ICU看護師の役割とは?向いている人、やりがいなど解説【体験談あり】
最終更新日:2024/09/02
集中治療が必要な重症患者さんに医療を提供し、幅広い急性期看護が学べるICU(集中治療室)。今回はICU看護師の働き方について詳しく解説します。さらに、勤務経験者の話をもとに、やりがいを感じたことからつらかったことまで、ICUならではの特徴も紹介しますのでぜひ参考にしてください。
目次
ICUとは
ICUとは、Intensive Care Unitの略で「集中治療室」を意味します。医師や看護師が重症患者さんに対して、24時間体制で高度かつ先進の医療技術や診療機器を駆使して治療や看護を行う部署です。
ICUの特徴
ICUは、重篤な患者さんが入院するため、より集中的な治療や処置、モニタリングを求められる点が大きな特徴です。以下では、ICUの対象患者さんや配置基準など、特徴を詳しく解説します。
対象となる患者さん
ICUでは、事故後や術後などにより容態観察が必要な患者さんや、呼吸器や循環器など重篤な疾患により機能不全に陥った患者さんなど、集中治療・管理が必要な人が対象です。
具体的には以下のような疾患や症状のうち、特に重篤な場合にICUで受け入れます。
- 敗血症
- 意識障害
- 脳出血
- 呼吸不全
- 急性心筋梗塞
- 弁疾患
- 冠動脈疾患
- 大動脈疾患
- 腎不全
- 悪性腫瘍
- 重症熱傷
内科・外科などの診療科を問わず、重篤な状態にある患者さんを幅広く受け入れるため、様々な疾患・症状の治療が行われます。
ICUの配置基準
ICUでは、患者さん2人に対して看護師1人以上を常時配置することが決められています。また、日本集中治療学会が発表している「集中治療室設置のための指針 2022年度改訂版」では、患者さんのケアレベルに合わせて、推奨される配置基準を示しています。
以下は、上記指針に基づいて患者さんの状態ごとに求められる看護師の配置基準をまとめたものです。
患者さんの状態別のICU看護師の配置基準
患者さんの状態 | 配置基準 |
---|---|
新興感染症や多臓器障害に対する臓器サポート時 | 患者さん:看護師=1:1以上 |
小児患者さん、人工呼吸器装着患者さん、重要臓器不全患者さんなどで単一臓器サポートが必要な場合 | 患者さん:看護師=1~1.5:1 |
臓器不全からの回復期や術後など、臓器サポートが必要でなくても臓器不全のリスクがある場合 | 患者さん:看護師=2:1以上 |
表をみると、新興感染症に罹患した患者さんや、突然の事故の外傷や重度の熱傷による多臓器障害を有する患者さんには、治療体制を強化する必要があるとされています。この場合には、患者さん1人に1〜2人の看護師の配置が推奨され、より慎重な看護ケアが実施されます。
なお、日勤帯および夜勤帯において、リーダーを務める看護師は人員配置に含まれません。
各集中治療室との違い
ICUのほかにも様々な集中治療室があります。略称は似ていますが、それぞれ対象となる患者さんや看護配置が異なります。各集中治療室の違いを以下のとおり表にまとめました。
各集中治療室の比較表
種類 | 日本語表記 | 対象患者さん | 看護配置 |
---|---|---|---|
ICU | 集中治療室 | 重症患者さん、手術後の監視・救命処置が必要な患者さん | 2:1 |
EICU | 救急集中治療室 | 救急搬送された集中治療が必要な患者さん | 2:1 |
SICU | 外科系集中治療室 | 全身麻酔による侵襲の高い手術直後の患者さん | 2:1 |
CCU | 冠動脈疾患集中治療室 | 冠疾患を急性発症し集中治療が必要な患者さん、心臓手術後の患者さん | 2:1 |
SCU | 脳卒中集中治療室 | 脳卒中を急性発症し集中治療が必要な患者さん、脳外科術後の患者さん | 3:1 |
MFICU | 母体胎児集中治療室 | 周産期においてハイリスクを抱える妊婦さんと胎児 | 3:1 |
NICU | 新生児集中治療室 | 低出生体重児や何らかの疾患がある新生児 | 3:1 |
PICU | 小児集中治療室 | 重症の小児患者さん、手術後の監視・救命処置が必要な小児患者さん | 2:1 (1.5:1が望ましい) |
ICUでは、重症もしくは術後で集中治療・管理が必要であれば、幅広い疾患の患者さんを受け入れます。しかし、ICU以外の集中治療室は、特定の疾患や患者さんの年齢、状態など、細かく条件が設けられており、対象範囲はICUよりも狭いことがわかります。
