看護師の初任給手取り額、ボーナスからお金の管理法まで紹介

看護師の初任給手取り額、ボーナスからお金の管理法まで紹介

最終更新日:2026/06/02

看護師になったらどのくらい給与がもらえるのか気になる人も多いでしょう。今回は、看護師の平均初任給や手取り額、ボーナスの平均額を日本看護協会や厚生労働省のデータをもとに紹介します。働く前に知っておきたいお金の管理法も紹介するので参考にしてください。

新卒看護師の初任給と手取り額

ここでは日本看護協会の病院看護実態調査報告書をもとに、新卒看護師の平均初任給と手取り額の内訳を解説します。

平均初任給は28〜29万円、平均手取り額は約23万

下記は2024年度の専門卒と大卒看護師の平均初任給と手取り額をまとめたものです。

新卒看護師の平均初任給

出典:2025年病院看護実態調査報告書

※平均税込給与総額は各種手当を含む(時間外手当は除く)
※夜勤手当は三交代で夜勤8回(二交代で夜勤4回)にて算出
※平均手取り額は給与総額の8割として算出

平均基本給 平均給与総額 平均手取り額
専門卒(3年課程) 216,416 円 285,078 円 約228,000円
大卒 221,883 円 292,527 円 約234,000円

2025年 病院看護実態調査 報告書によると、新卒看護師の初任給(平均税込給与総額)の平均額は28~29万円です。専門卒と大卒では基本給に約5,500円の差があり、それに伴って給与総額や手取り額にも違いが生じています。

ちなみに、厚生労働省が発表している賃金構造基本統計調査をもとに算出した医療・福祉産業で働く20歳~24歳の人の給料は約24万円です。新卒看護師の初任給(28~29万円)と比べると5万円前後の差があり、看護職は他職種と比較しても給与水準が高い傾向にある職種といえるでしょう。

ただし、実際に受け取る「手取り額」は給与総額の8割程度となるため、新卒看護師のスタート時の手取り額は22万~23万円程度が目安となります。

給与の内訳

給与の手取り額は、基本給以外に支給される通勤・住宅・夜勤などの各種手当の額と、社会保険料や税金が差し引かれた額で決まります。基本給は施設ごとに規定され、年齢や経験年数によって昇給するのが一般的です。

ここではどのようなものが加減されるのか、給与の内訳を解説します。差し引かれるものと支給される手当等を理解しておきましょう。

差し引かれるもの

給与総額から差し引かれるものには、以下のようなものがあります。

給与総額から差し引かれるもの
所得税 国が定める税率に従い給与所得に対してかかる税金
※給与所得とは給与から給与所得控除額を差し引いた金額であり、給与所得控除額は給与によって異なる
住民税 1月1日時点に住民票がある市町村(道府県)に納める地方税
※道府県民税と市町村民税があり一括で徴収されるが、税率は基準を踏まえて各自治体の実情に合わせて決められている
社会保険料 健康保険・介護保険・厚生年金保険・雇用保険・労災保険にかかる保険料
※医療保険制度や公的年金制度などの財源であり、納付することで自身も社会保障を受けられる

住民税は前年の1月1日〜12月31日の所得に対し課税されるため、入職後1年目は差し引かれません。ただし、入職後2年目からは住民税が引かれるため、2年目の手取り額が1年目より少なくなることもあります。一方、社会保険料は月の所得額に応じて毎月差し引かれるため(前月分を翌月に徴収)、初任給の翌月から差し引かれます。

支給される手当

基本給以外に支給される手当には、主に以下のようなものがあります。

基本給以外に支給される手当
資格手当 看護師資格に対する手当(病院によっては基本給に含まれている場合あり)
役職手当 管理職、役職者に支払われる手当
夜勤手当 1カ月あたりの夜勤勤務の回数に応じて加算される手当
交代勤務手当 交代勤務が必要な職に就く人に支給される手当
家族手当 扶養している家族や子どもがいる場合に支給される手当
通勤手当 通勤かかる交通費等を支給する手当
住宅手当 住宅費の負担軽減を目的とした手当

