男性看護師のリアル|割合・年収や給料事情・キャリア・メリットを解説

男性看護師のリアル|割合・年収や給料事情・キャリア・メリットを解説

最終更新日:2026/05/26

近年男性看護師は増加傾向ですが、まだまだ多いとはいえません。今回は、男性看護師の現在の就業状況や年収・給料事情からメリットまでを解説します。将来性やキャリアプランも紹介するので、現役の男性看護師やこれから看護師を目指す人はぜひ参考にしてください。

男性看護師の現状

ここでは最新データで見る男性看護師の数や割合、就業の状況を解説します。

最新の男性看護師の割合

以下の表は厚生労働省によるデータをもとに、男性および女性の看護師の就業者数と比率、比較データとして一般企業の男女比率をまとめたものです。一般企業のデータは、厚生労働省が全国の企業を対象に、業種を問わず正社員として働いている人の男女比となっています。

看護師および一般企業就業者の男女比率

 

看護師の就業人数 看護師の男女比 一般企業の男女比
男性 118,068人 8.7% 72.4%
女性 1,245,074人 91.3% 27.6%

出典:厚生労働省令和6年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況

出典:厚生労働省令和6年度雇用均等基本調査(企業調査結果概要)

看護師の男女比をみると、男性が8.7%に対して女性が91.3%と、男性看護師の割合は少なく、圧倒的に女性が多い職業といえます。一方、一般企業における男女比を見ると、業種によってばらつきはありますが、全体としては男性の割合が高い傾向にあります。この比較からも、看護業界では男性の割合が極端に少なくなっていることがわかります。

男性看護師の数は増加傾向?

少数派とはいえ、男性看護師の数は年々増加傾向にあります。下のグラフはここ10年間の男性および女性の看護師数と、看護師全体に対する男性看護師の割合を示したものです。
就業看護師の推移

参考:令和6年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況

 
男性看護師の人数は10年間で約1.8倍に増加しており、データからも男性看護師は増加傾向であることがわかります。

ナース専科が行ったアンケートでは、約6割の看護師が「職場に男性看護師が在籍している」と回答していることから、2024年時点での就業看護師全体に占める男性看護師の割合は10%未満にとどまっているものの、男性看護師が所属している職場は珍しくないようです。

男性看護師が多い職場

こちらは男性看護師が多いといわれている職場の例です。

  • 精神科
  • 手術室
  • 救急外来・救命救急センター
  • 整形外科
  • 男性専門外来
  • 大規模な病院

上記に挙げた診療科は、仕事内容から体力や腕力が求められることが多く男性が活躍しやすいこと、男性の患者さんが対象になることを理由に、男性看護師が多い傾向にあるといわれています。

例えば、精神科の不穏患者さんへの対応や、体位変換や移乗の機会が頻回な手術室や救急、整形外科などでは体力を活かして活躍している男性看護師も多くいます。また、男性専門の泌尿器科や薄毛治療外来などは、男性特有のセンシティブな悩みを治療する診療科であるため、同性である男性看護師が求められやすくなっています。

病院規模でみると、大学病院のように看護師全体の人数が多い病院は、必然的に男性看護師が多くなる傾向にあります。しかし近年では病院規模にかかわらず男性看護師を積極的に採用しているところもあり、上記に該当しない職場であっても男性看護師が幅広く活躍しています。ただし、産婦人科については、女性患者さんへの配慮が必要であるため男性看護師は少ないようです。

男性看護師の給料・年収事情

ここでは男性看護師の給料事情として、女性看護師や他コメディカルと比較しながら解説します。

年齢・男女別の看護師の給料・平均年収

厚生労働省が発表している賃金構造基本統計調査による平均給料と、それをもとに算出した平均年収を、年齢・男女別の看護師の給料事情として下表にまとめました。

看護師の平均給料・年収の比較表(年齢・男女別)

男性看護師 女性看護師
年齢 平均給料 平均年収 平均給料 平均年収
20~24歳 31万6,900円 約428万円 32万3,500円 約441万円
25~29歳 35万2,100円 約501万円 35万1,900円 約501万円
30~34歳 36万1,400円 約512万円 34万4,600円 約485万円
35~39歳 40万0,400円 約583万円 34万9,400円 約503万円
40~44歳 41万2,700円 約601万円 36万9,800円 約541万円
45~49歳 42万6,200円 約617万円 38万1,600円 約553万円
50~54歳 42万0,200円 約604万円 39万2,600円 約575万円
55~59歳 40万9,000円 約590万円 39万2,000円 約572万円
60~64歳 40万5,400円 約562万円 35万7,500円 約499万円
65~69歳 29万5,400円 約395万円 30万9,000円 約425万円
70歳~ 28万8,400円 約441万円 29万3,400円 約385万円
全体平均 38万5,600円 約552万円 36万3,300円 約521万円

