、ゴードン、NANDA-I、オレム、 ロイ』(照林社)、『領域別 看護過程展開ガイド(プチナースBOOKS)』(照林社)、『病期・発達段階の視点でみる 疾患別看護過程(プチナースBOOKS)』(照林社)、『根拠と事故防止からみた 基礎・臨床看護技術 第3版』(医学書院)等、多数。
※このページは、有資格者の現役看護師が学生時代の実習と臨床経験にもとづいて作成したアセスメントシートで、あくまで一例です。必ず実習で受けもつ患者さんや通っている学校での授業・教科書・指導などに合わせた情報収集を心がけましょう。
※紹介する検査値の基準値は、LSIメディエンスに準拠しています。