看護学生1年生でやるべきことまとめ│勉強の仕方からアルバイトとの両立まで

看護学生1年生でやるべきことまとめ│勉強の仕方からアルバイトとの両立まで

最終更新日:2024/02/01

看護学生の1年目は、看護実習が始まる前に実習で必要となる看護に関する基礎知識を学ぶ時期にあたり、大学生では一般教養を学ぶ時期にもあたります。今回はスケジュールや学ぶ内容をふまえて、看護学生1年生がやっておきたいこと、さらにおすすめの勉強の仕方を紹介します。参考にしてください。

看護学生1年生の年間スケジュール

看護の基礎知識を身につける時期である看護学生1年目は、ほとんどの授業が学校内で行われます。
以下は看護学生1年目の年間スケジュール例です。

看護学生1年生の年間スケジュール例

スケジュール例をもとに、看護学生1年生の日々がどのように進むか、またやるべきこと・やっておきたいことなどについてさらに細かく解説します。

座学では基礎的知識・技術を中心に学ぶ

看護学生1年目は2年から3年に向けて行われる実習のために、まずは基礎的な知識や技術を授業で学びます。学校によってカリキュラムは異なりますが、以下が基本的に1年生で学ぶ科目の例です。

  • 一般教養…外国語・体育・情報科学 など(大学の場合)
  • 基礎分野…教育学・心理学・社会学 など
  • 専門基礎分野…解剖生理学・栄養学・生化学 など
  • 専門分野…基礎看護技術論・各領域の看護学概論 など

参考:独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災看護専門学校 カリキュラム紹介
   岡山済生会看護専門学校 1年生の1年間
   岐阜県立看護大学 看護学部 教養科目

基礎看護学実習はおよそ1週間

看護学生1年目は校内での授業がほとんどですが、基礎看護学実習については、1年生のうちから実施する学校が多い傾向にあります。
基礎看護学実習とは、校内で学んだ基礎的な知識や技術、看護師としての心構えなどを実際の臨床現場で照らし合わせることで、看護の基本的な能力を養うための実習です。看護学生の初めての臨地実習になります。

実習期間は学校によって異なるものの多くは1週間程度で行われています。

夏休み・春休みは自由に過ごせる

夏休みや春休みなどの長期休みには講義がなく、1年生であれば、まだレポートや課題もそれほど多くはないため、比較的自由に過ごすことができます。

以下は看護学生の長期休暇期間の目安です。詳細は各学校によって異なります。

春休み 夏休み 冬休み
大学 2月上旬~4月上旬
1ヶ月半程度
8月上旬~9月下旬
1ヶ月半程度
12月下旬~1月上旬
2週間程度
専門学校 3月中旬~4月上旬
2週間程度
8月上旬~8月下旬
1ヶ月程度

参考:健康科学大学 年間の授業計画
   埼玉医科大学短期大学 年間行事
   組合立静岡県中部看護専門学校 年間スケジュール

長期休暇の期間には趣味やアルバイトに打ち込むなどプライベートな時間に充てることができます。またインターンシップを開催する医療機関が多いため、早めに就活準備をしたい人は参加してみるのもおすすめです。ただし多くはなくとも、学校からの課題もある場合が多いため計画的に進めることが大切です。

看護学生1年生の1日スケジュール例

次に看護学生1年生の1日のスケジュール例を紹介します。詳細は学校によって異なるので、目安と捉えてください。

座学のみの1日スケジュール

時間 内容
7:30 起床
8:30 登校
9:00 授業開始
16:30 授業修了
18:00 帰宅
自由時間(アルバイトや課題の取り組み、テスト勉強)
23:00 就寝

学校によって講義時間は異なりますが、16時から16時半ごろに修了するのが一般的です。帰宅後はアルバイトや課題の取り組み、テスト勉強など、状況に合わせて自分の時間を過ごすことができます。

基礎看護学実習期間の1日スケジュール

時間 内容
6:00 起床・朝食
8:00 実習先へ集合し実習開始
16:00 実習終了
16:30 学校に戻り調べ物や先生からアドバイスを受ける
18:00 帰宅・夕食など
19:00 振り返り・レポート作成
23:00 就寝

実習期間は、実習先の日勤業務に合わせて学生の実習も開始します。医療機関の日勤業務開始時間は8時半のことが多く、実習先までの距離がある場合は、座学の日よりも早起きをしなければならなくなります。

実習終了後は学校に戻って先生の指導を受けたり記録やレポートを作成したりと、座学の日よりもやるべきことが多く、プライベートの時間を確保するのは難しいかもしれません。

看護学生1年生にやっておいたほうがいいこと

上級生よりも自由な時間を確保しやすい1年生の期間こそ、時間を有効活用し有意義に過ごすことが大切です。そこで1年生のうちにとくにやっておいたほうがいいことを紹介します。

勉強

2年生以降本格的に実習が始まってから困らないように、1年生から授業はしっかり復習する習慣を身につけ、基礎を固めておきましょう。

基礎を理解し身につけておくと、実習現場での出来事と関連させやすくなり、より深い学びや気づきが得られます。まずは自分にあった勉強方法を見つけて基礎知識や技術をしっかり身につけておきましょう。

自己分析

1年生のうちから将来のことを考えて、自己分析をしておくのもおすすめです。学年が上がるにつれて実習や勉強で忙しくなり、就活準備に時間を充てられなくなります。

1年生からできる自己分析の内容としては以下が挙げられます。

  • 自分の長所や短所
  • 看護師になりたいと思ったきっかけ
  • 興味のある専門分野
  • 将来なりたい看護師像

早い段階で自分のキャリアについて考える機会をつくると、心にも余裕が持てるでしょう。自己分析を何からやったらいいかわからない人は、まず手軽にできる適職診断がおすすめです。以下のような看護学生向けの診断もあるので、ぜひ活用してみてくださいね。

