看護学生がモチベーションを上げるには?実習・国試の「つらい」を乗り切る

看護学生がモチベーションを上げるには?実習・国試の「つらい」を乗り切る

最終更新日:2026/05/27

実習や課題・国試の勉強など、日々忙しく取り組む看護学生。つらいと感じる人も多いかもしれませんが、モチベーションを上手に管理して、乗り切る工夫をしましょう!今回は、看護学生のモチベーションが下がる原因や、モチベーションを管理するメリット・上げる方法を解説します。

看護学生に聞いた!モチベーションが下がる「つらい」原因

ナース専科では、現役看護学生269人に「つらいこと」についてアンケートを実施しました。

「つらい」と考える看護学生の割合
※ナース専科調べ(2022年7月21日-7月29日/有効回答数:269)

アンケートでは、約7割以上が看護学生の生活は「すごくつらい・どちらかというとつらい」と感じていることがわかりました。つらい気持ちは、モチベーション低下の原因になります。具体的にどのようなことを「つらい」と感じているのでしょうか。

看護学生が「つらい」理由
※ナース専科調べ(2022年7月21日-7月29日/有効回答数:230)

このように、看護学生がつらいと感じることは、実習や定期試験・課題といった学業面だけにとどまりません。自由な時間がないこと、金銭的な不安、人間関係のストレスまで、その悩みは生活全般に広がっています。

つらいと感じることが多ければ、モチベーションは下がりやすくなります。そして、モチベーションが下がると課題が進まず焦りや自己嫌悪が生まれ、さらにつらさが増すという悪循環に。

この悪循環を断ち切るカギとなるのが、モチベーションを自分でコントロールする力です。看護学生は日々こなさなければならない課題が山積みですが、看護師になるという目標に向け、モチベーションを上手に管理しながら一つ一つの課題をクリアしていきましょう。

モチベーションは自分自身で管理できる

モチベーションは自身の内面にあるもので、自ら管理できます。モチベーションを管理できるようになるために、まずはモチベーションとは何か正しく理解しましょう。

モチベーションとは?

モチベーション(motivation)とは、直訳すると「動機づけ」という意味です。具体的には、勉強や実習・アルバイトなど何らかの行動を起こすときの「やる気」「意欲」「目的」という意味合いで使われています。

モチベーション=動機づけには、大きく以下の2つの種類があります。

外発的動機づけ

外発的動機づけとは、周囲からの評価や報酬など他者によってやる気が引き出され、モチベーションが上がり行動する状態です。

自分がどのように行動すべきか方向性が明確で、モチベーションが上がりやすいのが特徴ですが、自らの意志ではないことが多いため、一度目標を達成するとモチベーションは途切れがちになることも。
例えば、以下のようなケースが該当します。

  • 親や先生に怒られたくないから勉強を頑張る
  • 実習で良い評価をもらいたいからグループリーダーに立候補する

内発的動機づけ

内発的動機づけは、自らやる気を引き出し新しいことに挑戦したり、その過程や行動を重視して楽しむことができる状態です。課題やゴールを自ら設定し、周囲に左右されることなく自分のやる気を自分で引き出せるようになることが特徴です。

例えば、以下のようなケースが該当します。

  • 新しいことを知ることが楽しいから、患者さんとたくさん話したい
  • 患者さんの満足した表情を見られるから、洗髪や足浴などの清潔ケアが好き。ケアの大変さを忘れるくらい充実感と達成感がある

モチベーションは日々変動するもの

看護学生の中には、実習や課題・国試の勉強中にモチベーションが下がってしまい困った経験がある人も多いことでしょう。モチベーションは上がったり下がったりするもので、いつでも誰でも高く維持できるわけではありません。

モチベーションが高い人の中には、その時々でおこる上下の波を把握し上手にモチベーションを管理できる人がいるのです。勉強中モチベーションが下がってしまう・維持できないという人は、自分なりのモチベーションの管理方法を見つけましょう。

そして、モチベーション管理は社会に出ても役に立つスキルです。モチベーションにムラがあると、周囲に迷惑をかけるだけでなく、看護師という職業柄、一つのミスが大きな事故につながる可能性もあります。将来困らないように今のうちから身につけておきましょう。

モチベーションを管理・コントロールするための方法

ここでは、モチベーションを管理するメリットやコントロールするための方法を解説します。

看護学生がモチベーションを管理する5つのメリット

モチベーションが維持できると、具体的に以下のようなメリットがあります。

  • 自分の能力を十二分に発揮できる
  • 楽しさや充実感を得られる
  • 主体的に効率よく取り組める
  • よいアイデアが浮かぶ
  • 周囲によい影響を与えられる

自分の能力を最大限に活かして意欲的に働き、周囲とも良好な関係を築ける看護師になるために看護学生の頃からモチベーションを管理できるようにしていきたいですね!

