看護学生の「辛い」「辞めたい」を乗り切るには?解消方法を紹介

看護学生の「辛い」「辞めたい」を乗り切るには?解消方法を紹介

最終更新日:2026/05/26

学ぶことも多く忙しい看護学生生活。「辛い」「辞めたい」「看護師に向いていない」と感じることもあるかもしれません。看護学生はどのようなことに辛さを感じているのか、ナース専科では看護学生を対象にアンケートを実施しました。今回は、看護学生の辛いことや解消方法やアドバイスを紹介します。

なぜ看護学生は辛いと感じるのか?看護学生に聞いた「辛いこと」の実態

憧れの看護学校生活ですが、いざ始まると授業や課題、演習に実習……目まぐるしい毎日に追い立てられ「辛い」と感じることが増えてしまうのかもしれません。

ナース専科では看護学生を対象にアンケートを実施。看護学生が何を辛いと感じているのか、実態を調査しました。明らかにしていきます。

看護学生の調査データ

どのくらいの看護学生が辛いと感じているのでしょうか。アンケート結果をもとに、看護学生の辛さをさまざまな視点から解説します。

大半の看護学生は「辛い」と感じている

「辛い」と感じる看護学生の割合
※ナース専科調べ(2022年7月21日-7月29日/有効回答数:269)

アンケートでは、看護学生の約85%が看護学生生活を「辛い」「どちらかというと辛い」と回答しており、多くの学生が何かしらの辛さを感じていることがわかります。

看護学生の「辛い」ことランキング

アンケート内で具体的にどのようなことを「辛い」と感じているのか聞きました。
最も回答の多かった辛いことは「看護実習(86.5%)」、次いで「学校の定期試験(62.2%)」「学校からの課題(57%)」という結果になっています。
看護学生の「辛い」ことTop3
※ナース専科調べ(2022年7月21日-7月29日/有効回答数:230)

上位には実習や学習に関することが目立ちます。それぞれの項目に対して、具体的にどのようなことを辛いと感じているのか看護学生の声を紹介します。

1位 看護実習
  • 実習の記録量が多い
  • 実習の先生や指導者と、自分の考えが違う。わかりやすく指導してもらえない
  • 指導者に怒られる

アンケートに回答した看護学生の86%が辛いことに挙げている看護実習。辛い看護実習は今まで教科書や学内実習で学んだことを実践する場です。
患者や指導者・教員との人間関係、病院という慣れない環境、学内実習とのギャップやリアリティショック、予習・復習や膨大な記録……さまざまな場面で辛いと感じている看護学生が多いようです。

2位 学校の定期試験
  • 定期試験を落とすと留年が決まる
  • 課題も多く時間をつくって勉強するのが大変

課題や演習・実習の合間に行われる定期試験。科目が多く範囲も広いため、一夜漬けでは対処できません。頑張って勉強しても「ついていけない」「自分には向いていない」と感じる看護学生も少なくないようです。
定期試験に落ちると留年になるケースもあり、多くの看護学生がテストを辛いと感じています。

3位 学校からの課題
  • 課題が多く、こなすのに必死
  • 記録や課題の正解がわからない
  • 課題が重なると、睡眠時間を削らなければならない。精神的にストレスがかかる

医療・看護の勉強は毎日の積み重ねです。幅広い科目で課題やレポートが複数課されることもありますし、予習・復習をしなければ授業についていけないケースもあります。
また、課題を提出しなければ看護実習に参加できない学校もあり、課題1つといっても気が抜けないのです。

その他にはこんな意見も

アンケートには次のような意見もありました。

  • 自由な時間がない
  • 思った以上にやることが多く、常に時間に追われている
  • 実習でアルバイトができないため、金銭的なやりくりが難しい
  • アセスメントがうまくできない、自分と向き合う必要があって、きつい

毎日時間に追われる、勉強や課題が上手くいかない、さらには金銭面の悩みまで、看護学生が「辛い」と感じることは、多岐にわたります。
※ナース専科調べ(2022年7月21日-7月29日/有効回答数:269)

看護学生生活の「辛さ」を解消する方法

実際に、看護学生は忙しいためこうした辛さを0にすることはできないかもしれません。けれども、辛さを軽減する方法はありますし、軽減方法を上手に取り入れながら看護学生生活を乗り超えている仲間はたくさんいます。
ここからは、実際にどのように辛い場面を乗り越えているのか解消方法を紹介します。

看護実習が辛い人の解消方法

  • 同級生と協力して乗り切る
  • 実習担当教員に相談する
  • 学内実習に切り替えたり、再実習したりする

看護実習を乗り越える方法の1つに予習・復習や記録を同級生と共有して抜けがないようにする、励まして支えあうなどがあります。仲間に相談することで、新たな視点が生まれたり、協力することで辛さが乗り越えられたりするのでおすすめの方法です。

指導者や患者との関係が辛い場合は、実習担当教員に相談するのもよいでしょう。もし、実習が辛くて眠れない、身体に不調があるなどの場合は、学校教員に相談しましょう。こころや体を壊してしまう前に、解決できる選択肢があるかもしれません。

