自治体保健師になるための就活ページ

令和3年度 厚生労働省 先駆的保健活動交流推進事業 / 2021年度 自治体保健師人材確保のための情報発信事業

自治体保健師の就活リアル体験談

自治体保健師として活躍中の若手保健師さんにインタビュー!

保健師を目指した理由、試験勉強と就活、仕事のやりがい
などについてお聞きしました。
自治体保健師になりたい人は必読です。

Aさん

4年制看護大学で保健師免許を取得。2015年、新卒で自身の出身県である埼玉県に保健師として就職。

新卒で第一希望だった
出身県の保健師に
オールラウンダーな保健師を目指して
邁進中です

保健師を目指したのはいつ頃ですか? またその理由を教えてください。

看護大学へ進学したのですが、看護師になることに対して自分の中で迷いがありました。学校の授業で現役保健師の方のお話を聞き、地域という広いフィールドで住民の人生全体に関わる保健師の仕事に興味を持ちました。学校の先生に薦められた『無名の語り』という保健師の方が書いた本を読んで感銘を受け、大学1年の終わり頃には保健師になろうと決めていました。

自治体保健師を目指した理由は何ですか?

自分が育った地域の住民の生活を支えたいという思いと、公務員への憧れがありました。感染症や難病、精神保健等、取り扱う業務の専門性が高く、また広域で業務ができる点に面白さを感じ、市町村ではなく都道府県への就職を目指しました。

大学卒業後すぐに自治体保健師になられたそうですが、実習を行いながら公務員試験、看護師国家試験、保健師国家試験の勉強をするのは大変ではなかったですか?

大学3年までは実習で忙しく、公務員試験の勉強を始めたのは4年になる前の春休みからでした。同学年に自治体保健師を目指す仲間が10人ほどいたので、情報交換しながら参考書を読み過去問を解いて勉強しました。また、ゼミの教授に相談して自治体保健師のOBを紹介していただき、お会いすることもできました。公務員試験の予備校には通いませんでしたが、同じ目標を持つ仲間と、相談できる先生がいたので頑張れました。

就職先の情報はどうやって集めましたか?

自分が目指す自治体のホームページを閲覧し、保健師の採用に関する内容や先輩保健師のメッセージを読み込みました。ホームページは更新されていなくても1日に1度は目を通し、この試験を受けるのだ、と自分自身のモチベーションを上げるようにしていました。

公務員試験はいつ頃受験しましたか?

特別区の試験開始が5月、都道府県の試験開始が6月でした。埼玉県の試験は1次が教養の筆記試験、2次が小論文、集団討論、個人面接でした。小論文対策は過去問を参考に、ゼミの先生に添削してもらいながら何度も書きました。個人面接もゼミの先生に見てもらったり自治体保健師を目指す仲間とお互いに面接官を担ったりしながらたくさん練習しました。集団討論も、イメージトレーニングをしながら仲間と練習して本番に臨み、夏頃に第一志望だった埼玉県から合格の通知を受けました。

試験では実力を出し切れましたか?

集団討論では、1人1分間という発表時間の制限を私だけがオーバーしてしまいました。個人面接でもうまく答えられなかった質問があり、もやもやしていましたが、無事に合格できてほっとしました。大学4年の秋頃から看護師国家試験と保健師国家試験の勉強を始めて看護師・保健師の資格を取得し、2015年4月から自治体保健師としての仕事をスタートしました。

入庁してからはどんなフォロー体制がありましたか?

プリセプターとしてベテラン保健師の方が付いてくださり、わからないことを確認しながら仕事を進めることができました。また、プリセプターとは別に埼玉県の職員には“新規採用職員指導員制度(ブラザー・シスター制度)”というものがあり、年齢の近い先輩職員からサポートを受けることができます。文房具の保管場所やコピー機の使い方など、ちょっとした困りごともすぐに解決でき、食事に誘ってもらうなどメンタル面で手厚いサポートを受けて、安心して働くことができました。私自身もシスターになったとき、同じように後輩をしっかりサポートしたいと思って接しました。

1年目の研修で印象に残っているものはありますか?

埼玉県と、県内市町村の新任(1~5年目)保健師の合同研修会が印象に残っています。県と市町村の保健師では業務も違うので、いろいろ話ができ、貴重な情報交換の機会になりました。また、普段の業務では市町村の保健師と関わる機会が少ないので、市町村の同期と顔見知りになることができた点もとても良かったです。

1年目はどこへ配属になりましたか?

最初の3年間は保健所で難病対策・支援を担当しました。朝8時半に出勤し夕方17時15分まで、申請に来られる方の相談対応や電話連絡、申請に係るデスクワークを行いました。保健師として、難病の患者さんのご自宅を訪問したり難病の患者さんやそのご家族を対象とした交流会を企画したりすることもありました。指定難病医療給付制度の継続申請を受け付ける時期はとても忙しく、残業をすることもありましたが、この繁忙期以外は基本的に定時に帰れました。1年の間で忙しい時期がはっきりしているので、有休は繁忙期以外に取得するなど自分で調整することができます。看護師のように夜勤があるわけでもなく、土日は基本的にお休みなので、働きやすい環境だと思います。

その後、県庁へ異動されたそうですね。

本庁の難病対策を担う部署へ異動しました。指定難病医療給付制度の書類審査を行ったり介護者のためのレスパイト入院の調整をしたり、保健所と違ってデスクワークが中心になりました。同じ難病領域の担当でも、保健所と本庁では業務内容がかなり違います。

保健所と本庁の仕事、両方を経験してみてどうでしたか?

保健所の経験しかないときは、“どうして本庁は対応してくれないのだろう?”と疑問を持つこともありましたが、本庁での仕事を経験してみると、みんな様々な制限がある中で精一杯対応してくれているのだ、ということが実感できました。どちらの仕事にもそれぞれやりがいがあり、両方の仕事を経験できて広い視野を持てるのは、都道府県の保健師ならではだと思います。

その中で、忘れられない経験はありますか?

就職して1年目に、保健所でALS(筋萎縮性側索硬化症)の患者さんと接する機会がありました。その方はまだ50代と若く、疾病受容ができずに、保健所の介入にも拒否反応がありました。当時の私はまだまだ知識がなく面談にも不慣れでしたが、くり返し“あなたの役に立ちたい”“困ったときには保健師がいることを思い出してほしい”と伝えたところ徐々に心を開いてくださり、後日、“あのとき、あなたがいてくれたから今がある”と言っていただくことができました。このときの気持ちを忘れずに、保健師の基本である寄りそう姿勢を持ち続けたいと思っています。

今後どんな保健師を目指したいですか?

保健所に勤務していたとき、何でもできて周囲から頼られている先輩保健師の姿を見て“この人のようになりたい”と思いました。目標とする先輩のように、特定の分野に限らず保健所でも本庁でも活躍できるオールラウンダーな保健師になることが目標です。

自治体保健師を目指す学生へのメッセージをお願いします。

自治体保健師の仕事が具体的にイメージできないという方が多いかもしれませんが、思っている以上に住民と直接接する機会が多く、その点では看護師と共通する要素も多い仕事です。保健師を目指す方は、学生時代から様々な経験をするように心がけるといいと思います。以前、上司から“保健師は様々な経歴や考えを持った方々と接する仕事だから、公私ともに自分が経験したことがすべて役に立つよ”と言われことがあります。学生である今しか経験できないことがたくさんあると思うので、充実した学生生活を過ごしてください。ぜひ一緒に、自治体保健師として地域を支える仕事をしましょう!