各種手当は病院が提供する福利厚生によって決まるため、受け取れる手当の種類や金額も就職先の病院で異なります。

また、新卒看護師の夜勤は夏から秋にかけて始まることが多く、夜勤手当がつかない4月の初任給は平均給与総額より低くなる傾向です。

近年の看護師初任給の変化

以下は、2025年から過去3年間の新卒看護師における初任給(平均税込給与総額)の推移をまとめたものです。

初任給(平均税込給与総額)の推移

出典:日本看護協会調査研究報告シリーズ

※平均税込給与総額は各種手当を含む(時間外手当は除く)
※夜勤手当は三交代で夜勤8回(二交代で夜勤4回)にて算出

専門卒(3年課程) 大卒
2025年 285,078 円 292,527 円
2024年 276,127 円 284,063 円
2023年 266,558 円 274,752 円

過去3年間の新卒看護師の初任給は、微増です。高齢化による看護・介護需要の拡大や、少子化による医療従事者不足により看護師の需要は今後も拡大が見込まれています。日本看護協会は社会情勢を踏まえて、看護職員の処遇改善に取り組んでいます。今後、看護師の初任給の水準アップに期待したいところです。

条件別にみた看護師の初任給

ここからは初任給の給与総額を地域、施設規模、設置主体別に解説します。

地域別

新卒看護師の初任給は地域差があります。

【都道府県別】新卒看護師の初任給(平均税込給与総額)ランキング

以下は、2025年度の最新調査に基づき、都道府県別の初任給(平均税込給与総額)を高額順にランキング形式でまとめたものです。

【都道府県別】新卒看護師の初任給(平均税込給与総額)ランキング

以下は、2025年度実績の最新データに基づき、専門卒と大卒の都道府県別初任給ランキングを横並びで比較したものです。

専門卒(高卒+3年課程)

順位 都道府県 平均税込給与総額
1位 東京都 314,402 円
2位 千葉県 306,360 円
3位 静岡県 305,917 円
4位 神奈川県 305,121 円
5位 愛知県 301,675 円
46位 高知県 260,644 円
47位 宮崎県 256,553 円
全国平均 285,078 円

大卒

順位 都道府県 平均税込給与総額
1位 東京都 322,134 円
2位 静岡県 314,426 円
3位 千葉県 313,536 円
4位 神奈川県 311,643 円
5位 愛知県 310,582 円
46位 宮崎県 265,625 円
47位 高知県 268,512 円
全国平均 292,527 円

出典:2025年病院看護実態調査報告書

地域別で初任給(平均税込給与総額)を比較すると、専門卒・大学卒どちらも最も高いのは東京都で、最も低いとの差は約6万円でした。都市部とその周辺は初任給が平均よりも高い傾向にあり、地方になるほど平均より低くなり地方より都市部のほうが給与水準が高いことがわかります。

また、各都道府県の専門卒と大卒の給与総額の差は6000〜1万円程度となっており、最終学歴による給料の差にも地域差があるようです。

施設規模別

新卒看護師の初任給(平均税込給与総額)は、施設の規模によっても差が生じます。2025年度実績における施設規模(病床数)別のデータは以下のとおりです。

施設規模別初任給の給与総額(平均税込給与総額)

出典:2025年病院看護実態調査報告書

※平均税込給与総額は各種手当を含む(時間外手当は除く)
※夜勤手当は三交代で夜勤8回(二交代で夜勤4回)にて算出

病床数 専門卒(3年課程) 大卒
全国平均 285,078 円 292,527 円
99床以下 276,872 円 284,759 円
100~199床 280,189 円 286,489 円
200~299床 283,154 円 290,145 円
300~399床 297,410 円 305,719 円
400~499床 298,472 円 306,462 円
500床以上 307,734 円 316,121 円

専門卒、大卒ともに500床以上の施設が最も高く、99床以下の施設が最も低い結果となっており、最大で3万円前後の差があります。施設規模別の初任給は、基本的には病院の規模が大きいほど高くなる傾向にあります。

