皆さんは美容医療と聞くと何を思い浮かべますか?
「看護技術は身につくの?」「キャリアアップはできなさそう」「業務内容のイメージがわかない」と思っている方も多いのではないでしょうか?
近年ニーズが高まり、新卒採用に力を入れるところが増えてきている美容クリニック。
今回は、そんな美容看護師の仕事内容や美容クリニックという現場で働く魅力をお伝えします!
※本内容は、2022年8月20日に開催したオンライン就活ゼミ「働き方の特徴を知ろう」にて、湘南美容クリニック SBCメディカルグループの新卒看護師採用担当者にお話いただいた内容を再構成したものです。
A氏
湘南美容クリニック SBCメディカルグループ
専門学校を卒業後、2017年に湘南美容クリニックSBCメディカルグループに新卒で入社。福岡、沖縄、岡山など全国のクリニックへの長期出張を経て、2020年より六本木レディース院へ配属。現在は看護師業務を行う傍ら、採用部で新卒看護師の採用にも携わっている。
新卒看護師の採用を担当する中で、看護学生のみなさんに最初にお伝えしているのが、「国家試験合格がゴールではない」ということです。国家試験合格はゴールではなく、看護師としての始まりなのです。
看護師としてのスタートラインである就職先を選ぶことはとても大切で、大変なことです。私自身にとっても「就職活動は難しかった」の一言につきます。「自分が何をやりたいかわからない」「病院がたくさんありすぎて選べない」と悩んでいる方は多いでしょう。
どのような道に進むかによって、これからのみなさんの人生は変わってきます。就職先を選ぶことは、それほど重要なことなのです。そこで「美容医療で働くということ」をその選択肢の一つに加えてもらえるよう、美容看護師がどのように考え、働いているのかをご紹介していきます。
学校では美容医療について学ぶ機会は少ないため、どんなことをするのかよくわからないという方も多いのではないでしょうか。
美容看護師の業務は、主に3つの分野に分けられます。
外科治療にあたって看護師は、手術の介助、清潔介助のほか、手術前に行われる医師の診察に同席して診察の補助を行ったり、手術前後に必要となる医師やお客様へのフォローを行います。
皮膚科治療と聞くと、多くの方の頭に浮かぶのは「脱毛」だと思います。医師の指示のもとで看護師自身が接客し、技術を提供しています。また、脱毛以外の皮膚科の治療、例えばレーザー照射によるシミの除去や美容(美白)点滴なども看護師が実施します。
美容医療では基礎看護技術が身につかないのでは?と不安に思う方がいるかもしれません。しかし美容医療の業務を行ううえでは、採血やルートキープなどの看護技術は必要不可欠であり、基礎看護技術を問題なく身につけることができます。
湘南美容クリニックでは、美容看護師の仕事は下の図のような流れになります。
おおよそ10時に出勤し、19時に退勤となります。この流れはほぼ変わりません。どのような業務内容になるかはお客様の予約状況によって異なり、一日中皮膚科で治療の介助をするときもあれば、皮膚科から外科へ移動して業務を行うこともあれば、外科治療につきっきりのこともあります。その日のリーダーが予約状況を把握してスタッフに指示を出し、各自ができる施術を提供します。
美容医療の現場では、美容看護師のほか受付カウンセラー、医師、メディカルサポーターなどさまざまな職種が働いています。お客様に最大限の美容医療を提供できるよう、各部門が協力し合いテキパキと仕事を進めていきます。
美容医療というと「ゆったり」「華やか」などのイメージをもつ方も多いかもしれませんが、私個人としては、めちゃくちゃ忙しいと感じています。お客様にゆったり過ごしていただくために裏側ではスタッフが、常に時間を意識しながら慌ただしく動いている印象です。
看護学生からよく「美容医療は医療ですか?」「美容医療は医療じゃないと言われました」などの声を聞きます。確かに、疾患や外傷などの治療を主とする一般医療とは異なってみえるかもしれません。でも、美容医療は間違いなく医療です。
上の図は「マズローの5段階欲求」です。米国の心理学者であるアブラハム・マズローが、「人間は自己実現に向かって絶えず成長する」と仮定して、人間の欲求を5段階の階層で理論化したものです。看護師国家試験にも出題されている考え方ですから、みなさんもご存じではないでしょうか。
