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巻末特集 専門領域で活躍する先輩ナース

大川 真由さん

大切にしているのは
看護師としての原点。
患者さんに寄り添い続ける
自分でありたい

湘南鎌倉総合病院
手術看護認定看護師

真由さん

患者さんの尊厳を守る
手術室看護師を目指す

 「手術室看護師になりたい!」そう志したのは実習先でのある看護師との出会いがきっかけでした。その看護師は全身麻酔下で意識のない患者さんの人としての尊厳を守り、医師から信頼され円滑に手術が進行するように看護業務を行っていました。手術室看護師としての熱い思いに触れ憧れを抱くと同時に、手術を受ける患者さんに寄り添う看護師になりたいと心に決めました。
 卒業後入職した先はがん専門病院の手術室で、3年間手術看護についてひたすら学び、基礎的知識・技術の習得に努めました。その後がん以外の疾患に対する手術療法にも興味を持ち、断らない医療を掲げ心臓血管外科手術の症例数が多い当院に転職しました。昼夜問わずたくさんの患者さんの手術に携わり、またさまざまな経験を持つ同僚とかかわる中でより手術看護の質を向上させたいと思うようになり、手術看護認定看護師の資格を取得しました。教育課程で学んだ知識を還元するだけでなく、スタッフの努力が安全・安心な手術の提供につながることを伝えながら人材育成に務めています。スタッフが自律していく過程を支えることが大きなやりがいになっています。
 2019年に手術室の副主任を拝命し、手術室内だけでなく病院全体に視野を広げるようになりました。当院の大きな取り組みとして、2020年度より日本看護協会が推進している特定行為に係る看護師の研修を開講し、現在受講中です。これは看護師の役割をさらに発揮するための制度で、医療行為を行うことが目的ではありません。研修中に常に考えるのはやはり患者さんのことです。現在学んでいる知識や技術をどのように患者さんへ還元していくかが重要です。さらにスタッフのロールモデルとしての役割も担っていければと思います。現在、新型コロナウイルスの関係で総合内科病棟へ出向勤務となりました。看護師資格取得後継続して手術室勤務であったため、病棟経験はありません。戸惑うことも多いですが、部署や診療科が変わっても患者さんの立場に立ち、必要な支援を行うという看護の基本は変わらないことに改めて気づきました。

手術のその先を見据えて
患者さんとかかわりたい

 そんな私の看護師人生の中で忘れられない患者さんがいます。その患者さんは両側の人工膝関節置換術を受けた70歳代の女性です。手術療法において感染予防は非常に重要となりますが、この方は糖尿病を既往に持ち、かつ血糖コントロール状況が不良でした。このまま手術をしても感染してしまうのではないかと思いながら術前訪問に伺いました。患者さん自身も感染予防や血糖コントロールの重要性を理解していましたが、なかなか実践できない理由が明確になりました。患者さんは「元気になってまた大好きな登山をしたい」と仰って、私の説明に熱心に耳を傾け、行動変容していく姿を目にしました。手術を終えることが目標でなく、その先にある生活を見据えたかかわりの重要性を気づかせてくれました。
 患者さんは悩んだり迷ったりしながら、手術を受けるという「大きな選択」をしています。私たち手術室看護師は、患者さんの選択が間違ってなかったと実感できるように支援していくことが重要です。今後も患者さんに寄り添いたいと志した原点を忘れずに、努力を重ねていきたいです。

湘南鎌倉総合病院

[住所]〒247-8533 神奈川県鎌倉市岡本1370-1

[TEL]0467-46-1717

Profile プロフィール

おおかわ まゆ

中央手術室・副主任
東京都出身・国立看護大学校卒業
国立病院を経て看護歴4年目に同院へ入職。2018年に手術看護認定看護師資格を取得。院内外での教育活動に取り組むほか、2019年より副主任として看護の質向上に務めている。

病棟でも手術室でも、多職種連携のチーム医療が行われている。打ち合わせやディスカッションでは、これまでの学びの蓄積に基づいた論理的意見を、多職種にもわかるように伝えることが大事だ。
病棟でも手術室でも、多職種連携のチーム医療が行われている。打ち合わせやディスカッションでは、これまでの学びの蓄積に基づいた論理的意見を、多職種にもわかるように伝えることが大事だ。
手術室で器械出しを担当する大川さん。術式の内容と展開を熟知し、医師の次の一手を読み取りながらテンポよく行う。
手術室で器械出しを担当する大川さん。術式の内容と展開を熟知し、医師の次の一手を読み取りながらテンポよく行う。
術前麻酔科外来では患者さんの不安を少しでも軽減するため、物品を用いて理解が深まるよう心がけている。
術前麻酔科外来では患者さんの不安を少しでも軽減するため、物品を用いて理解が深まるよう心がけている。

全国から集まる先輩ナースたち

出身地内訳
入職者の出身地内訳:関東31% 九州・沖縄21% 北海道・東北19% 東海9% 中国・四国9% 近畿6% 甲信越・北陸5%
2020年入職の当院ナース

気持ちが伝わる看護をして
患者さんを支えていきたい

新潟大学出身
消化器外科病棟
伊藤 綾香さん

 地元よりも最新技術に触れることができ、視野が広がると考え関東での就職を希望しました。実家を出て初めての一人暮らしだったので、生活・仕事・人間関係など不安は尽きませんでした。けれども、看護師としてのスタートを妥協しては自分を信じられなくなるように感じたため、地元を離れての就職を決めました。働き始めると何もかもが大変で、実習とは違うことにとまどいもありましたが、先輩が厳しくも優しくしっかりと教えてくれるので、自分なりの看護を考えられるようになったと実感しています。