さらに、PICUがない病院の場合患児はICUで受け入れることになるため、ICUは疾患だけでなく対象年齢も幅広い部署だといえるでしょう。
また、表の看護配置をみると3:1となっている部署もあることから、ICUは集中治療室のなかでも体制がより強化されている部署のひとつであることが読み取れます。
ICU看護師の役割と仕事内容
ICU看護師には、高度な医療スキルや緊急時の適切な対応が求められます。ここからは、ICU看護師の具体的な役割や仕事内容、1日のスケジュール例を紹介します。
ICU看護師の役割
ICU看護師の役割は、手術直後、もしくは重篤な状態にある患者さんの全身状態の観察と管理です。
バイタルサインや心電図モニター、IN/OUTの計測などによって、患者さんの状態を常に観察します。また、医師の指示に基づき薬剤投与量の調整、人工呼吸器をはじめとした医療機器の設定・操作、周辺ケアなどを行い、患者さんの全身状態を管理します。
問題が生じた場合は、医師やリーダー看護師へ報告・相談し、迅速に治療をサポートします。
また、ICUの患者さんは緊急度の高い状況にあるため、本人や家族への説明や精神的なフォローも看護師の役割のひとつです。
ICU看護師の主な仕事内容
以下はICU看護師が行う仕事内容の詳細をまとめたものです。
ICUにおける看護師の業務一覧 | |
---|---|
全身状態の観察・管理 | ・2時間おきのバイタルサイン測定や体位変換 ・心電図モニターによるモニタリング ・輸液量や尿量、ドレーンの観察・管理 ・創傷処置、投薬、吸引など |
高度な医療機器の管理・操作 | ・シリンジポンプ、輸液ポンプ、人工呼吸器、心電図モニターなどの管理 |
清潔ケア | ・清拭、陰部洗浄、口腔ケア、爪切り |
緊急入院の準備・対応 | ・救急搬送患者さんの受け入れ準備 ・家族への入院オリエンテーション |
検査移送 | ・レントゲンや内視鏡検査などの指示がある患者さんのベッド移送 |
家族の精神フォロー | ・重篤な患者さんを目の前にする家族の不安や心理面に対するケア、状況の説明 |
一般病棟への転科対応 | ・状態が安定した患者さんが転科する際の準備と申し送り |
一般病棟と比較すると、ICUはより重篤な患者さんの治療にあたる部署です。一人ひとりのわずかな兆候も見逃さないよう、細心の注意を払って全身状態の観察や管理を行います。
また、ICUは一般病棟のように個々に仕切られる環境にないため、患者さんは夜間の騒音や明るさによって睡眠と覚醒のリズムを乱しやすいという特徴があります。そのため、日中はカーテンを開けて清潔ケアや処置を行いながらコミュニケーションを図り、夜間は照明を落とすなどの対策をして、せん妄や夜間不穏を予防します。
そのほか、ICUの患者さんは状態が変化しやすく、何かあったらその都度医師への報告が必要になります。さらに、患者さんの状態が安定したら、一般病棟への転科対応も行います。ICU看護師には、他部署に適切に情報を伝えるためのより正確な記録が求められます。
1日の勤務スケジュール
ICU看護師の勤務形態は、ほかの病棟と同様に日勤と夜勤に分けられます。日勤は基本8時から17時、夜勤は二交代制、三交代制など病院によって異なります。なかには、長日勤や早番・遅番といった変則交代制勤務や、夜勤専従を採用する病院もあります。
ここからは、ICU看護師の1日のスケジュールを日勤と夜勤に分けて紹介します。
日勤帯のスケジュール例
あくまで一例ですが、以下ではICU看護師の一般的な1日のスケジュールを紹介します。なおICUの日勤帯の受け持ち数は1〜2人程度です。
ICUでは2時間に1回の頻度でラウンドを行います。重症患者さんへのケアとなるため、その際は業務一つひとつに時間を要します。さらに、急変事態にも備える必要があるため、ICU看護師は余裕をもったスケジュールを意識することが大切です。
夜勤帯のスケジュール例
以下は二交代制のICUの夜勤スケジュール例です。ICUでは24時間体制で治療・看護が必要な重症患者さんを受け持つため、夜勤帯の受け持ち数は2人、多くても3人となる傾向にあります。
日勤帯と同様に消灯後も2時間おきにラウンドし、バイタルサインのチェックや状況に応じたケアを行います。
