看護学生2年生でやるべきこと|実習や就活準備から国試の勉強方法まで

看護学生2年生でやるべきこと|実習や就活準備から国試の勉強方法まで

最終更新日:2025/08/29

看護学生の2年目は、学内演習や実習が本格的に始まり、学びは基礎から応用へと進む時期。さらに就活や国試への意識も芽生え始めます。今回は3年制・4年制の看護学校の2年次スケジュールをもとに、実習・就活・国試に向けて身につけたい力や準備のポイントを解説します。

看護学生2年生で学ぶこと

看護学校での2年生は、1年生に学んだ看護の基礎を土台に、より専門的で実践的な学習へとステップアップする時期です。

看護学生2年生での学びの特徴

  • 授業では演習やグループワークが増える
  • 病院での臨地実習がスタートする
  • 就活や国試に向けて準備を始める人もいる

学校の授業では、技術演習やロールプレイなど実践的な内容が増えます。また、グループワークなどを通じて、学生同士が意見を出し合いながら、主体的に考える力を養う機会も多くなるでしょう。

さらに学年の後半は、臨地実習が本格的に始まる学校も多く、患者さんと直接関わりながら、現場での看護を体験し、実践的な力を身につけていきます。

また早い学生は、就活を意識して病院説明会や就業体験に参加したり、国試の勉強を少しずつ始めたりする時期でもあります。

【学校別】看護学生2年生のスケジュール(3年制/4年制)

看護学校には、3年制の学校と4年制の学校があり、それぞれカリキュラムの進み方や実習の時期が異なります。ここでは、代表的なスケジュール例を3年制と4年制の学校に分けて紹介します。

ただし、スケジュールは学校ごとに異なるため、詳細は学校の年間予定表やシラバスを確認してください。

看護専門学校(3年制)|2年次スケジュール

3年制の学校では、2年次から学習と実習の両立が本格的に始まります。1年次に学んだ基礎を土台に、より専門的で難易度の高い内容に取り組むようになり、記録やレポートの提出も増えるため、忙しさを感じる学生も少なくありません。

春から夏にかけては、成人看護や老年看護などの専門科目や、注射、吸引といった看護技術の演習を学内で履修します。そして、9月ごろから臨地実習(領域別実習)が始まり、患者さんと関わりながら、看護過程の展開や看護援助を実践的に学ぶようになります。

秋以降の実習は、成人・小児・在宅などの領域ごとに分かれており、それぞれの看護対象に応じた理解と柔軟な対応力が求められるでしょう。

また、3年次の春ごろには採用試験が本格的に始まるため、2年次のうちから就活の準備を始める必要があります。病院の合同説明会や就業体験は長期休暇中に開催されることが多いため、夏休みごろから情報収集やイベントへの参加を始めることが大切です。

看護大学(4年制)|2年次スケジュール

4年制の学校は、3年制に比べるとカリキュラムにゆとりがあり、理解を深めながら実践に向けた基礎力を段階的に養っていく傾向にあるようです。2年次では、1年次に学んだ基礎知識をもとに、専門科目や演習が本格化し、臨床を意識した学びが始まります。

例えば、解剖生理学、疾患、薬理学などの専門科目に加え、看護過程の展開やアセスメント技術など実践に向けた演習も行われます。また、事例検討やグループディスカッションなど、学生同士で意見を交わす学習も増えていきます。学校によっては、後期に一部の領域で臨地実習がスタートすることもあるようです。

さらに、4年制でも夏ごろから病院研究や就業体験などに参加する人が増えてきます。特に人気のある病院の就業体験や説明会は、申込受付が早期に締め切られることもあるため、夏休みを活用して早めに情報収集を進めるのがおすすめです。

2年生のうちに身につけたいこと

ここでは、看護学生2年生のうちに身につけたいことを紹介します。国試や実習への備えとして、また将来現場で働く看護師になることを見据え、以下のような力を意識して身につけておきましょう。

