THE LEADING NURSE[リーディングナースTOPに戻る]

神奈川県北里大学病院

〒252-0375 神奈川県相模原市南区北里1-15-1

042-778-8111

GICU(2007年入職)
鈴木 壯さん(右)
静岡県出身 山梨県立看護大学短期大学部卒業

特定行為研修を受講して気づいた
「看護師だからできること」の重要性。
看護の魅力を後輩にも伝えていきたい

当院の特定行為研修一期生として、
集中治療系特定看護師となる

 入職後ICU、呼吸器センターを経て、現在はGICUに勤務しながら、特定看護師として、またRRT(Rapid Response Team:急変前に対応する初動チーム)メンバーとしても活動しています。
 私が看護師として大切にしているのは、患者さんの願いを支えることです。急性期領域では一刻も早い蘇生が必要なケースもあります。そうした患者さんの「助けてほしい」という願いを叶えたい、正しい判断のもとで対応できる力をつけたいと思い、自己学習を続けてきました。しかし自己学習に限界を感じ始めたころ、タイミング良く当院で特定行為研修が始まりました。一期生として研修を受講し、特定看護師として2021年度から活動しています。
 現在は同じ集中治療系の特定看護師と協力して手順書の作成を進めながら、医師からの直接指示による特定行為実践を重ねています。例えば橈骨動脈ラインの確保や脱水の補正など、GICU入室患者さんや病棟でショック状態となった患者さんに実践しています。
 特定行為は医師の指導のもとで実践していますが、特定看護師のスキルの向上は必ず患者さんに貢献できると確信しています。医師の到着をもどかしく感じながら見ているだけではなく私たち特定看護師が事前に動脈ラインを確保したり、必要な薬剤を準備したりできれば数十分の時間短縮につながります。患者さんにとって有益となる特定看護師の実践は、看護師としてのやりがいや存在意義も強く感じることができます。

より良い医療を提供するため、
集中ケア認定看護師を目指す

 特定行為研修では解剖、病態、薬理、フィジカルアセスメントなど医学的な視点からどう対応するかを学び、私自身にできることが格段に増えました。そして今年度は、集中ケア認定看護師のカリキュラムに参加します。GICUやRRTで患者さんにより良い医療を提供するためには、医学的な視点と看護師の視点が重要だと感じたからです。看護師には患者さんへの苦痛の配慮、共感的姿勢でのかかわりや病棟マネジメントなど、看護師だからできることがたくさんあります。そのような看護の魅力を後輩に伝え、全員でより良いケアが実践できる環境づくりに取り組みたいと思っています。集中ケア認定看護師資格取得の学習には看護管理の分野があるため、人材育成や組織の成果をあげるための知識をしっかりと吸収し、役立てていきたいです。スタッフ1人にできることは限られていますが、みんなで協力すれば大きな力になると信じています。
 GICUの看護チームは、患者さんへのより良いケアを常に追求している組織です。1日も早い回復に向け、疾患や術式、患者さん本人や家族の思いなどを総合的にアセスメントし、ガイドラインや参考文献に基づいた戦略的な看護介入を実践しています。そんなGICUの先輩方が集中ケア認定看護師として専門性を発揮し、生き生きと活躍している姿にとても刺激を受けました。私も特定看護師、認定看護師として活躍する姿を後輩に見せ、ロールモデルとなれるよう活動していきます。

左はGICUの後輩・相馬さん。相馬さんにとって鈴木さんは、ロールモデルであり、頼りになる先輩。「先輩方は特定看護師や認定看護師の資格取得、RRT/RSTを兼務するなど、自身のキャリアアップを図り病棟全体に影響を与える存在で、本当に尊敬しています。就職前は専門看護師や認定看護師の資格取得を考えていましたが、就職してからRRT/RSTや特定行為など、より臨床の場で患者介入を行うための知識や技術を持つ先輩方を見ることで、広い視野で自分のキャリアを考えてみたいと思うようになりました」と相馬さんは話す。
患者さんの入室に備えて、相馬さんに指導を行いながらモニター設定の準備をする。
特定看護師の黒岩指導医(右)に、ドップラーエコーを用いたA ライン留置の手技復習を依頼する。

集中治療の中で
特定看護師に求められるスキル

 特定行為区分の呼吸器関連や循環作動薬、水分や栄養に係る薬剤や鎮痛鎮静薬の調節など、多くの行為は集中治療に関連します。日々のケアで医師から包括指示のもとに投与量調整などは行いますが、それはあくまでも医師から与えられたアルゴリズムに従った行為にすぎません。
 特定看護師に求めるスキルは、同じような状況でも病態を推論しアセスメントをしたうえで、投与量などを調節する力です。ある事象に「なぜだろう」という思考力を働かせ、自分なりの解を求めることで、同じ医療行為をしていてもその腹落ち感が違います。それを周囲の同僚や医師などへ共有したり議論したりすることで、より質の高い医療につながると思います。

集中治療センター 医師
黒岩 政之さん

全国から集まる先輩ナースたち

出身地内訳
入職者の出身地内訳:関東76% 九州・沖縄9.2% 中部4% 北陸4% 北海道3.1% 中国・四国2.1% 近畿0.8% 東北0.8%
2021年度採用者

身近にスペシャリストがいる良い環境で
確実な看護力を身につけたい

秋田県出身
GICU
相馬 遥奈さん

 就職の際は向上心を持って働ける環境かを重視し、チーム医療が盛んでさまざまな立場から患者さんに介入できる当院を選びました。知らない土地での就職に不安はありましたが、当院は全国から人が集まるため同じ不安を抱く同期も多いとわかり、安心しました。GICUには認定看護師や特定看護師も在籍しており、先輩方の高度なスキルに刺激を受ける毎日です。確かな知識・技術を身につけるため、日々の業務はもちろん、症例報告や学会への参加にも力を注ぎ頑張っています。