看護学生の実習・就活に必須!正しい言葉遣いと敬語【話し方の例文付き】

看護学生の実習・就活に必須!正しい言葉遣いと敬語【話し方の例文付き】

最終更新日:2026/05/26

正しい言葉遣いや敬語は、相手への敬意を示し、信頼関係を築くための大切な手段です。社会人になると、最低限のマナーとしても身につけておかなければなりません。今回は、言葉遣いに自信がない看護学生に向けて、実習や就活ですぐに使える敬語を例文付きでわかりやすく解説します。

就活・看護実習前に正しい言葉遣いと敬語を身につける

実習や就活では、患者さんや医療スタッフ、採用担当者など、さまざまな立場の人と関わる機会があります。そのような場面では、友人や家族との日常会話とは異なる、TPOに合わせた言葉遣いが求められます。実習や就職活動が始まる前に、正しい言葉遣いと敬語をしっかり身につけておきましょう。

言葉遣いが大切な理由

言葉遣いには、相手の自尊心や立場を尊重する意味があります。敬意が伝わることで信頼関係が生まれ、その信頼関係が円滑なコミュニケーションや良好な人間関係の土台となるため、正しい言葉遣いを身につける必要があるのです。

正しい言葉遣いは、単なるマナーにとどまらず、相手に以下のような印象を与えます。

  • 誠実さや思いやりが伝わり、安心感を与える
  • 社会人としての基本マナーが身についていると判断される
  • 信頼できる人物だという好印象につながる
  • 落ち着いて話せる相手だという安心感を与える

正しい言葉遣いを身につけるためには、まず敬語の種類と使い分けを理解しましょう。

敬語は「丁寧語」「尊敬語」「謙譲語」の3種

敬語は、大きくわけると「丁寧語」「尊敬語」「謙譲語」の3種類があります。

丁寧語

「です」「ます」のように、丁寧な言葉遣いで相手に敬意をあらわす際に使用する敬語の基本となる言葉遣いです。相手と同等の関係や、丁寧な気持ちをあらわしたときに使います。

尊敬語

目上の人や尊敬する人に敬意をあらわす際に使用します。相手を主語にして、敬意を表したい相手の行動を高めて表現します。

謙譲語

相手に敬意をあらわす際に、自分がへりくだって相手を立てるときに使用します。自分や身内を低くするために自分や身内が主語になります。

敬語を使い分けるポイント

それぞれに、以下のような使い分けのルールがあります。相手と自分の関係性や主語が誰になるかで使い分けるようにしましょう。

敬語の使い分け方

看護学生がよく使う言葉の具体的な使い分け例をまとめました。以下の表を参考に、日常生活でも使ってみるようにしてください。

基本語 丁寧語 尊敬語 謙譲語
行く 行きます いらっしゃる
行かれる
伺う
参る
見る 見ます ご覧になる 拝見する
見させていただく
言う 言います おっしゃる 申し上げる
聞く 聞きます お聞きになる 承る
会う 会います お会いになる お目にかかる

正しい敬語・言葉遣いを事例別に解説

ここからは、シーン別に看護学生がよく使う言葉の正しい敬語・言葉遣いを解説します。

事例1:実習編

自称と他称

敬語には、自称と他称があります。自称は自分自身や自分の所属、物事を指す呼び方で、他称は相手や第三者を指す呼び方です。看護実習などでは、患者さんや家族と呼ぶ場面もあるため、正しい言葉使いと自称・他称の使い分けを理解しておきましょう。

自称・他称それぞれの使い分けは以下のとおりです。

自称 他称
私共
友人
父・実父
母・実母
夫・主人
妻・家内
息子
御一同
ご友人
お父様
お母様
ご主人
奥様・奥方様
お子様・ご令息
お子様・お嬢様

確認や同意を求めるとき

「よろしかったでしょうか」は患者さんや指導者さんに確認・同意を求めるときに使いがちな言葉です。しかし「よろしかった」という表現が過去形で確認・同意する意味を持ってしまうため「よろしいでしょうか?」が適切な敬語になります。

