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Special Topic 1 看護部長インタビュー [トップが語る学生へのメッセージ]

学んだ知識と技術を自分自身に定着させて
質の高い看護を創り出し、
患者さんに提供する。
その実践の中で、看護のやりがいが生まれます

東京都立荏原病院

看護部長

さん

新しく生まれ変わる荏原病院
よりいっそう働きやすい職場に

看護部の管理職としてだけではなく、集中ケア認定看護師としても活躍されていると伺いました。

 はい。クリティカルケア領域の看護とともに、マネジメントについても学びを深め、両立の道を歩んできました。

トップマネジャーまたはスペシャリストのいずれかではなく、両立を選択されているのはなぜでしょうか。

 トップマネジャーとして、臨床をより正しく理解してこそ学んだマネジメントを生かすことができると考えています。つまり、職員が安全に安心して質の高い看護を実践できるように、看護管理者として患者さんの病態や治療について正しく理解し、提供されるケアをアセスメントする必要があります。そのためには、認定看護師の知識技術と認定看護管理者のスキルを融合する必要があると考えます。そこで、トップマネジャーとスペシャリストの二刀流の道を選択しました。

看護部の副部長をなさっていたときに、認定看護管理者の資格も取得されているのですね。

 専門職として、学習に終わりはなく生涯学び続ける必要があると考え、副部長のときに認定看護管理者を取得しました。それは、「看護はアートでありサイエンスである」という言葉に基づいています。看護におけるアートとは、卓越したケアや経験知による優れた看護技術であると考えます。サイエンスとは、実践する看護技術のエビデンスであり、安全かつ効果的なケアを実践するために必要な学問としての看護です。臨床現場でアートとサイエンスを学んできたのと同様に、看護管理においてもアートとサイエンスを学ぶ必要があると考え認定看護管理者の資格を取得しました。

荏原病院は新型コロナウイルス感染症の重点医療機関として貢献してきましたが、二次救急対応の総合病院に戻るのですか。

 単にもとに戻るのではなく、より良い医療看護の提供のため新しく生まれ変わろうとしています。新型コロナウイルス感染患者の受け入れも継続しますが、救急やがん医療など急性期から在宅支援までより強化します。具体的には、ER-Aide配置などによる救急外来と手術室の強化や、重症患者へのシームレスな対応に向けた救急外来・手術室・集中治療室の業務連携などに取り組んでいます。患者さんに安全で良質な看護を提供できる環境を拡充しながら、3年先を見据え、そのために今は何をなすべきか、看護部としての方向性やビジョンを明確に伝え、新生荏原病院への思いを全職員で共有しています。

新生荏原病院の思いや目指すところをお聞かせください。

 生まれ変わるということは、荏原病院という組織をより良くし、これまで以上に質の高い医療・看護を提供していくことでもあります。しかし、組織をより良くするために、職員が犠牲になってはいけません。働く本人とその家族の心身が健康であってこそ、安心・安全の医療・看護が提供できると考えます。東京都立荏原病院看護部では、職員が「健康」と「自身の家族を大切にする」ことができるよう職員一人ひとりを大切にすると同時に、職員が互いに思いやりを持ち、やりがいを感じながら働くことができる組織を目指しています。

知識と技術を定着させ
臨床で活用できるように支援

新人看護師の教育体制についてはいかがでしょうか。

 新人看護師にとって働きやすいと感じる要因の1つは、成長を支援する環境が整っていることです。東京都立病院機構には「東京看護アカデミー」というキャリア発達を組織的に支援する研修体系があり、新人からベテランまで一人ひとりの習熟段階に応じ、看護専門職として学び成長し続けられるサポートシステムになっています。また、感染症対応力強化や認知症対応能力向上など荏原病院の特徴を生かした研修も実施しています。当院では研修後に必ずリフレクションを実践し、研修で学んだことの定着を図ると同時に、同期の仲間たちと時間を共有できる機会を設けています。

荏原病院の教育支援の方針を教えてください。

 学んだことを定着させ、看護実践の場でしっかり活用できるようにすることです。つまり、学習した内容が臨床現場で実践できているか、活用できていない場合にはどうしたら実践に生かせるようになるのか、そこに傾注して支援しています。研修での学びが、単なる知識の習得で終わってはいけません。学んだことを活用し、良い看護を患者さんに提供する。この実践を通して、看護のやりがいや喜びを感じられるように成長してほしいと思っています。

荏原病院ではどんな看護師を求めているのでしょうか。

 当院では一歩先いく「予防看護」を大事にしています。例えば、患者さんから「痛い」という訴えを聞いて、医師の指示を仰ぐのではなく、患者さんの病態から痛みの発生を予測し、痛みが起こらないように看護を展開する。このように、一歩先を予測しながら自ら考え、先を見越して創意工夫できる看護師を求めています。

採用試験は東京都立病院機構として行われるのでしょうか。

 そうです。採用試験では、小論文と人物考査(面接)が実施されています。合格すると、東京都立病院機構の職員として病院に配属されます。

面接官としてはどのような点が重要と考えますか。

 自分の考えをしっかりと述べることができることが重要と思います。そのためには看護師として何をしたいのか、将来のビジョンやキャリアについてなど日頃から考える習慣を持つことです。また、就職先として希望する理由や、どんな看護をしてみたいのか自分の言葉で伝えることが大切です。面接では、皆さんがこれまで抱いてきた「看護師になりたい」という思いや、その先の考えを確認します。採用試験は臨床への第一歩です。看護師になってからの希望や目標をしっかりと持って、臨んでください。

東京都立荏原病院

[住所]〒145-0065 東京都大田区東雪谷 4-5-10

当院は、総合診療基盤を備え地域を医療で支える二次救急対応の総合病院です。救急医療・脳血管疾患医療・集学的がん医療をはじめ、急性期から在宅支援に向けた地域連携などさまざまな領域で看護実践することができます。

Profile プロフィール

かつ ひろふみ

1996年東京都立病院に入職。2007年「集中ケア認定看護師」取得。認定看護師として従事しつつ、主任・師長を経て副看護部長となる。2021年「認定看護管理者」取得し専門性とマネジメントを両立しながら2023年より現職。
東京工科大学医療保健学部 臨床教授。

患者さんやご家族、職員も含めさまざまな多様性を受け入れ、一体感を持ち働き甲斐のある組織への革新を推進しています。