参考:令和7年賃金構造統計基本統計調査

※給料=きまって支給する現金給与額(基本給、各種手当、超過労働給与額を含む)
 平均年収=きまって支給する現金給与額×12+年間賞与その他特別給与額にて算出

平均給料・平均年収を年齢別に比較すると、男性看護師のほうが多くの年代でやや高い水準となっています。全体の平均年収でみても、女性看護師より約30万円高い数字です。

男性看護師と他コメディカルとの年収比較

医療現場では看護師以外にも理学療法士や放射線技師など、さまざまなコメディカルが働いています。賃金構造基本統計調査をもとに、ほかの男性コメディカルと男性看護師の年収を比較してみましょう。

男性コメディカルの平均給料と平均年収

職種 平均給料 平均年収
看護師 38万5,600円 約552万円
准看護師 32万6,700円 約466万円
診療放射線技師 40万4,700円 約601万円
臨床検査技師 36万8,500円 約541万円
理学療法士・作業療法士
言語聴覚士・視能訓練士
32万5,100円 約466万円
介護支援専門員
(ケアマネージャー)
33万6,700円 約488万円

参考:令和7年賃金構造統計基本統計調査

※給料=きまって支給する現金給与額(基本給、各種手当、超過労働給与額を含む)
 平均年収=きまって支給する現金給与額×12+年間賞与その他特別給与額にて算出

 

男性看護師の平均給料は、診療放射線技師に次いで高い水準となっています。なお、国税庁による令和6年民間給与実態統計調査結果では、男性の1年間の平均年収は587万円となっています。

しかし、看護師の年収は勤務地や病院規模、役職などによって大きく異なります。病棟や外来、訪問看護など勤務形態によっても異なるため、高収入を目指したい人は求人内容を比較・検討してみてください。

男性看護師として働くメリットとデメリット

男性看護師は少しずつ増えているものの、現在も看護業界では少数派です。そのため、働くうえで悩みを感じる場面がある一方で、男性看護師ならではの強みを活かして活躍している人もいます。ここでは、男性看護師として働くメリットとデメリットを紹介します。

メリット

  • 男性ならではの特徴が活かせる
  • さまざまなキャリア選択が可能
  • 雇用が安定しており一定水準の収入が得られる

男性看護師として働くメリットは、男性ならではの特徴が活かせることです。医療現場では、患者さんの移乗など力仕事が多く、体力を必要とする場面では男性看護師が活躍している職場も多くあります。また、同性の患者さんから信頼を得やすい、異性が多い職場だからこそコミュニケーションがとりやすいなどというメリットもあります。

男性専門外来なども増えてきているため、比較的キャリア選択の幅は広いといえるでしょう。

看護師は人手不足で需要が高く、景気に左右されにくい職業のひとつです。看護師資格をもっていれば全国どこでも働くことができ、転職がしやすいというのも大きなメリットです。収入面の安定を求める人にとっては魅力的な職業といえます。

デメリット

  • 人間関係に悩むことがある
  • 性別を理由に看護ケアや配属が制限される場合がある
  • キャリアップや年収アップが難しい場合がある

男性看護師として働くデメリットは、女性が多い職場のなかでの人間関係に悩むことが少なくないことです。異性だからこそコミュニケーションがとりやすいという面がある一方で、逆に難しいと感じる場面があったり、同性の同僚がいないことで孤独を感じたりすることがあるかもしれません。

また、看護師は女性の仕事という固定観念や羞恥心から、男性看護師のケアを拒否する患者さんもいます。産婦人科や女性専用病棟などには配属されにくいなど、性別を理由に仕事が制限される可能性があるということもデメリットです。

さらに、男性看護師が増えているとはいえ管理職の大半は女性です。職場によっては男性看護師のロールモデルが少なく、キャリアのイメージを描きにくいと感じる場合もあるかもしれません。

男性看護師の将来性・おすすめキャリアプラン

現在は全体の10%に満たない男性看護師ですが、今後の将来性とおすすめのキャリアプランについてどのようなものがあるか解説します。

男性看護師の将来性は?