了承したとき

「了解しました」は丁寧語で、目上の人に対しては失礼にあたります。「承知(しょうち)しました」や「かしこまりました」「承(うけたまわ)りました」を使うようにしましょう。それぞれの使い分けは、以下を参考にしてください。

承知しました 相手からの依頼を理解し受け入れたときに使います。
かしこまりました 承知しましたよりも丁寧な言葉です。
目上の人から何か依頼されたときに使います。
承りました 相手の意見を聞き、誰かに伝えるときに使います。

同意をしめす「相づち」

同意するときに使いがちな 「うん」「なるほど」という「相づち」は、いずれも敬語ではありません。
相手を肯定するときには「おっしゃる通りです」。相手を肯定し自分も共感するときには「私もそのように思います」を使うようにしましょう。

依頼に対応することが難しく断るとき

何かを依頼されて断るときに使いがちな「できません」は敬語ではありません。敬語で上手に断るときには「できかねます」「致しかねます」などと言い換えるようにしましょう。

また断りを入れる際には、相手の意思や意見を受け止める必要があります。「そのようにお考えなのですね」「そのように感じていたのですね」といった共感の言葉をつけ足し、「大変残念ですが」「せっかくのお申し出なのですが」などのクッション言葉と組み合わせると相手へ柔らかい印象を与えることができます。

謝罪するとき

謝罪するときに使いがちな「ごめんなさい」「すみません」は敬語ではありません。「ごめんなさい」はやや幼稚な印象を、「すみません」は口語表現でくだけた印象を与えてしまいます。

謝罪するときは、ミスやトラブルの程度に合わせた言葉遣いを選びましょう。。具体的には、以下のような使い分けがあります。

謝罪のレベル 使い分けのポイント
お詫びの気持ちを表現する 申し訳ありません
お許しください
失礼いたしました
反省しております
お詫び申し上げます
軽い謝罪では失礼な相手やトラブルのとき 大変失礼いたしました
ご迷惑をおかけいたしました
お詫びの言葉もございません
申し訳ございませんでした
自分に全ての非があり、相手には一切の責任がないとき 猛省しております
謹んでお詫び申し上げます
心より謝罪いたします
弁解のしようもございません

事例2:就職活動編

「拝見する」と「見る」

相手から受け取った書類などを確認する場合は「拝見します」という謙譲語を使いましょう。

「貴院」と「御院」

敬語では相手の病院や施設のことを「貴院(きいん)」「御院(おんいん)」とあらわします。状況に応じて、以下のように使い分けます。

「貴院」:資料や履歴書などに書くときに使う
「御院」:面接など直接話すときに使う

院長など目上の相手の敬称

「院長様」や「看護部長様」のように役職に「様」はつけません。会話の中では「○○院長」「○○看護部長」もしくは「院長の○○様」「看護部長の○○様」と呼ぶのが正しい言葉遣いです。役職のない相手は「○○さん」「○○様」と呼びましょう。

正しい敬語・言葉遣いで気を付けたいポイント

ここからは、敬語や言葉遣いで気をつけたい4つのポイントを紹介します。

二重敬語に注意

1つの言葉で敬語を重ねて使用してしまうことを二重敬語といいます。具体的には以下のような例があります。

誤「何時ごろお戻りになられますか?」
正「何時ごろお戻りになりますか?」「何時ごろ戻られますか?」

誤「おっしゃられる」
正「おっしゃる」「言われる」
誤「ご覧になられました」
正「ご覧になりました」

例のような「お○○なる」と「○○られる」はどちらも尊敬語にあたるため、二重敬語となり不適切な表現です。二重敬語は、丁寧に話そうとするあまり発生しやすいですが、かえって不自然で教養がない印象を与えるため注意しましょう。

ただし、「お召し上がりになる」「お伺いする」など、習慣として定着している二重敬語 もあります。

口癖が出ないように注意

緊張したり、焦ったりしたときに出てしまうのが「口癖」です。具体的には「えーっと」「うん」「やっぱ」「マジ」「超」などが挙げられます。口癖は無意識に出てしまうだけでなく、話が聞き取りにくくなり、稚拙な印象を与えます。

