看護師の初任給・給与を知ろう
給与は、病院選びや情報収集をするときに判断基準のひとつになる項目です。しかし、病院によって給与の算出方法が異なることや、仕組みを理解していないと入職後にギャップを感じることもあります。給与の仕組みを理解し、比較できるようになりましょう。
給与の基本的な仕組みを知ろう
募集要項の給与欄に記載している金額と、実際に支給される金額とは異なります。まずは給与の基本的な仕組みや考えかたを理解しましょう。
給与(月収)=基本給+各種手当
基本給は、給与の中で基本的な給与のことです。固定の金額を支給されます。各種手当は、夜勤手当・時間外勤務給(時間外手当など)・資格別の手当などのことです。病院によって手当の内容は異なり、出勤内容によって金額に変動があります。
手取り=給与-控除
控除は、所得税・健康保険料・住民税など、税金や各種保険料などのことです。給与が増えればその分控除の金額も増えます。
手取りは、一般的に給与(月収)の約75~80%といわれています。
年収=給与+賞与(ボーナス)
賞与(ボーナス)は、基本給を元に支給額を決める病院が多いです。賞与にも控除が発生します。
初任給の平均額と見るときのポイント
日本看護協会の「 2024年病院看護実態調査 報告書 」を参考にした、学校種別ごとの新卒看護師の平均初任給額は以下です。
| 平均基本給額 | 手当含む平均初任給額 | |
|---|---|---|
| 高卒+専門卒 | 209,697円 | 276,127円 |
| 大学卒 | 215,614円 | 284,063円 |
- ※税込給与総額は、各種手当を含むものとします
- ※夜勤の場合、三交代で夜勤8回(二交代で夜勤4回)勤務したものと想定します
募集要項の給与は基本給か手当込の初任給額か確認しよう
看護師は、夜勤手当や当直手当など、給与に占める各種手当の割合が大きいです。募集要項をみるときは、その金額が「基本給か、税込の総額か」を確認しましょう。
平均初任給額は手当を含めるもの
上の表の右側「手当含む平均初任給額」は、夜勤手当や当直手当などの手当を含むものですが、新卒の看護師が夜勤デビューする時期は病院によって異なります。夜勤が始まるまでは給与のギャップを感じてしまうかもしれません。
手取り額は平均初任給額の約80%
税込給与総額は、夜勤手当や交通費などを含む平均支給額です。ただし、ここから税金や各種保険料が控除されます。一般的に、額面の約20%が控除額といわれているので、平均初任給額の約80%を手取りの初任給だと想定しておくとよいです。
教えて!初任給のギモン
Q. 2年目から手取り額が減るかもしれないってホント?
A.
2年目になると、1年目には控除されなかった「住民税」が控除されるようになるため、手取りの金額が減る可能性があります。
必ず減るわけではありませんが、住民税の控除が加わることは念頭に置いておくとよいでしょう。
病床数・都道府県別の初任給を比較
平均初任給額は病院種別によって異なります。さまざまな切り口から平均初任給額を比較していますが、給与は判断基準のひとつとして捉え、働きたい科や雰囲気など総合的に判断して病院選びをしましょう。
病床数別の平均初任給額
病床数別に平均初任給額をみると、病床数が増えるにつれて金額があがる傾向にあります。しかし、その分業務内容や求められるスキルなどが変わるので、自分に合う働き方ができるかを重視しましょう。
| 高卒+専門卒 | ||
|---|---|---|
| 病床数 | 平均基本給与額 | 平均税込給与総額 |
| 99床以下 | 204,077円 | 268,289円 |
| 100〜199床 | 206,670円 | 272,775円 |
| 200〜299床 | 209,563円 | 275,636円 |
| 300〜399床 | 216,978円 | 284,792円 |
| 400〜499床 | 217,813円 | 287,638円 |
| 500床以上 | 222,575円 | 292,806円 |
| 大学卒 | ||
|---|---|---|
| 病床数 | 平均基本給与額 | 平均税込給与総額 |
| 99床以下 | 209,922円 | 275,956円 |
| 100〜199床 | 211,905円 | 279,723円 |
| 200〜299床 | 215,686円 | 284,152円 |
| 300〜399床 | 223,086円 | 293,551円 |
| 400〜499床 | 223,988円 | 296,125円 |
| 500床以上 | 229,144円 | 301,137円 |
都道府県別の平均初任給額
平均初任給額が最も高いのは千葉県ですが、平均基本給額に関しては大学卒は埼玉県、高卒+専門卒は神奈川県が最も高くなっています。こちらもエリアの相場を知るための参考程度にしましょう。
| 高卒+専門卒 | ||
|---|---|---|
| 都道府県 | 平均基本給与額 | 平均税込給与総額 |
| 東京都 | 218,002円 | 303,621円 |
| 千葉県 | 214,641円 | 300,354円 |
| 神奈川県 | 221,699円 | 298,738円 |
| 愛知県 | 217,105円 | 290,818円 |
| 滋賀県 | 226,379円 | 290,432円 |
| 大学卒 | ||
|---|---|---|
| 都道府県 | 平均基本給与額 | 平均税込給与総額 |
| 東京都 | 223,565円 | 310,531円 |
| 神奈川県 | 228,100円 | 306,721円 |
| 千葉県 | 219,787円 | 305,542円 |
| 愛知県 | 222,313円 | 298,745円 |
| 静岡県 | 225,581円 | 296,611円 |
各種手当
病棟看護師の給与は、基本給だけでなく各種手当によって大きく左右されます。皆さんがよく目にすることになる手当の中から一例をご紹介します。夜勤手当は、働く環境によって大きく異なるのでしっかり確認しておきましょう。
- ・夜勤手当 …
- 夜間に勤務する際に支給される手当
- ・資格手当 …
- 看護師・准看護師・助産師など、自分が所持する資格に対して支払われる手当
- ・役職手当 …
- 看護部長や看護師長、主任、リーダーなど、役職がつくとそれに応じて支払われる手当
- ・通勤手当 …
- 通勤にかかる費用に対して支払われる手当。病院によって、上限金額や利用条件などが異なる
- ・家族手当 …
- 家族を扶養する人に対して、生活費などの補助を目的とした手当。病院によって条件や金額が異なる
看護師は給与に占める手当の割合が一般より高いので、どんな手当があるかを理解しておきましょう
教えて!夜勤手当のギモン
Q. 夜勤手当に関する【72時間要件】ってなに?
A.
患者の安全性確保を目的とした夜間看護体制の整備と看護師自身の夜勤の負担軽減を目的として、夜勤を行う看護師の月平均夜勤時間を72時間以内にする【72時間要件】という制度を設けています。
このルールを守る目安は、交代制別で以下とされています。
- 三交代制:8時間勤務 / 9回
- 二交代制:16時間勤務 / 4.5回
著者情報
ナース専科 就職 運営部
看護学生の就職情報サイト「ナース専科 就職」で、看護学校への就職ガイダンス・オンラインでの就活セミナー・合同就職説明会などを開催し、そこから得た知見に基づいて執筆しています。