これに即して、人々が医療によって実現したい欲求はどこに当てはまるのかを考えてみましょう。
看護学生のみなさんが学校で学んでいる一般医療によって実現される、あるいは実現したいと考えるのは、図の一番下の「生理的欲求」です。その一方で、美容医療で実現したいと考えるのは、一番上の「自己実現の欲求」です。
人にとって病気でない、健康であるということはとても大切なことです。しかし、病気ではなかったとしても、長い人生を過ごすなかで、自分のことを好きだと思えなかったらどうでしょう。自分を好きでいられるということも、人生にとってはとても大切なことだと思いませんか。美容医療は「現実をよりよくするため」「自分をより好きになるため」の医療といえるのではないかと思います。
私は学生の頃から予防医学に興味がありました。病気の人を健康にする医療も大切ですが、健康な人が病気にならずに自分らしく生きていける予防医療に心惹かれました。ですから、私が美容医療に関心をもち、その職に就いたのは、「その人がその人らしく笑顔で生きることをサポートできる」という点にあったのだと考えています。
私が美容看護師を選んだ理由は、予防医学に関心があったこととともに、美容が好きだったことがありました。「好きなこと」と「仕事」を別に考える方は多いようですが、私は好きなことを仕事にしたいと考えていました。働く時間と通勤時間を併せて、1日のうちおよそ10時間を仕事に費やすとすると、1か月の約4割が仕事の時間ということになります。だから好きなことでなければ長く頑張れないなと思ったのです。
湘南美容クリニックと出会ったことも大きな理由のひとつでした。「究極の『三方良し』を実現する」という企業理念に関心をもちました。これは、お客様・スタッフ・社会がすべてよい状態であることを目指すという意味です。「お客様がどんなに施術を望まれても医療的な視点を踏まえると、リスクを考えてお断りすることもある」という意味です。ですから安心して、お客様に最大限の医療を提供できる場所だと感じました。
みなさんの関心が高い新人教育研修制度についてご紹介します。
湘南美容クリニックでは、新入社員に対して、入社後1〜2か月間の基礎看護技術研修に加えて、同時にビジネスマナー、接客・接遇の研修が行われます。これは、お客様に医療サービスを提供する立場である美容医療ならではのもので、病棟看護では身につきにくいのですが、社会人としては必須のスキルです。
これらの基本を身につけた後で、現場で美容看護技術を学ぶことになります。臨床現場はプリセプター制となっており、先輩とマンツーマンで美容看護技術を段階的にマスターしていきます。その後は、3か月後、4か月後、1年後とフォローアップ研修が行われます。
新卒で入社するのは看護師だけではなく、受付カウンセラーや医師もいます。ですからビジネスマナーや接客・接遇の研修は、他職種が一緒に受けることになります。いろいろな職種の同期が一気に増えるのも楽しいのではないでしょうか。
「学校の先生から3年間は病棟で経験を積まないとだめと言われた」という声は聞きますし、そのような意見もわかります。ですが、美容医療の現場でも看護師への新人研修はしっかり行っていることは伝わりましたでしょうか。ぜひ興味があれば、新卒のみなさんにもチャレンジしていただきたいと考えています。
新卒で湘南美容クリニックに入社したスタッフが、現在どのように活躍しているのか、そのキャリアをご紹介しましょう。
このように、活躍の場や立場はさまざまです。入口は一緒だとしても、美容医療を通して自分がどのように成長していきたいのかを見出していくことで、その後の進路や成長の選択肢は増えていきます。その選択肢の多さは美容医療ならではないかなと感じています。
美容クリニックや美容看護師についてのお話はいかがでしたか?
自分が本当にやりたいことを見つめたうえで、美容医療から看護師のキャリアを始める選択肢を選ぶ人も増えてきています。
この記事を読んで少しでも美容医療に興味を持った方は、説明会などを通してさらに理解を深めていってくださいね!