口癖は日常的に意識することで改善できます。身近な人に協力してもらい、自分の癖を客観視して改善しましょう。

クッション言葉を使う

クッション言葉は、表現を柔らかくするときにも活用できる言葉です。看護実習や就職試験で活用できるクッション言葉をシーン別にまとめたので、参考にしてください。

<依頼するとき>

  • 恐れ入りますが
  • お手数をおかけしますが
  • ご都合がよろしければ
  • お忙しいところ申し訳ありませんが
  • ご面倒でなければ

<断るとき>

  • せっかくですが
  • あいにくですが
  • 申し訳ありませんが
  • 心苦しいですが
  • ご意向に添えず
  • 恐縮ですが

<ものを尋ねるとき>

  • 失礼ですが
  • ご迷惑でなければ
  • 差し支えなければ
  • お伺いしたいことがあるのですが

<援助を申し出るとき>

  • もしよろしければ
  • 私にできることがあれば

相手に声をかけるときは名前を呼ぶ

日常生活で親しい人に声をかけるときに使う「 ねぇ」「あの…」などの言葉は、正しい言葉遣いではありません。

相手への尊敬やマナーという点から、相手に声をかけるときはTPOに応じ「○○さん」または、「様」と呼びましょう。実習中は、実習先のルールに従いTPOに応じた敬称を使い分けましょう。

看護学生が間違えやすい敬語・言葉遣いの一覧

ここからは、看護学生が看護実習や就職活動で間違えやすい敬語や言葉遣いをまとめました。

「大丈夫です」

「大丈夫です」は敬語と認識して使いがちな言葉です。しかし「大丈夫」は「問題ない」という肯定の意味で使用するだけでなく、「必要ない」という否定の意味や、「了承した」という意味で使う場合もあります。

肯定の意味で使う場合に正しい敬語で言い換えると「問題ございません」、否定の意味で使う場合は「必要ありません」「結構です」、了承したことを伝えたい場合は「承知しました」となりますので、注意しましょう。

「ご苦労様でした」と「お疲れ様です」

「ご苦労様でした」と「お疲れ様です」は、どちらもねぎらいの気持ちを表す言葉ですが、「ご苦労様」は相手が行った仕事に対して「とても大変なお仕事ですね」とねぎらう言葉です。それに対し、「お疲れ様」は相手の相手の心身の消耗に対し、ねぎらう言葉とされています。 ただし、ビジネスシーンにおいては、目上の人に対し「ご苦労様」を使うのはタブーとされています。

そのため、実習先の指導者さんや他スタッフの方には、「お疲れ様です」と挨拶するようにしましょう。

「大変参考になりました」

「参考」は自分の足しにするという意味があります。相手の知識や経験を自分のために利用するという意味にも捉えられかねません。「大変勉強になりました」が適切な敬語になります。

「自分」「僕」「俺」

敬語では自分に対する1人称は、性別を問わず「わたし」もしくは「わたくし」で統一します。就職活動などでは「わたくし」を用いる方が、より丁寧な印象を与えます。

もっと質問をしたいとき

「聞きたい」の敬語には「お聞きしたい」「伺いたい」「お尋ねしたい」などの言葉があります。それぞれ「聞く・伺う・尋ねる」の謙譲語ですが、使い分けに迷う場合は「もう少しお伺いしてもよろしいでしょうか?」 「質問してよろしいでしょうか?」などを使うと良いでしょう。

正しい言葉遣いと敬語で信頼関係を築こう

正しい言葉遣いは、相手への敬意を示し、信頼関係を築くための大切な手段です。実習や就職活動はもちろん、看護師として働き始めてからも、患者さんや同僚との良好な人間関係を維持するうえで欠かせません。敬語に慣れていなくても、日ごろから意識して使うことで少しずつ自然に身についていきます。今日から積極的に使ってみてください。

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執筆者情報

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小田 あかり

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大学看護学部卒業後、小児・内分泌・循環器科で勤務。看護師として働きながら、知識と経験を活かし、医療ライター・監修者として活動中。