【基礎看護学 編 】第114回看護師国家試験はどうなる!?出題予想と攻略法
最終更新日:2024/08/07
この記事では、2025年に実施される「第114回看護師国家試験」の対策方法を、科目別で解説します。今回は「基礎看護学」編です。第113回で出題された基礎看護学に関する問題を分析し、第114回の国試出題予想と攻略法を紹介します。
目次
第113回の「基礎看護学」はどうだった?
第113回の全体的な難易度は?
基礎看護学の問題の難易度は、例年並みだったといえます。看護技術の基本的な手技とその根拠となる知識を理解しておけば、解ける問題が多くみられました。
図を用いた問題は毎年出題されますが、今回は3問と例年より多く、内2問は基礎看護技術に関する滅菌手袋の装着方法(午前No.35)と車いすの移乗(午後No.37)の問題でした。滅菌手袋の装着は、手袋のどこが清潔でどこが不潔であるか、車いすの移乗では、健側を軸として移乗する際の移動方向とその導線をイメージできることなどの原理原則が理解できていれば解ける問題です。
必要な知識を習得するためには、それぞれの看護技術について手順の丸暗記だけではなく「なぜ、そうしているのか。」という根拠を抑えておくことを重視するとよいでしょう。
第112回と比較すると?
第112回は薬物療法、検査に関する穿刺や薬剤・輸血の管理など侵襲のある診療に伴う看護技術からの出題が多かったことに比べ、第113回は光環境(午前No.37)や患者さんの家族への対応(午前No.33)、排泄(午前No.38)、排痰や吸引(午前No.39、午後No.85)など、日常生活援助や診療に伴う基本的な看護技術に関する問題が多い印象でした。
第113回から分析する「基礎看護学」の傾向
前項でも述べたとおり、第113回の基礎看護学の問題の質には大きな変化はなく、難易度は高くないといえます。基礎看護技術に関しては、基本的な手順(基本動作)と、なぜそれを行うのかという根拠を理解しておくことが必要です。
近年、出題頻度が高い問題の特徴は?
例年出題される問題はフィジカルアセスメントや創傷の処置に関する問題です。第113回で出題されたフィジカルアセスメントに関する問題は、心音の聴取部位(午前No.34)、指鼻試験(午後No.34)について問う問題でした。
必修問題と同程度の難易度になりますが、人体の構造と機能の知識を土台とし、バイタルサインの変動要因、心音や呼吸音の特性、神経症状の試験、関節可動域や腱反射などの知識を定着させ、正確な手技を実践と共に習得しておくとよいでしょう。
感染対策や創傷処置に関する問題も毎年出題されています。感染対策や創傷処置は日常的に実践される看護の技術であり、解答するためには基本的な知識と技術の獲得が必須です。
また、計算問題は毎年出題されており、第112回は酸素流量に関する問題、第113回は滴下計算の問題(午後No.90)が出題されました。このほかに計算問題としては、消毒薬等の薬剤の希釈計算があげられます。毎年1問は計算問題が出題されるので、過去出題された計算問題を解けるようにしておくとよいでしょう。
第113回でとくに目立っていた問題
蓄尿(午後No.40)の問題は、第102回に24時間尿の採取方法について出題されて以来、久しぶりの出題でした。尿の生成過程、検査の意味を理解していれば解ける問題ですが、開始時間と終了時間の尿の取扱いに迷った人が多くみられたようです。
また、健康の概念や倫理に関する問題は例年出題されていますが、国際生活機能分類(ICF)について問われたのは、第106回以来でした。人間の健康と生活に対する基本的な概念や、医療・看護における倫理的な問題に直面する社会において、基本となる対象の捉え方が問われたと考えられます。
ここ数年出題されていない問題が出題されることがあることから、昔の過去問を活用していくとよいでしょう。
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【第114回出題予想】「基礎看護学」に関する問題3問
ここで紹介する3つの問題は、例年出題される範囲(フィジカルアセスメント、薬物療法、計算問題)から、昨年度出題されていない内容を選びました。
予想問題1
- 触診は、最初に実施する
- 触診の際は、膝を屈曲させる
- 打診で聞かれる音は、大部分が濁音である
- 痛みがある場合は、聴診は実施しない
腹部のフィジカルアセスメントで適切なのはどれか。
解答・解説をチェック
2
1.(×)腹部では、触診の刺激によって腸蠕動が変化する可能性があるため、触診は最後に実施します。
2.(〇)膝を屈曲させることで腹壁の緊張が軽減します。
3.(×)腹部の大部分はガスを含んだ消化管が位置するため、鼓音が聞かれます。
4.(×)疼痛がある場合でも痛みに影響しないように聴診を行います。
予想問題2
- 看護師は麻薬管理者免許の申請ができる
- 麻薬及び向精神薬取締法で管理について規定されている
- 使用後、アンプルに残った薬液は病棟で破棄する
- 麻薬を紛失したら、麻薬管理者は国に届け出る
麻薬の取り扱いで正しいのはどれか。
解答・解説をチェック
2
1.(×)麻薬管理者の免許は、医師、歯科医師、獣医師、薬剤師が取得できます。看護師はいずれの免許も取得できません。2人以上の麻薬施用者が診療に従事する麻薬診療施設は、麻薬管理者を置く必要があります。
2.(〇)麻薬の取り扱いや管理は、麻薬及び向精神薬取締法で規定されています。
3.(×)アンプルに残った薬液は、必ずその医療施設の麻薬管理責任者に返却することが定められています。
4.(×)麻薬を紛失した場合には、麻薬管理者が麻薬事故届を都道府県知事に届け出ることになっています。
予想問題3
250mg/2mLと表記された注射薬を100mg与薬するために必要な薬液量を求めよ。ただし、小数点以下第2位を四捨五入すること。
解答・解説をチェック
0.8mL
250mg/2mLと表記された注射薬は、2mLの液体の中に250mgの薬剤成分が含まれています。よって、100mgを与薬する場合の薬液の量は250:2=100:Xから求められます。X=2×100÷250=0.8となり、必要な薬液量は0.8 mLとなります。
【第114回攻略法】「基礎看護学」のチェックポイントはズバリここ!
基礎看護学の問題は、必修問題も合わせると配点が多くなります。難易度は高くない問題が多く、看護学の基本的な知識を習得していれば解ける問題がほとんどでしょう。看護技術に関する問題は、基本的な手順(基本動作)となぜそれを行うのかという根拠を理解しておくことが必要です。人体の構造と機能や、疾患の知識が基本的な手順の根拠となっているため、あわせて学習していくと知識の定着につながるでしょう。
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