資格取得でステップアップ!認定看護師になるには

専門的で水準の高い知識・技術をもつ看護スペシャリストが必要とされる時代の要請を受け、日本看護協会が1996年にスタートさせたのが、認定看護師・専門看護師制度です。認定看護師は、実践的な役割を果たすことが期待されています。

  • 認定看護師とは?
  • 活動内容は?
  • 認定看護分野について
  • 資格取得への道

認定看護師とは?

日本看護協会の認定看護師審査に合格し、ある特定の看護分野において、熟練した看護技術と知識を用いて、水準の高い看護実践ができる看護師のこと。「実践」「指導」「相談」の3つの役割を果たすことにより、看護ケアの拡大と質の向上を図ります。

実践 特定の看護分野において、個人、家族及び集団に対して、熟練した看護技術を用いて水準の高い看護を実践する。
指導 特定の看護分野において、看護実践を通して看護者に対し指導を行う。
相談 特定の看護分野において、看護者に対しコンサルテーションを行う。
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活動内容は?

病院によって活動内容は異なります。認定看護師がチームを組織し、活動日を決めて院内をラウンドしたり、職種を越えて専門的な知識を活かした指導を行ったりする病院もあります。また、多職種によって構成されるチーム医療の現場においても、認定看護師の知識と経験が必要とされる場面が多くあります。

認定看護分野について

日本看護協会の認定看護師制度委員会が特定し、認めた分野を「認定看護分野」と呼びます。
2019年、分野再編とともに全19分野に特定行為研修が組み込まれました。旧21分野は2026年度をもって教育を終了します。
現在は以下の19の認定看護分野が特定されています。
看護師免許取得後、実務研修を通算5年以上経験すること(3年以上は認定看護分野の実務研修)が資格取得の条件です。

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認定看護分野 知識・技術(一部)
感染管理 ○医療関連感染の予防・管理システムの構築
○感染兆候があるものに対して薬剤の臨時投与が出来る知識・技術
がん放射線療法看護 ○放射線治療を受ける対象の身体的・心理的・社会的アセスメント
○医療被曝を最小限にするための放射線防護策・安全管理技術
がん薬物療法看護 ○がん薬物療法の適正な投与管理や、それに伴う症状緩和
○自宅での治療管理や有害事象に対する個別的患者教育
緩和ケア ○痛みやその他身体的・心理社会的な問題のアセスメント
○全人的問題の緩和、QOL向上のための症状マネジメント
クリティカルケア ○重篤化回避と合併症予防に向けた全身管理
○在宅での生活を視野に入れたケアマネジメントと意思決定支援、安全・安楽に配慮した早期回復支援
呼吸器疾患看護 ○呼吸症状のモニタリングと評価、重症化予防
○症状緩和のためのマネジメント
在宅ケア ○生活の場におけるQOLの維持・向上とセルフケア支援
○身体所見から病態を判断し、器具の交換や血流のない壊死組織の除去が安全にできる知識・技術
手術看護 ○手術中の患者の急変及び緊急事態への迅速な対応
○患者及び家族の権利擁護と意思決定支援
小児プライマリケア ○重篤な状態にある児もしくは医療的ケア児への重篤化予防
○家族の家庭看護力・育児力向上に向けたホームケア指導
新生児集中ケア ○ハイリスク新生児の急性期の全身管理及び親とハイリスク新生児への家族形成支援
○不適切な養育または虐待のハイリスク状態の予測・予防
心不全看護 ○心不全症状のモニタリングと評価、重症化予防
○症状緩和のためのマネジメント
腎不全看護 ○疾病の進展予防、合併症の早期発見と症状マネジメント、セルフケア支援
○透析療法における至適透析の実現に向けた支援
生殖看護 ○性と生殖の健康課題に対する、多様な選択における意思決定支援
○患者・家族の検査期・治療期・終結期の安全・安楽・納得を守る看護実践とケア調整
摂食嚥下障害看護 ○摂食嚥下機能とその障害の評価や、評価結果に基づく適切な援助・訓練方法の選択
○誤嚥性肺炎、窒息、栄養低下、脱水の増悪防止に向けたリスク管理
糖尿病看護 ○病期に応じた透析予防、療養生活支援
○身体所見から病態を判断し、インスリンの投与量の調整ができる知識・技術
乳がん看護 ○ライフサイクルの課題を踏まえて、治療に伴う女性性と家族支援
○乳房自己検診、リンパ浮腫等の乳がん治療関連合併症の予防・管理
認知症看護 ○認知症の症状マネジメント
○認知症の病期に応じたコミュニケーション手段提案・意思決定支援及び家族への心理的・社会的支援
脳卒中看護 ○重篤化回避のためのモニタリングとケア
○早期離床と生活再構築に向けた支援
皮膚・排泄ケア ○褥瘡のトータルマネジメント
○地域包括ケアシステムを視野に入れた同行訪問実施とマネジメント

資格取得への道

認定看護師になるには、最低6カ月の通学を必要とします。通学可能な範囲に教育機関が無い場合は学校の近くに住居を借りたり、休職したりと職場のサポートが必須です。病院によって支援内容は異なるので、事前に調べて比較検討してください。

  • 看護師免許の取得

  • 実務研修5年以上(うち3年以上は認定看護分野の実務研修)

  • 認定看護師教育機関(課程)修了(6カ月・615時間以上)

  • 認定審査(筆記試験)

  • 認定看護師認定証交付・登録(5年ごとに更新)

詳しくは公益社団法人日本看護協会ホームページへ

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