闘病する子どもたちに寄り添った
治療や看護を実践するために

　当院は、がん、心臓病、救命救急医療に特化した高度専門医療機関です。学生時代から小児の複雑な病態や集中治療に興味があったため、小児ICUを希望しました。最初の3カ月は小児心臓科病棟で経験を積み、その後、小児ICUへ異動しました。
　2023年8月、小児心臓科・小児心臓外科は小児心臓移植実施施設に認定されました。当院では2024年度から特定行為研修修了看護師の活動が始まり、私もいち早く資格を取得しました。現在は、集中治療領域の7区分13行為を実践しています。
　資格取得のきっかけは、日々の業務で感じていた課題でした。例えば、成人の場合は看護師が採血できますが、小児は血管が細く、泣いたり暴れたりするため、当院では医師が担当します。しかし、医師が多忙で、患児が泣き疲れてやっと寝たころに採血のタイミングがきてしまうような場面を何度も見てきました。こうした状況は、患者さん優位の治療や看護ではないと感じることが多々ありました。そこで私が資格を取得すれば、患児のリズムに合わせたタイムリーな看護ができると考えたのです。それは結果として、働き方改革やスタッフの負担軽減にもつながると信じていました。
　今では後輩にも特定行為研修修了者が増え、彼らがさらに活躍できる場を広げることに力を入れています。
　今後は、病と闘う子どもたちの治療がスムーズに進むよう、私たち看護師が気持ち良く働ける環境づくりに貢献していきたいと考えています。