病床数が多い大規模病院は、救急医療や高度急性期医療を担っていることが多いため、緊急度や重症度が高い患者さんも受け入れます。そのため、病院の収入源となる診療報酬が高く設定されやすく、結果として看護師の給与水準も高くなる傾向にあります。

ただし、急性期医療を提供する大規模病院では、入退院のサイクルが早く、高い専門スキルも求められるため、看護師個人の業務負担は大きくなる面もあります。

設置主体別

病院を設置した組織(設置主体)の違いによっても、初任給に差が生じるようです。主な設置主体別の初任給を比較し、以下の表にまとめました。

設置主体別初任給の給与総額(平均税込給与総額)

出典:2025年病院看護実態調査報告書

※平均税込給与総額は各種手当を含む(時間外手当は除く)
※夜勤手当は三交代で夜勤8回(二交代で夜勤4回)にて算出

設置主体 専門卒(3年課程) 大卒
全国平均 285,078 円 292,527 円
日本赤十字社 320,147 円 329,144 円
私立学校法人 305,393 円 312,765 円
公立 306,257 円 314,685 円
国立 298,682 円 308,099 円
医療法人 276,614 円 282,917 円

設置主体別で初任給を比較すると、専門卒、大卒ともに日本赤十字社の運営する病院が最も高く、全国平均より3万5,000円〜3万6,000円ほど高い結果となっています。

その他の設置主体をみると、専門卒、大卒ともに国立や公立の病院も全国平均を上回る水準です。ただし、実際の就職先を選ぶ際は、初任給の額面だけでなく、福利厚生の条件やその後の昇給率、退職金制度などの違いにも注目することが大切です。

新人看護師のボーナス事情

厚生労働省の令和7年賃金構造基本統計調査の最新データによると、看護師全体の年間ボーナス平均額は、約85万6,400円となっています。ボーナスの金額や査定方法は病院によって異なり、一般的には経験年数(勤続年数)が上がるほど高くなります。では、新卒看護師を含む若手看護師のボーナス事情はどうなのでしょうか。詳しくみてみましょう。

20代前半の平均ボーナス額は約52万9,000円

同調査の年齢別データによると、20〜24歳の看護師における年間ボーナス平均額は、約52万9,000円となっています。ボーナスからも所得税や社会保険料が差し引かれるため、実際の「手取り額」は42万円程度(支給額の約8割)が目安となります。

同年代(20代前半)の准看護師の平均ボーナス額(約41万3,500円)と比較しても、看護師のほうが高い水準にあることが分かります。ただし、入職後1年目はボーナスの査定期間の関係から、夏のボーナスが「支給なし」または「寸志(一律数万円など)」となる病院も少なくありません。

ボーナスについては「賞与」として、求人情報に前年の実績を掲載している病院もあります。「基本給をベースに〇カ月分」などと記載されていることが多いので、気になる病院の条件を今からしっかりチェックしておきましょう。

新人看護師の年収事情

厚生労働省のデータによると、看護師全体の平均年収は約525万円となっています。看護師1年目については平均年収がどの程度になるか、以下で詳しく解説します。

看護師1年目の平均年収はおよそ380万円

日本看護協会の「2025年病院看護実態調査報告書」のデータと、厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」の最新実績より算出した新卒看護師1年目の平均年収は、おおよそ380万円になります。

助産師・保健師との年収比較表

次に、看護師と同業他職種の年収を比較します。以下は、最新の統計データをもとに看護師、助産師、保健師の「全体の平均年収」と「20〜24歳の平均年収」を比較した表です。

看護師・助産師・保健師の平均年収比較

参考:厚生労働省令和7年賃金構造基本統計調査

※平均年収は「きまって支給する現金給与額×12カ月」+「年間賞与その他特別給与額」にて算出(千円単位を円換算し四捨五入)

職種 20〜24歳の平均年収 全体の平均年収
看護師 約4,400,000円 約5,250,000円
助産師 約4,380,000円 約5,670,000円
保健師 約4,050,000円 約5,510,000円