また、常に急変リスクがあるICUでは迅速で的確な対応が必要になるため、夜勤帯も医師が常駐しています。患者さんのわずかな変化にも気を配り、少しの違和感でも医師への報告や相談が必要です。
ICU看護師に向いている人の特徴
ICUでは患者さんの状態が急変することも多く、迅速かつ正確な対応が求められます。ここでは、参考までにICUに勤務する看護師として向いている人の特徴を紹介します。
非常事態にも冷静に対応できる人
厳しい状況で冷静さを保ち感情をコントロールできる人は、ICUでもその能力を活かせるでしょう。
ICUでの治療やケアは患者さんの命に関わることが多く、予測不能な状況が続くことも日常茶飯事です。そのなかでも、看護師は常に迅速で冷静に対応することが求められるため、感情に流されず冷静に判断できる人が向いているといえます。
迅速なアセスメントができる人
迅速にアセスメントできる力はICUでも役立つスキルです。ICUは患者さんの状態が急変する可能性が高いため、その状況に合わせて問題を発見し、的確に医師へ報告することが重要です。
異常が発生してからではなく、事前に予防策や治療プランを立案するためのアセスメントができるとICUでも強みとなるでしょう。
救急や高度医療の専門知識を学び続けられる人
ICU看護師には、救急や高度医療の専門知識を学び続けられる人が向いています。救急医療や高度な治療法は常に進化しており、最先端の医療を提供するためには新たな知識やスキルを取り入れる意欲が必要だからです。
また、疾患の理解や医療技術を習得することで、医師やほかの看護師との連携やコミュニケーションもスムーズになります。チーム一丸となって患者さんに適切な医療を提供するために、看護師も向上心を持ち続けることが大切でしょう。
勤務経験者が語る~ICUのやりがいやつらいこと~
ここからは、実際にICUで働いた経験のある看護師が、ICUを志望した理由や働いて感じたICUならではのやりがいやつらさについて、体験談を交えて紹介します。
看護師プロフィール
北海道文教大学の看護学科を卒業後、東海大学医学部附属病院の救命救急センターに新卒で配属。ここでICU看護師を3年間経験する。その後転職し、湘南藤沢徳洲会病院の整形・脊椎外科病棟で4年ほど従事する。現在は京都府内の泌尿器科クリニックに勤務。
ICU看護師を志望した理由は?
ICUを志望した理由は病院見学を通して、救急医療の魅力を肌で感じたからです。病院見学では、実習では見られなかったERやEICUの施設を見学し、最先端の医療や救急看護を間近で体感することができました。そのときの記憶が強く残っており、自分も救命救急を担うメンバーの一員になりたいと思い、ICU看護師を目指しました。
配属後の研修内容や勉強時間は?
新人の研修内容は以下のとおりです。
- 人工呼吸器の管理・トラブル対応
- 心電図の読み方
- 褥瘡の予防法と発生時の管理
- ドレーンの取り扱いと感染予防
入職後すぐの研修では、人工呼吸器や心電図の使い方について学びました。また、ICUにおいて必要となることが多いケアの学習も研修に組み込まれていました。
配属当初は、残業が多いうえに先輩の指導についていくことで精いっぱいだったこともあり、退勤後に勉強の時間をつくる余裕がありませんでした。そのため、患者さんにケアしていくなかで、わからないことはその都度参考書を開くなどして学びを深めるようにしていました。
ICUで培えるスキルは?
ICUでは、循環器や呼吸器など生命維持のために重要な領域から外科領域まで、幅広い疾患の知識やケアスキルを養うことができます。また、日常的に急変時の対応を行うため、心肺蘇生をはじめとした緊急時に必要なスキルも得られます。
さらにICUでは、通常業務として人工呼吸器、中心静脈カテーテル、尿管カテーテル、ドレーンなどの管理を行うため、高度で幅広い医療機器の扱い方も身に付けられるでしょう。
ICU看護師のやりがいやメリットは?
ICUで行われる治療では、短期間で患者さんの状態が目に見えてよくなることがあります。そのため、自分やチームのケアによって、容体が改善し命を守ることができたときの達成感は、大きなやりがいとなっていました。
また、幅広い領域の疾患や治療の知識が身に付けられるため、その後どの部署に配属になってもICUでの経験が活かせる点はメリットだといえます。
ICU看護師として働くなかで大変だったこと、つらかったことは?
