患者さんの思いを実現するために
日々学びながら自らの看護を深める
就業体験の際、忙しい中でもベッドサイドに足を運び、丁寧な清潔ケアを行う看護師の姿を見て、ここならやりたい看護ができると確信して入職を決めました。
学生時代は助産師を目指していましたが、当院での実習を機に老年看護に進路を変更しました。足浴を行った終末期の患者さんから「死ぬしかないと思っていたのに、こんなに気持ち良いと感じることができてとてもうれしい」と言われたことがきっかけです。患者さんがやり残したことを実現するのも看護の重要な役割だと感じたのです。
現在は、内科・外科の混合病棟で急性期から終末期までの患者さんを看ています。多くの患者さんがそれまでの生活スタイルの変容を余儀なくされ、できないことも増えていく中、患者さんが退院後に望む生活環境を整える援助は重要です。患者さん本人が本当に望んでいること、困っていることを知り、その思いを実現するために「入退院支援に関する実践力向上研修」を受講し、退院支援の目的、退院支援を円滑に進めるための病棟看護師の役割などを学び、看護実践と結びつけています。
今年度は、退院支援リンクナースの役割を担い、患者さんの一番身近な存在として医師やリハビリスタッフ、地域のケアマネなどをつなぐ調整役として、患者さんに最適な看護の実現に努めています。終末期の患者さんのご家族から「孫のように思い、いつもあなたの話をしていた」と伝えられ、日々の看護が患者さんの支えになっていた実感をやりがいにつなげています。