東京都立府中療育センター

私の配属された病棟は、きめ細かいケアを必要とされる重症心身障害児者が入所されており、生活の援助を基本として、点滴や人工呼吸器管理等の医療的ケアまで幅広い看護を提供しています。利用者さんの個別性がとても高く、一人ひとりに応じた看護が求められます。先輩方の「毎日学びがある、今でも分からない事が多い」との言葉が印象的です。

生活支援を基本として、一人ひとりとじっくり関われる看護がしたいと思ったからです。当院は一般病院と違い、入所期間が10年以上の方が多く、医療の提供だけでなく利用者さんの生活の場ともなっています。そのため、治療を目的とした看護だけでなく生活を支える看護ができると思ったからです。

最初は重症心身障害児者についての知識がなく、比較的教材も少ないので不安でいっぱいでした。しかし、研修が多くあり、今でも先輩方は優しく声を掛けてくれ手厚くサポートして下さいます。

利用者さんは、自身で体調の管理をすることが難しい方が多く、私たちの行う看護が利用者さんの体調に大きく影響します。職員の声掛けやケアの最中に、僅かですが様々な表情の変化を見せてくれることがあります。嬉しそうな表情を見るととてもやりがいを感じます。当院の特徴として保育士と協働して行うバスハイクや季節に合わせたお楽しみ会などの活動があり、日々の生活が楽しく変化のあるものになるよう関わっています。

重症心身障害児者の方と関わる機会が少なく、想像することも難しい方も多いかと思います。少しでも興味を持って下さると嬉しいです。勉強や実習、就活など大変なことも多く不安でいっぱいだと思います。お互い頑張りましょう。また、今の学生の時にしかできないことを思いっきり楽しんでください。