新人研修で学んだ看取り。
その先に見えたやりがい

　高校1年のときに腫瘍ができ、入院・手術をしました。担当の男性看護師が常に支えてくれたことを機に、将来の夢が消防士から看護師へと変わりました。腫瘍は良性でしたが、がんへの不安を経験したことからがん専門病院を志望しました。東病院は高難度治療から終末期医療まで広く学べることも魅力でした。
　新人研修で印象に残っているのは「看取りの準備教育」です。終末期患者さんの看護について机上で学び、さらに先輩看護師の思いを聞きながらシャドーイングする経験をしました。この学びは、その後の患者さんや家族とのかかわりに大いに役立っています。
　2年目になり、AYA世代の希少がん患者さんを受け持ちました。師長や先輩と相談しながらACPを行い、残された時間をその方らしく過ごせるよう、多職種と協働して準備をしました。患者さんのすべての望みを叶えることはできませんでしたが、入院期間中は患者さんの声に真摯に耳を傾け、精一杯寄り添うことができました。ご家族からいただいた感謝の言葉は、がん看護を実践していくうえで、自分を支える大きな力となっています。
　私は「やると決めたらとことん取り組みたい」と思う性格です。今後は緩和ケアを極めるため、専門看護師を目指したいと考えています。最近は看護研究にも関心が広がっており、将来は専門看護師として、後輩育成や研究を通じて東病院でのがん看護に貢献していきたいです。