看護学生の適職診断テスト

※ナース専科就職ナビより

アルバイト

アルバイトをしたいと考えている人は1年生のうちにチャレンジしましょう。実習が始まると忙しくなり両立が難しくなる可能性があるためです。

アルバイトで得られる経験は数々の社会勉強につながります。ただし勉強がおろそかになると本末転倒なので、看護学生のスケジュールに理解のあるアルバイト先を選ぶことがポイントです。

病院の中の動きやベッドサイドの様子がわかる、看護助手のようなアルバイトを選ぶ看護学生も多いようです。

趣味・友達作り

看護学生は忙しく負担も大きいため、定期的にリフレッシュする時間も必要です。とくに比較的時間がある1年生のうちは勉強とのバランスをとりながら、趣味にも時間を使うとよいでしょう。

また同級生と良好な関係を構築しておくことも大切です。実習が始まると同級生数名ずつのグループが組まれ、基本的にこのグループを1つの単位として実習病棟を廻ったり課題を行ったりすることになるからです。
1年生のときから同級生とのコミュニケーションを密にしておくと、実習中もチームワークが高まりやすく、助け合ってより深い学びを得ることができるでしょう。

看護学生1年目におすすめの勉強方法

ここからは先輩看護師・看護学生へのアンケート調査の結果を踏まえ、看護学生1年生の理想の勉強時間や効率的な勉強の仕方について解説していきます。ただしこれらの方法は、人によって合う合わないがあるため、自分に合った勉強方法を見つけるためのヒントにしてください。

勉強時間は1日1時間が理想

以下は看護学生1年生の時の勉強時間について、先輩方の意見をまとめたものです。

  • テスト前だけ2〜3時間勉強していた
  • 毎日3時間勉強していたが、もう少し減らしてもいいと思う
  • テスト直前の2日間だけ、8時間程度勉強していた
  • テスト前だけ勉強していたが、1日1時間でも勉強していれば良かった

テスト前だけ集中して勉強に取り組む人が多いですが、毎日1時間でも勉強すれば良かったという意見もありました。

テスト前の勉強だけでは知識が定着しづらいため、十分な基礎知識を身につけるためにも、1日1時間程度の勉強時間を確保しておくことが望ましいでしょう。

ただし、理想的な勉強時間は人それぞれ異なるものです。無理のないペースで少しずつ勉強する習慣をつけていきましょう。

先輩に聞いた効率的な勉強の仕方

忙しい学生生活を送るうえでは、効率の良い勉強の仕方を見つけることが大切です。実践しやすい具体的な方法を解説するので、参考にしてください。

スキマ時間を活用する

課題をこなす、実習前の準備を行うなど、看護学生はまとまった時間を確保するのが難しいときがあるので、通学時間や休憩時間などのスキマ時間を上手に活用しましょう。

たとえば通学時間の30分と、休憩時間の30分を勉強時間に充てるだけで合計1時間が確保できます。帰宅後に1時間を確保して勉強するよりもハードルが低いはずです。

看護学生向けの勉強アプリを活用する

看護学生向けの勉強アプリにはさまざまなものがあり、スキマ時間を活用した勉強に向いています。

看護学生向けのアプリでは、解剖学や病態、生理学、基礎看護技術など看護学生が覚えたい基礎知識のポイントを押さえたコンテンツがたくさん配信されています。これらを日々の勉強に取り入れるのもアリでしょう。

参考書や看護雑誌を読む

看護学生向けの参考書や看護雑誌には、覚えるべきポイントや学習のコツがわかりやすくまとめられているものが多く、効率よく勉強をすすめるのに役立ちます。

学校の教科書だけではなく、これらの書籍や雑誌などを参考にすることで、より学習への理解を深められ、学習の大切なポイントを知ることができるでしょう。

学校の課題や小テストにしっかりと取り組む

学校から課題や小テストで出題される内容は、看護学生が身につけておきたい知識であるといえます。何から勉強すればいいかわからない人は、まず小テストや課題にしっかり取り組んでいきましょう。

学校の課題に真剣に取り組むことは必要な学びを得るだけでなく、自己学習の習慣をつくり、さらに深い理解や考察に至る機会を得るきっかけにもなります。

友達と問題を出し合う

友達同士で問題を出し合うのも、アンケートへの先輩の回答で多かったおすすめの勉強方法のひとつです。友達が出すさまざまな問題を解くことで、一人での勉強だけでは気づきにくい自分の弱点を知ることができます。

また、日頃から友達とコミュニケーションをとっておくことで、実習などで困ったときも相談しやすくなることもメリットといえるでしょう。

1年生こそ時間を有効活用しよう

看護学生1年目は看護師として必要な基礎知識を固める大切な時期です。自分に合った勉強方法を見つけて、少しずつ習慣化させることが大切です。
また学年が上がると本格的に実習が始まり忙しくなるので、アルバイトや趣味などプライベートの時間や、将来のキャリア形成のための時間に充てるなど、工夫しながら有意義な学生生活を送りましょう。

執筆者情報

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伊藤 雪乃

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2003年に看護師免許取得後、北海道の公立病院に5年間勤務し、地域医療をに携わる。その後埼玉県の介護施設(ショートステイ)で3年、整形外科病院に10年勤務。 2018年ごろから副業でライターをはじめ、現在はウェブと書籍に携わるフリーライターとして活動中。 2022年11月発売「私立文章女学院」編集協力