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巻末特集 専門領域で活躍する先輩ナース

限られた時間での
クリティカルケア領域であっても
患者さんとご家族に寄り添った
看護を実践

武蔵野赤十字病院
急性・重症患者看護専門看護師

10年間の臨床経験を積み
専門看護師の資格を取得

 新卒で入職した総合病院で配属されたのがICUでした。その後救命救急外来で勤務を重ねる中、院内トリアージを救急看護認定看護師が積極的に実施している当院でトリアージを学びたいという思いにいたり、転職しました。
 当院の救急外来には多くの患者さんがこられるため、限られた時間内で安全を担保しながらトリアージを行っています。経験を積み重ねて初療に自信がついてきた3年目のころ、さらなるレベルアップを目指して大学院へ進学。2021年に急性・重症患者看護専門看護師の資格を取得しました。実は専門看護師を目指したのは新卒3年目なのですが、当時大学院の説明会に参加したところ、そこで学ぼうとする方々との経験値の差を知り、一度断念しています。その後の10年間は現場でERやカテーテル治療をはじめ、多くの技術を習得しました。さまざまな経験を経てからの大学院での学びは、理論やモデルを経験とリンクし自分の中に落とし込むことができたため、この時期に進学できたことは結果として良かったと感じています。
 また、休職せず大学院に通っていたため勤務調整など多くの方々の理解とサポートがあり、感謝しています。

臨床現場のケアだけでなく
教育や相談など院内を横断的に活動

 現在ICUに勤務し、看護実践を通して質の高いケアを提供しながら、新人だけでなくベテラン看護師も含めて、レベルアップを図るための教育的役割を担っています。そのほか院内活動としては、RRS(院内迅速対応システム)部会のメンバーとして救急外来の看護師と協働し、院内トリアージの事後評価のアドバイザーも努めています。さらに研究的視点からは、看護研究推進委員会の委員として看護研究活動も支援しています。
 以前、呼吸不全で経口挿管管理を行い、気管切開を拒否していた患者さんを受け持ちました。ベッドサイドに向かうたびに、「看護師さんだから言うけど」と筆談で心情を吐露してくださいました。無事に気管切開することなく呼吸器を離脱できたのですが、その後「なぜ私に気持ちを伝えてくれたのですか」と質問すると、「ICUにいるときは死を覚悟して、誰の言葉も信じられなかったけど、私を気にかけてくれ、信頼できると思ったから」という言葉を聞いたとき、看護師になって本当に良かったと思いました。
 クリティカルケア領域は、危機的状況下にある患者さんに対して迅速に判断しなければ、患者さんの状況が一変してしまいます。適切に先見性を持って取り巻く環境を俯瞰し、介入すべきポイントを考えています。これまで自分が学んだ理論とモデルを、実践に結びつけることが自分に求められる役割だと実感しています。緊迫した状況であっても、患者さんやご家族に寄り添った看護を提供していきたいと思います。
 私は専門看護師として常に実践家であり続けたいと思うと同時に、研究にも力を入れていきたいと思っています。臨床現場では、看護研究のきっかけとなるさまざまな疑問が存在しますが、1つずつ解明していくことが医療の発展につながると感じています。

武蔵野赤十字病院

[住所]〒180-8610 東京都武蔵野市境南町1-26-1

[TEL]0422-32-3111

Profile プロフィール

救命救急センター・ICU 所属
茨城県出身/筑波大学、東京慈恵会医科大学大学院卒業
2009年卒業後、総合病院の集中治療室、救命外来に勤務。
その後同院に入職し、現在は救命救急センター・ICUに勤務。

患者さんがこれまで生きてきた人生について、苦しかった経験などを事実として記録していくACP(アドバンス・ケア・プランニング)にも取り組んでいる。
24時間患者さんの状態把握を行うICUでは、必要な情報をスタッフ間で共有する。カンファレンスの場だけでなく、必要に応じて連携を図っていく。
生命の危機がある重篤な患者さんに対しては人工呼吸器や補助循環装置など、多くの医療機器の操作や管理が求められる。現場でのニーズが高い人工呼吸器についても新卒者や経験のないスタッフへ向けて、勉強会や動画配信も実施している。

全国から集まる先輩ナースたち

出身地内訳
入職者の出身地内訳:関東67% 北海道・東北13% 九州9% 中国・四国5% 中部5% 近畿1%
2023年入職の当院ナース

先輩からの精神面のサポートで、
不安を解消し看護に取り組む日々

新潟県出身
泌尿器科、婦人科、総合診療科病棟

 急性期から回復期まで多くの診療科を学べること、ライフステージに合わせたキャリア形成ができることが当院を志望した理由です。初めての一人暮らしは不安で、慣れない家事に挫折しそうでしたが、地元の友人とテレビ電話で話したり、入職後仲のいい同期もできたりしたことで不安を解消できました。先輩から生活面や精神面のサポートを受けられたことも心強かったです。今後も臨床の現場を通して学習を深めていきます。