当院の特定行為研修一期生として、
集中治療系特定看護師となる
入職後ICU、呼吸器センターを経て、現在はGICUに勤務しながら、特定看護師として、またRRT(Rapid Response Team:急変前に対応する初動チーム)メンバーとしても活動しています。
私が看護師として大切にしているのは、患者さんの願いを支えることです。急性期領域では一刻も早い蘇生が必要なケースもあります。そうした患者さんの「助けてほしい」という願いを叶えたい、正しい判断のもとで対応できる力をつけたいと思い、自己学習を続けてきました。しかし自己学習に限界を感じ始めたころ、タイミング良く当院で特定行為研修が始まりました。一期生として研修を受講し、特定看護師として2021年度から活動しています。
現在は同じ集中治療系の特定看護師と協力して手順書の作成を進めながら、医師からの直接指示による特定行為実践を重ねています。例えば橈骨動脈ラインの確保や脱水の補正など、GICU入室患者さんや病棟でショック状態となった患者さんに実践しています。
特定行為は医師の指導のもとで実践していますが、特定看護師のスキルの向上は必ず患者さんに貢献できると確信しています。医師の到着をもどかしく感じながら見ているだけではなく私たち特定看護師が事前に動脈ラインを確保したり、必要な薬剤を準備したりできれば数十分の時間短縮につながります。患者さんにとって有益となる特定看護師の実践は、看護師としてのやりがいや存在意義も強く感じることができます。
より良い医療を提供するため、
集中ケア認定看護師を目指す
特定行為研修では解剖、病態、薬理、フィジカルアセスメントなど医学的な視点からどう対応するかを学び、私自身にできることが格段に増えました。そして今年度は、集中ケア認定看護師のカリキュラムに参加します。GICUやRRTで患者さんにより良い医療を提供するためには、医学的な視点と看護師の視点が重要だと感じたからです。看護師には患者さんへの苦痛の配慮、共感的姿勢でのかかわりや病棟マネジメントなど、看護師だからできることがたくさんあります。そのような看護の魅力を後輩に伝え、全員でより良いケアが実践できる環境づくりに取り組みたいと思っています。集中ケア認定看護師資格取得の学習には看護管理の分野があるため、人材育成や組織の成果をあげるための知識をしっかりと吸収し、役立てていきたいです。スタッフ1人にできることは限られていますが、みんなで協力すれば大きな力になると信じています。
GICUの看護チームは、患者さんへのより良いケアを常に追求している組織です。1日も早い回復に向け、疾患や術式、患者さん本人や家族の思いなどを総合的にアセスメントし、ガイドラインや参考文献に基づいた戦略的な看護介入を実践しています。そんなGICUの先輩方が集中ケア認定看護師として専門性を発揮し、生き生きと活躍している姿にとても刺激を受けました。私も特定看護師、認定看護師として活躍する姿を後輩に見せ、ロールモデルとなれるよう活動していきます。