看護師の平均年収をみると、全体の平均年収では助産師や保健師のほうが高いものの、20代前半の若手層においては看護師が最も高い水準となっています。

助産師は、より限定された高度な専門性をもつ資格であるため、キャリアを重ねるほど全体の平均年収が高くなる傾向にあります。また、保健師も全体の平均年収は高めですが、20代前半の若手時期に限っては、夜勤手当などが手厚く支給される交代勤務の看護師のほうが、総収入が多くなりやすいと考えられます。

看護師になる前に知っておきたいお金の管理法

様々なデータからもわかるように、ほかの職種と比べ看護師の給料水準は比較的高いといえるでしょう。しかし、看護師のお金の使い方は二極化していて、貯蓄形成ができている人とお金の管理が苦手な人に分かれるようです。

そこで、ここでは看護師になる前に知っておきたいお金の管理法を紹介します。新卒のうちから将来に備えたマネープランを立てられるように、早い段階でお金の管理法を身につけておきましょう。

生活費用とは別で貯金口座を作る

計画的に貯金をするコツは、生活費と貯蓄口座を分けることです。口座を分けておけば、気づかないうちにやってしまいがちな使い過ぎを防げます。

確実な資産形成を目指す場合は、毎月の給料から一定額を貯蓄にまわす先取り貯金がおすすめです。銀行の自動積み立てや、職場の財形貯蓄制度などを活用してみましょう。

使ったお金は見える化して管理する

使い過ぎを防ぐコツは、お金を見える化して管理することです。家計簿などを使って毎月の収支を把握しておけば、無駄遣いや知らないうちに使い過ぎるのを防げます。

手帳タイプや家計簿アプリなど様々な家計簿ツールがあるので、自分が使いやすく継続できそうなものを選んでください。

iDeCoやNISAで運用する

よりお得に資産形成をしたい人には、iDeCoやNISAがおすすめです。

iDeCoとは、公的年金(国民年金・厚生年金)とは別に、自分のお金を自分で運用し節税しながら将来のために資産形成する私的年金制度です。また、NISAは、一定の範囲のなかで行った投資から得られた利益に対し税金がかからない少額投資非課税制度です。どちらも国の制度で、投資のなかでもハードルが低いため、投資が初めてという人はここからスタートするとよいでしょう。

もっと積極的に運用したい人は、iDeCoやNISA以外にも投資方法があるので調べてみましょう。

日本の税の仕組みを理解しておく

日本で働くからには、様々なルールに則って税金や保険料を納めなければなりません。お金の流れを理解して自分で管理するためには、日本の税金制度を理解しておくことも大切です。控除などの仕組みを知っておくことで節税することもできるため、今一度税金についての知識を深めておきましょう。

看護師の初任給について理解しておこう

新卒看護師の平均税込初任給は給与総額が27〜28万円、手取り額は22万円程度となっています。初任給は地域や病院規模、設置主体によっても差があるため、相場を知り、病院選びに役立ててください。また、看護師の初任給は他の職種に比べると高水準ですが、かえって使い過ぎてしまうこともあり得ます。若いうちにお金に関する知識を身につけ、上手にお金を管理して将来に備えましょう。

出典・参考

日本看護協会:2023年 病院看護・助産実態調査 報告書(2025年4月4日閲覧)
日本看護協会:2024年 病院看護・助産実態調査 報告書(2025年4月4日閲覧)
日本看護協会:2025年 病院看護・助産実態調査 報告書(2026年6月1日閲覧)
日本看護協会:労働に関すること,5分で分かる給与明細(2023年10月4日閲覧)
厚生労働省:令和7年賃金構造基本統計調査(2026年6月2日閲覧)

執筆者情報

プロフィール画像

柴田 実岐子

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福岡県生まれ。大学卒業後、一般企業に勤務し、社会人から看護師免許を取得。急性期外科などで経験を積んだのち、精神科、慢性期の一般病棟、健診センターなどさまざまな職場で勤務。さらに夜勤専従・派遣・応援ナースなど、多種多様な働き方を経験した。現在は離島移住をきっかけに、へき地医療に従事しながらライターとして活動中。