ICUでは患者さんの状態が急変することが頻繁にあります。突然の心停止や呼吸不全に対処しなければならないときなどには迅速で正確な判断が求められ、プレッシャーが大きく大変だと感じました。
また、高度な専門知識とスキルが必要となり、疾患の理解や医療機器の管理、治療法の更新に追いつくための学習が絶えず求められます。しかし、1年目は新しい環境に慣れることや日々の業務を覚えることで精一杯だったため、つらいと感じたこともありました。
しかし、精神的につらいことも多いからこそ、患者さんの状態が安定して一般病棟に送り出せたときには、大きな喜びにつながりました。
ICU看護師の給与・年収事情
ICUで働く看護師の給与も、一般病棟の給与に準じます。ただし、同じ病院内であっても、経験年数、役職・資格などによって金額が異なります。
以下の表は、新卒と勤続10年の病棟看護師の平均基本給与額をまとめたものです。
病棟で働く看護師の平均基本給
分類 | 金額 |
---|---|
新卒(高卒+3年課程専門卒) | 203,276円 |
新卒(大卒) | 209,616円 |
勤続10年(31~32歳、非管理職) | 246,770円 |
経験年数が多いほど、リーダー業務や教育などの責任も増えます。それに伴い、基本給も増額する傾向にあります。
また、ICUのような特殊部署では、夜勤手当や役職手当などのほかに、特殊勤務手当(特殊業務手当)がつくこともあります。病院によって手当の有無や金額は異なるため、求人をチェックしてみましょう。
その後のキャリアプランとおすすめの資格
ICU看護師の経験者は、どのような場での活躍が期待できるのでしょうか。その後のキャリアプラン例やおすすめの資格をご紹介します。
ICU経験者のキャリアプラン例
ICUでは、高度で緊急度の高い医療を提供します。特に呼吸や循環の管理が欠かせないことが多いため、以下のような病棟・部署ではICUで培ったスキルや経験を発揮しやすいでしょう。
- 救急外来
- 呼吸器内科
- 循環器内科
- 心臓外科
- その他外科系病棟
救急部門や呼吸器・循環器系の疾患を扱う病棟であれば、心電図モニターや人工呼吸器の操作・管理、トラブル対応の経験を生かせるため、即戦力として迎え入れられる可能性が高まります。
また、外科系の病棟であれば手術前後の患者さんの看護が行われるため、術直後のモニタリングやドレーン管理などのスキルが役立つでしょう。ICUではみることが難しい退院支援にも関われるため、患者さんの社会復帰を間近で見られることに新たなやりがいを感じられるかもしれません。
おすすめの資格
ICU看護師におすすめの資格は、「診療看護師」「クリティカルケア認定看護師」「急性・重症患者看護専門看護師」が挙げられます。
診療看護師
診療看護師とは、自身で一定の診療を行える看護師のことで、日本NP教育大学院協議会と日本看護系大学協議会が設置したNP協議会による民間資格です。5年以上の看護師経験を有したうえで大学院の診療看護師養成課程(修士)を修了し、認定試験に合格する必要があります。
診療看護師は診療の補助的な立場ではなく、医師と協働しながら問診や診察、検査等をマネジメントできる立場とされています。また、初期研修医や看護師、その他コメディカルへの研修や指導を担うこともあるため、マネジメントや指導に興味がある人に適しているでしょう。
クリティカルケア認定看護師
クリティカルケア認定看護師とは、集中的な治療を必要とする重症患者さんに対して、熟練した看護技術と知識を有すると認められた看護師のこと。日本看護協会の認定資格です。通算5年以上の実務経験に加え、指定の教育機関でカリキュラムを修了し、審査に合格することで資格を取得できます。「クリティカルケア」は、2026年度で教育が終了となる現行の認定看護分野の「救急看護」「集中ケア」が統合した分野になります。
危機的な状況にある患者さんの病態の変化を予測し、より高い水準の看護を提供することと、看護師やそのほかの医療スタッフと協働するだけでなく指導を行うことも大きな役割です。
ICUの厳しい環境で培った観察力や判断力は、病態の変化を敏感に捉えるのに役立ちます。重症患者さんの命を救う看護師としてより深い専門性を目指すなら、クリティカルケア認定看護師はおすすめの資格です。
急性・重症患者看護専門看護師
専門看護師とは、特定の専門看護分野において卓越した看護実践や、研究活動を行うなどの役割を果たす看護師のことです。ICUでの経験は「急性・重症患者看護」の分野に該当します。
通算5年以上の実務研修(うち3年以上の専門看護分野の実務研修)に加え、看護系大学院修士課程修了者で、専門看護師教育課程基準の所定の単位を取得していることが条件です。これを満たすと審査が受けられます。この資格を持つ人には、ICUや救急外来のみならず、看護部管理室へ配属になり、院内で組織横断的に幅広い対応を行う役割を担うこともあるでしょう。
急性・重症患者看護専門看護師は、専門性を極めるとともに、組織的視野を広げたいというICU看護師におすすめの資格といえます。
新卒からICUは優秀でないとなれない?