モチベーション維持につながる目標設定の方法

モチベーションを管理・コントロールするためには、外発的動機づけよりも内発的動機づけが大切です。内発的動機づけでは自分で目標を設定し「行動・達成・評価・目標再設定」と円を描くように継続することで、よりモチベーションを維持しやすくなるからです。

ただし、具体性のない目標は挫折しやすく、内発的動機づけを揺らがせ目標を見失う原因となります。モチベーション維持につながる目標設定には、『SMARTの法則』がおすすめです。5つのポイントをおさえると、具体的で評価しやすい目標設定ができます。

看護学生がモチベーションを保つ方法「SMARTの法則」

例としてSMARTの法則を使って、看護師国家試験合格のための目標を設定してみましょう。
“看護師国家試験に合格する”という目標は、具体的に何をすべきかわかりにくい状態です。

先ほどのSMARTの法則を使うと、下記のようなより具体的な目標を設定することができます。

  • S 看護師国家試験に合格するために
  • M 平均正解率を9割にする
  • A 3年間分を3回繰り返し
  • R 看護師国家試験の過去問を
  • T 8月までの3か月間に

「看護師国家試験に合格するために、8月までの3か月間に看護師国家試験の過去問3年間分の平均正解率9割にする」という評価しやすい目標設定ができました。
目標を達成するために過去問を順番に解き、間違えた問題について学習を深めます。さらに繰り返し過去問を解き正解率を上げていけば目標が達成できるでしょう。

もし次の目標を「M:模試の正解率8割」と設定するなら「R」は「間違えた問題を繰り返し解き、苦手な科目の学習を重点的におこなう」などとなります。このようにSMARTの法則を使えば、目標はより具体的になり達成しやすくなるのです。

看護学生がモチベーションを上げるための5つのポイント

誰しもモチベーションは上下するもの。目標を立てたとしても、モチベーションが下がってしまうこともあるでしょう。モチベーションを上げる方法を知っておけば、下がってしまったときに自己管理できるようになります。

ここでは、看護学生におすすめのモチベーションを上げる5つのポイントを紹介します。

ポイント1:環境を整える

勉強するときに好む環境は静かな環境、カフェのような人の多い環境、自宅以外の環境など一人ひとり異なります。自分が最高のパフォーマンスを発揮できる環境を整えるようにしましょう。

ポイント2:やることを見える化する

その日のうちに終わらせたいことすは、すべて書き出しましょう。例えば「過去問を〇問解く」「レポートを1つ仕上げる」など、それぞれの作業にかかる時間と優先順位を考えながら洗い出していくと、何から手をつければいいか明確になりモチベーションも上がりやすくなります。

ポイント3:目標を達成したときのご褒美を用意する

小さな目標を達成したら、好きなスイーツを食べる、欲しかったものを買うなど、自分へのご褒美をあらかじめ決めておきましょう。「達成したら〇〇する」という楽しみがあることで、つらい時期も前向きに乗り越えるための原動力になります。

ポイント4:ストレスを貯めない

ストレスは集中力の低下を招きます。学習効率が下がったり、時には目標を見失ったりしてしまうかもしれません。ストレスを上手にコントロールするのも、モチベーションを自己管理するうえでは重要です。

ポイント5:気分を切り替える

やる気が出ないままだらだらとスマホを見たり、机に向かっているだけの時間は、モチベーションをさらに下げてしまいます。そんなときは思い切って一度勉強から離れ、散歩や軽いストレッチ、時間を決めた仮眠など、短時間で気分をサッと切り替える方法を自分なりに持っておきましょう。

モチベーションを上げて理想の看護師像を実現しよう

モチベーションは誰しも上下します。それを理解し、上手に自己管理できるようになりましょう。
看護学生がモチベーションを上げる目的は、実習や国試を乗り切るためではありません。その先にある“理想の看護師像を実現する”ためです。
また看護師としても意欲的に仕事に取り組むことができ、同僚や患者さんにも頼りにされる看護師になれるでしょう。

執筆者情報

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小田 あかり

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大学看護学部卒業後、小児・内分泌・循環器科で勤務。看護師として働きながら、知識と経験を活かし、医療ライター・監修者として活動中。