男性看護師の将来性は今後広がると考えられます。その背景には、慢性的な人手不足から看護師全体の需要が高まること、そして医療現場では男性ならではの強みを発揮できる場面も多いことが挙げられます。

現に男性看護師を積極的に採用している病院や、あらゆる診療科にまんべんなく配置している病院もあるようです。

また、全国男性看護師会などの団体が、男性看護師の交流会やセミナー、男子看護学生支援などを行い、男性看護師が働きやすい環境づくりに向けた活動を続けています。こうした取り組みが進み働きやすさが向上すれば、男性看護師の数もさらに増え、さまざまな分野での活躍が一層広がっていくでしょう。

男性看護師必見!おすすめキャリアプラン

男性看護師におすすめのキャリアプランは、救急やICU、精神科などで専門性を磨くことです。もともと男性看護師の需要が高いとされるこれらの分野でその専門性を磨くことにより、キャリアアップを目指すことができ、転職にも強くなるでしょう。

そのほか、今後特に需要が高まると予想されている訪問看護や在宅分野に進み、専門性を磨くのもおすすめです。

また、管理者や教育者を目指すというキャリアプランもあります。男性の管理者や教育者はまだまだ多いとはいえません。しかし、継続して臨床経験を積みやすい働き方を選ぶことで、管理職や教育者を目指す道にもつながります。

以下は、キャリアプランに活かせるおすすめの資格をまとめたものです。キャリアプランを考えるときの参考にしてみてください。

キャリアプラン おすすめの資格
専門性を磨く 救急看護認定看護師
クリティカルケア認定看護師
精神科認定看護師
ACLS(二次救命処置)やICLS(救急蘇生)などの資格
特定行為研修
訪問看護
在宅医療に進む
訪問看護認定看護師
特定行為研修
管理者・教育者を目指す 看護管理者研修
認定看護管理者

男性看護師が職場を選ぶときのポイント

ここでは、男性看護師の職場選びのポイントを紹介します。女性が多い環境下でも働きやすい職場に就職するためには、情報収集がカギとなります。男性看護師ならではのチェックポイントを知り、職場選びの参考にしてください。

男性看護師の在籍状況を確認する

職場に在籍する男性看護師の数は働きやすさを判断する重要なポイントです。男性看護師が多い職場であれば、相談できる相手は増え、力仕事が偏りにくくなります。男性看護師の人数や配属先、交流の有無を確認しましょう。

また、男性看護師の管理職の有無もチェックポイントのひとつです。管理職に就いている男性看護師の先輩は、ロールモデルとして自分のキャリアを考えるベースにしやすいでしょう。

男性看護師の受け入れ体制を確認する

男性看護師は増加傾向にありますが、看護業界は長年女性が多いのが現状です。職場によっては男性更衣室やトイレまでの距離が遠いなど、設備が整っていない場合もあります。

男性用の更衣室、トイレ、休憩室などが確保されているか、施設内の受け入れ体制もチェックしましょう。

病院説明会や就業体験会に参加する

男性看護師の配属状況や受け入れ体制は、求人票だけではわからないことが多いでしょう。病院説明会や就業体験に参加し、実際に現場を見学したり質問したりすることが大切です。実際に働く男性看護師を目にすることで、自分が働く姿もイメージしやすくなります。

病院説明会や就業体験を実施している病院は以下から検索できます。ぜひ活用してみてください。


参考:ナース専科 就職

看護師は男性・女性問わず活躍できる

男性看護師は、看護師全体の約1割程度とまだまだ少数派ですが、年々増加しています。女性が多い職場であることや看護という仕事の特性上、男性看護師として働くのは大変な一面はあるかもしれません。しかし、男性看護師ならではのやりがいもあります。看護師という職業に興味がある方は、男性看護師のメリット・デメリットを理解し、大変さを踏まえたうえで、自分の将来の選択肢として検討してみてください。

引用・参考

厚生労働省:令和6年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況(2026年5月25日閲覧)

厚生労働省:令和6年度雇用均等基本調査(企業調査結果概要)(2026年5月25日閲覧)

厚生労働省:令和7年賃金構造基本統計調査(2026年5月25日閲覧)

全国男性看護師会:全国男性看護師会とは(2026年5月25日閲覧)

執筆者情報

プロフィール画像

柴田 実岐子

shibata-mikiko

福岡県生まれ。大学卒業後、一般企業に勤務し、社会人から看護師免許を取得。急性期外科などで経験を積んだのち、精神科、慢性期の一般病棟、健診センターなどさまざまな職場で勤務。さらに夜勤専従・派遣・応援ナースなど、多種多様な働き方を経験した。現在は離島移住をきっかけに、へき地医療に従事しながらライターとして活動中。