自主的な学びの習慣

看護師は、専門職として学び続ける姿勢が求められる職業です。授業や実習も、ただ受け身でこなすのではなく、自分から積極的に学ぶことが重要。自分の学びを見直し、予習・復習を日常のルーティンにする、就活や国試対策の情報を自ら調べるなど、具体的な行動に結びつけることが大切です。

また、この時期に自分に合った勉強法を見つけておくのもおすすめです。動画学習、まとめノート、友人とのシェア学習など、自分に合った学びのスタイルを確立しておくことで、3年生以降の負担が軽くなるでしょう。

チームワーク力

看護師の仕事は、チーム医療の一員として患者さんを支えるもので、一人では完結し得ないことが多くなります。そのため、学生のうちからチームで協働する力を身につけておくことが重要です。

2年生ではグループワークやチーム実習が増え、仲間と協力して学ぶ機会が多くなります。この機会に、コミュニケーションのとり方や協調性を磨くよう意識してみましょう。ほかの人の意見や価値観にふれることは、自分の看護観を深めるうえでも大切です。

情報収集力・スケジュール管理力

2年生は、実習、課題、試験、就活準備など、複数のタスクを並行して進行しなければならない時期です。そのため、先を見通して計画的に行動する力が求められます。やるべきことを把握して優先順位をつけることは、将来臨床現場で働く際にも不可欠です。

これを実践するために、情報収集能力とスケジュール管理力を高めておきましょう。ToDoリストやスケジュールアプリ、手帳などを活用して、自分に合ったタイムマネジメントの方法を見つけることがポイントです。

自分にあったメンタルケア&リフレッシュ方法

2年生になると、学びの内容がより専門的になり、やるべきことも増えてきて、疲れやストレスを感じることがあるでしょう。そんなとき、自分に合ったリフレッシュ法を知っているかどうかで、日々の学びに大きな差が現れるようです。

友達と話す、好きな音楽を聴く、散歩や軽い運動をするなど、無理なく継続できる自分なりのメンタルケア方法を見つけておきましょう。夏休みなどの長期休暇を活用した旅行や気分転換も、心身のリフレッシュに効果的です。

今やりたい具体的な準備とは?

ここでは、2年生のうちに取り組みたい準備を分野ごとに紹介します。

2年生になると、学校の授業に加えて、実習、就活、国試の準備とやるべきことが増えます。「早めに準備しておけばよかった」と感じている先輩も少なくないようです。

3年制と4年制の学校ではスケジュールやカリキュラムの進み方が違いますが、必要な準備は変わらないので、時期に合わせて余裕をもって取り組めるよう参考にしてみてください。

本格化する看護実習への備え

多くの看護学生は、実習が一番大変だと感じています。不安や緊張を少しでも軽くするには、事前の準備がカギです。

実習前にやっておきたいこと

  • 解剖生理や疾患の基本知識を復習する
  • 領域別の内容を早い時期から事前学習をしておく

患者さんを理解し、適切な看護を提供するためには、体のしくみや疾患のメカニズムへの理解が不可欠です。看護過程をスムーズに組み立てるためにも、解剖生理や疾患の基本知識を復習しておきましょう

また、領域別実習が始まると、看護過程の展開や課題、次の実習の準備とやることが多く忙しくなります。直前に焦らないよう、事前学習は余裕をもって、早めに取りかかりましょう。

実習中のポイント

  • 積極的なコミュニケーションをとる
  • 自主的な姿勢をもつ
  • こまめにメモをとる
  • その日の振り返りを習慣にする

実習では、患者さんや指導者との関係づくりや、チームメイトとの連携が学びの基本となります。挨拶、連絡、相談を意識して、積極的に関わる姿勢をもつよう心がけましょう。

また、実習中に入ってくる情報量は多く、知識として頭に留めておくのは大変です。こまめにメモをとり、帰宅後はその日のうちに得た情報を記録しましょう。メモをみながら「なぜそのケアを選んだか」「どう感じたか」を振り返って書き留めておくことが、実習後のレポート作成や看護観の形成にも役立ちます。

