どんな病院があるのか知っておこう
病院は開設者や機能、役割、規模などによって分類されます。自分が働きたいのはどんな病院なのか把握しておくことが大事です。
また、病院と診療所との違い、病床の種類など、病院に関する基本的な知識もおさえておきましょう。
病院の種類(医療機能別)
高度急性期病院
重篤な患者さんを救命し高度な治療を行う
急性期の中でも特に重症度・緊急度が高い患者さんに対し、高度な医療を提供します。救命救急センターやICU、HCUなどを備え、状態の早期安定化を目指して多職種が連携し、24時間365日チームで対応します。看護師には高度なスキルと責任が求められますが、その分、大きなやりがいを実感できます。
急性期病院
急性疾患や重症患者さんに24時間対応
病気の発症後約14日以内が「急性期」の目安です。急性期病院は24時間体制で急性疾患や重症患者さんに対応します。
症状の変化が早く、看護師は常に患者さんの状態を把握し、迅速に対応する必要があります。
高度な知識・スキルが身につく一方で、患者さん一人ひとりにじっくり寄り添うのは難しい環境にあります。
回復期病院
急性期を脱した患者さんを支援する病院
急性期を脱して病状が安定し、身体機能の回復を図るのが「回復期」です。
回復期病院では、合併症予防などの看護ケアをしながらリハビリテーションを行います。
患者さんがご自宅や施設で自立した生活を送れるように、ご家族への介護指導や退院・転院後の生活を見据えた調整を行うことも看護師の重要な役割です。
慢性期病院
長期的な治療を行うための療養型病院
急性期病院や回復期病院を退院後、長期療養が必要な患者さんを受け入れ、再発予防や体力維持を目指しながら自立支援を行います。
高齢者や入退院をくり返す患者さんが多いのも特徴です。
比較的ゆっくりした経過をたどる場合が多く、一人ひとりの患者さんにじっくり向き合って看護を実践したい方に最適です。
ケアミックス病院
急性期と慢性期の両方を備える混合型病院
急性期、回復期、慢性期など複数の機能を併せもち、さまざまな状況に対応するのがケアミックス病院です。
1つの病院で診療から治療、手術後のケア、看取りに至るまで、患者さんの状態に合わせた医療・看護を提供します。
複数の異なる病床があるので、看護師として幅広い経験を積むことができます。
精神科病院
長期的に精神科治療を行うための病院
精神障害や依存症などの患者さんに対して治療を行います。
食事、レクリエーション、入浴の介助も看護師の重要な役割です。患者さんの生活歴を把握し、退院後を見据えた看護の実践が必要とされます。
看護師と患者さんとの対話や関わりの一つひとつが、治療の重要な情報源として活用されます。
診療科の種類
診療科によって学べる看護は異なります。自分は何を学び、どんな技術を身につけ、どのような看護を実践したいのか?
希望する診療科を選ぶときの参考にしてみてください。
内科系
薬物による治療を中心にさまざまな疾患を扱うため、幅広い知識が必要です。
服薬管理、生活習慣の改善、行動変容へのアプローチなど、患者さんの療養生活全般に広く関わります。
外科系
手術による治療が中心であり、術後に刻々と変化する身体の状態に関する知識が必要です。
医師が行う処置の介助や包帯交換、ドレーン管理など技術的なケアも多く、多くの手技が身につきます。
救急
一次・二次・三次救急に分かれ、医療機関ごとの役割に応じた救急治療を行う場です。
重症度を見極めるトリアージ力、緊急度を見極める迅速な判断力、救急処置の知識などが身につきます。
オペ室
患者さんの身体に直接侵襲を加える手術が行われる現場です。
無菌操作の技術、手術を円滑に進めるための物品の準備と管理、医師との連携、患者さんの状態管理を行う力などが身につきます。
ICU
重症度の高い患者さんに対し、24時間の濃密な管理のもと、集中的治療を行う場です。
全身管理を行う力、急変予測のアセスメント力、急変対応の技術力などが身につきます。
小児科
先天性疾患を含め、一般的に15歳までの子どもの病気全般を扱います。
急性期から終末期までにわたる、あらゆる診療科のあらゆる疾患に関する小児看護を身につけられます。
緩和ケア
医師、看護師、薬剤師、臨床心理士などとチームを作り、患者さんと家族の終末期をケアします。
4つの苦痛(身体的、精神的、社会的、スピリチュアル)を緩和しQOLの改善を図ります。
産科
妊娠、分娩を対象とし、妊娠中の母親の経過や胎児の状態を観察し管理します。
特に母子の健康管理と心理的なケアが重要であり、産後のサポートや検診も行います。
重症心身障害児(者)
ほとんどの患者さんが生涯を終えるまで病棟で過ごすため、寄り添う看護が実践できます。
医師・看護師・薬剤師・PT・OT・ST・SW・介護士など多職種が連携し療養生活を支援します。
訪問看護
病院ではなく家で療養するため処置や看護におけるさまざまな工夫が学べます。
利用者の状況に応じたオンリーワンの看護が実践でき、家族やサポート体制もアセスメント対象になります。
「医院」や「クリニック」は診療所の別称として使われることが多いようですが、正確な定義はありません。
著者情報
ナース専科 就職 運営部
看護学生の就職情報サイト「ナース専科 就職」で、看護学校への就職ガイダンス・オンラインでの就活セミナー・合同就職説明会などを開催し、そこから得た知見に基づいて執筆しています。