勉強が辛い人の解消方法

  • 勉強方法を見直す
  • ノートの取り方や記録方法を変え、テスト勉強でまとめなおさないようにする
  • パソコン操作のスキルを上げる

勉強が辛い、成果が出ないと感じる人は、自分に合っていない方法を取り入れてしまっているため、効率が悪くなるケースは少なくありません。同級生に勉強法を聞いてみたり、看護雑誌などで紹介されている勉強法を試してみたり、勉強方法の見直しをしてみましょう。

また、中・高校生時代のように「板書を書き写す」のではなく、後から振り返った時に重要なポイントがわかる学習方法の確立をしましょう。
ノートの取り方を変えテスト勉強でも活用できるように工夫するのも勉強の効率化に役立ちます。

最近ではオンライン授業も増え、パソコンでレポートや課題を作成する機会が増えています。ブラインドタッチやショートカットキーをマスターするだけでも、入力にかかる時間を大幅に減らせます。
これらのスキルは社会人になってからも役立ちますので、パソコン操作が苦手な人や記録に時間がかかって辛い人はぜひマスターしてください。

人間関係が辛い人の解消方法

  • 苦手なクラスメイトとは適度な距離感で付き合う
  • 実習グループの全員と無理に仲良くしようとしない
  • 実習担当教員化から不当な扱いやパワハラを受けている場合は、他の教員に相談する

人間関係に合う合わないがあるのは当然です。ましてや学校や実習ではストレスもあり、人間関係がギクシャクすることもあるかもしれません。無理に仲良くしたり関係を改善しようとしたりせず適度な距離感で付き合ってください。「クラスの中だけ」「実習だけ」と割り切った気持ちで付き合うと、人間関係の辛さが軽減できます。

実習担当教員と合わない、適切な指導を受けられないというケースもあります。不当な対応を受けている場合は我慢せず、他の教員に相談し解決策を探しましょう。

学費・生活費が辛い人の解消方法

  • 長期休暇中などに集中的にアルバイトをする
  • アルバイトを精査する
  • 奨学金や助成金などを受給する

実習やテスト期間中はアルバイトをする時間がなく、学校からアルバイトを制限されるケースもあり、金銭面での不安を抱えている看護学生も少なくありません。

長期休暇中に集中的にアルバイトをしたり、隙間時間でテスト監督やコンサートスタッフなどの短期のアルバイトをしたりする方法があります。

また、奨学金や助成金を受給する方法もあります。奨学金は返済義務を伴うものがほとんどですが、受給できればアルバイトの時間を減らし学習時間を増やせるためおすすめです。

看護学生の奨学金については、次の記事で詳しく解説しているので参考にしてください。

「看護学生が辛い」「辞めたい」と思った時に検討したい3つのこと

看護学生が辛いと思う場面はたくさんあるかもしれません。辛いと思う人の中には看護学生を辞める決断をする人もいます。けれども、辞めるという選択の前に検討してほしいことがあります。

1.勢いで辞める前に立ち止まって検討する

辛いときこそ「なぜ辞めたいのか」考えてみましょう。本当は何がやりたかったのか、なぜ辞めたいのかを考えてみてください。

ストレスフルな状態や睡眠不足では、マイナス思考になりがちです。美味しいものを食べ、しっかりと睡眠を確保し休息を取ってから考え直してください。

すぐに考えがまとまらないかもしれません。せっかく今まで頑張ってきたのですから、辞める前に立ち止まってもう一度考えてみましょう。

2.辞めてどうしたいのかを検討する

看護学生を辞めたらどうしたいのか、自身に問いかけてみてください。

看護学校を辞めても選択できる未来はたくさんあります。けれども、次に目指す道が何も決まっていない状態で辞めることは、不安や新たなストレスを生んでしまうかもしれません。

今はつらくて将来について考えられないかもしれませんが、これから進む道を明確にしてから辞めるのもひとつの方法です。

3.資格だけ取得し看護師にはならない方法を検討する

「看護学生がつらく、看護師にはなりたくない」と思う人は、看護師資格だけを取得するのも手段の一つです。

2026年現在、看護師免許は更新制ではないため資格さえ持っていれば将来、必ず役立つ武器になります。卒業後に働いた経験がなくとも、資格を活かして働く選択肢があるかもしれません。

また、学校によっては、看護以外の他学部に転部できる場合もあります。看護師になるだけが人生ではありませんが、辛いからといって直ちに看護学生を辞めてしまうのは、最後の手段にしましょう。

看護師になるまで支えあい看護学生生活を乗り切る

アンケート結果からもわかるように、看護学生の多くが共通の悩みを抱えています。我慢しすぎてこころや体を壊してしまうまで頑張る必要はありませんが、実習で担当した患者の「ありがとう」の一言や、記録や課題を適正に評価されるなど「頑張って良かった」「看護学生で良かった」と思える場面はたくさんあります。
一人で抱え込まず周囲に相談し、悩みを分かち合うだけでも楽になります。仲間と支えあいながら、看護師になるまで看護学生生活を乗り越えましょう。

執筆者情報

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小田 あかり

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大学看護学部卒業後、小児・内分泌・循環器科で勤務。看護師として働きながら、知識と経験を活かし、医療ライター・監修者として活動中。