早めがカギ!就活の準備

ここでは、早めに就活準備を始めるメリットと、今からできる具体的な準備を解説します。

早めの就活準備が大切な理由

就活では、「どのように働きたいか」「どんな環境で自分らしく働けるか」といった理想の働き方や将来像を考え、それに合った職場を見つけることが重要です。

特に3年制の学校では、2年生の冬になると採用試験が目前に迫るため、夏の時点で就活準備をスタートさせることがとポイントとなります。

また、4年制の学校でも、実習が本格的に始まる3年生は、じっくりと就活に向き合う時間を確保しにくくなります。そのため、2年生の早いうちから就活準備を進められると、余裕をもった選択が可能で、就職後のミスマッチを防ぐことにもつながります

やっておきたい就活準備

2年生のうちに、特に次の3つの準備を進めておきましょう。

  • 自己分析
  • 病院の情報収集
  • 就業体験や説明会への参加

 
自己分析では、自分の性格や価値観、得意・不得意、将来どう働きたいかなどを整理していきます。これにより、自分に合った職場や働き方の軸が明確になり、就職先選びの判断基準にすることができます。

自己分析の方法はさまざまあるので、時間に余裕のある1、2年生のうちにいくつか試してみるのがおすすめです。視点を変えて分析することで、新たな自分の強みや価値観に気づける可能性もあります。 

情報収集では、まずはどのような病院があるかを把握することから始めましょう。パンフレットや病院の公式サイトを活用し、病院の理念、看護体制、福利厚生、教育制度などをチェックします。気になる病院はメモしておくと、複数の候補先を比較する際にも役立ちます。

また、就業体験や病院説明会は、実際の職場の雰囲気を体感できる貴重な機会です。最終学年以外でも参加できるものが多く、長期休暇などを活用して参加してみましょう。就活への意識が高まり、病院選びの視野も広がります。

少しずつが大切!国試対策

看護師国家試験は、問題数が多く、出題範囲も広いため、早い段階から計画的に取り組むことが重要です。2年生のうちから無理のないペースで基礎力を積み上げていくことが、合格への近道になります。

ここでは、2年生から始めたい国試対策のポイントをまとめました。

  • 基礎医学の理解を強化する
  • スキマ時間で「1日1問」を習慣する
  • 実習ごとに過去問に挑戦する

解剖、病態、薬理などの基礎医学の理解は、すべての科目の土台となります。授業や実習で学んだ内容を振り返り、理解を深めておきましょう。

国試対策の基本は過去問演習です。スキマ時間を活用して1日1問でも解く習慣をつけることで、知識が定着しやすくなります。特に、各領域の実習が終わったタイミングで、その分野に関する国試の過去問に挑戦すると、実習で得た知識と結びつけて理解が深まるのでおすすめです。

以下の記事では、国試対策について詳しく解説しています。ぜひ活用して、効率的に準備を進めてください。

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2年生の積み重ねが将来につながる

看護学生2年生では、勉強や実習に追われ大変に感じることもあるでしょう。しかし、この時期の積み重ねが、納得感のある就職や国試合格に直結するといっても過言ではありません。早い段階で少しずつ準備していけば、プライベートの時間も十分に確保できるはずです。焦らず、自分のペースでできることから始めてみてくださいね。

執筆者情報

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柴田 実岐子

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福岡県生まれ。大学卒業後、一般企業に勤務し、社会人から看護師免許を取得。急性期外科などで経験を積んだのち、精神科、慢性期の一般病棟、健診センターなどさまざまな職場で勤務。さらに夜勤専従・派遣・応援ナースなど、多種多様な働き方を経験した。現在は離島移住をきっかけに、へき地医療に従事しながらライターとして活動中。