ICUは迅速かつ正確な対応が求められるため、優秀でないと新卒から配属されるのは難しいと考える人もいるかもしれません。しかし看護師資格を有していれば、ICU配属を目指すことは可能です。
看護スキルや知識は、働いていくなかで身につくものです。看護学生は、現在持ち合わせている能力よりも、まずは自分の思いを志望先に伝えることが大切だということを覚えておきましょう。そのうえで、ここからは新卒でICU看護師になるためにできることを解説します。
ICU看護師になるためにやっておきたいこと
ICUで働くため事前に勉強しておくべきこと、病院選びや面接に向けて今から準備しておくとよいことなどを紹介します。ICUに興味がある人はぜひ参考にしてください。
ポイントをおさえて病院を選ぶ
ICUへの配属を希望するなら、部門の種類や病床数などの観点からも病院をみて選びましょう。
救急指定病院は救命救急センターや手術室を備えていることが多く、これらの部門の病床数が多いほどICUの病床数も多い可能性があります。
また施設全体に病床数が多い大規模病院の場合、一般のICUだけでなくEICU(救急ICU)やCCU(心疾患ICU)など、集中治療室が対象患者さん別に存在することがあります。このような病院では、トータルでみると集中治療室の病床数が多く、その分人手が必要とされることから、希望が通りやすい可能性があるでしょう。
就業体験・説明会へ参加する
気になる病院で就業体験や説明会が行われている場合、積極的に参加しましょう。実際の現場を肌で感じることで、働くイメージもしやすくなります。
また、実習とは違った立場で病院を見学できるため、病院の雰囲気や考え方が自分に合っているかを判断する貴重な機会にもなります。気になる病院が決まっていない場合でも、ぜひ複数の就業体験や説明会に参加して、看護師として働くイメージを膨らませてみてくださいね。
なお、現在実施している就業体験や病院説明会は以下から検索できます。ぜひご活用ください。
学習
ICUに興味がある人は、解剖生理学の基礎を理解しておくことをおすすめします。実際に働き始めると、多くの知識を身につけなければならなくなり、基礎から学ぶ時間が取れない可能性は少なくありません。基礎は実践で学ぶ知識を身に付けるうえで必ず役に立ちます。学生のうちに少しでも理解を深めておくとよいでしょう。
ICU看護師としてのキャリアを築くためにできることから準備しよう
ICU看護師は幅広い重症患者さんのケアを担当し、常に迅速で的確な対応が求められます。高度な看護技術や知識が求められることになりますが、一方で患者さんの生命を支える喜びや充実感が強く感じられる現場ともいえます。
新卒からでもICUに配属されることは可能です。ただし実習では経験できない領域のため、興味がある人は就業体験を通じて実際の現場を見学し理解を深めておきましょう。情報収集や自己分析など計画的に就活準備をすることで、自分が目指すキャリアに近づけるはずです。
参考
厚生労働省:周産期母子医療センター整備の現状等について.(2023年9月26日閲覧)
厚生労働省:集中治療室(ICU)における安全管理について.(2023年9月26日閲覧)
一般社団法人 日本集中治療医学会:集中治療部設置のための指針 2022年改訂版.日集中医誌 2022;29:467-84.(2023年9月26日閲覧)
一般社団法人 日本集中治療医学会:集中治療とは.(2023年9月26日閲覧)
一般社団法人 日本集中治療医学会:CCU設置のための指針.(2023年9月26日閲覧)
一般社団法人日本専門看護師協議会:急性・重症患者看護.(2023年9月26日閲覧)
JADECOM-NP 研修センター:診療看護師(NP)とは.(2023年9月26日閲覧)
日本看護協会:2022 年 病院看護・助産実態調査 報告書.(2023年9月26日閲覧)
日本看護協会:看護職の皆さまへ,認定看護師.(2023年9月26日閲覧)
日本看護協会:看護職の皆さまへ,専門看護師.(2023年9月26日閲覧)