歯学部との口腔ケア研修など
当院独自の充実した教育体制
梶谷 今年は新型コロナウイルス感染症の影響で、例年通りの研修ができず大変だったと思いますが、どうでしたか。
寺島 集合研修はありませんでしたが、OJTや少人数研修などが充実していたので、しっかり学べました。特に歯学部口腔保健衛生学科教員による口腔ケアの研修がとても役立っています。また、他部署の同期と状況を語り合える場を設けていただいたのもありがたかったです。
梶谷 それを聞いて安心しました。寺島さんにとって一番大変な時期はいつでしたか。
寺島 入職して3カ月頃です。患者さんの受け持ちが始まり、疾患の勉強や身につけなければならない手技が重なってどれも思うように進まず、すっかり自信をなくし、体調を崩して休んでしまいました。プリセプターに相談したところ、悩みを真剣に受け止めてくれ「これからも私がサポートするから」と言ってもらえました。ほかの先輩たちや副師長、師長からも「よくやっているよ」と励ましてもらえたことがすごくうれしく、立ち直ることができました。
梶谷 私も新入職時からICUだったので、勉強の多さと学んだことを患者さんのアセスメントに結びつけていくことの大変さは、とてもよくわかります。寺島さんを始め新人たちは責任感が強く、勉強も頑張っていると思います。実際の看護の場面と勉強したことを現場で生かせるような糸口を、私たちが一緒に考えていくことが大切だと感じています。
医師やMEなど他職種にも
気軽に相談できる環境
梶谷 最初に見た寺島さんは、あがり症で緊張しがちというイメージでした。でも今では患者さんとかかわる時、アセスメントしなければいけないことを考えた声かけをしていて、看護師として必要な視点を持てるようになってきたと、成長ぶりに感心しています。今の寺島さんの課題は何ですか。
寺島 まだ受け持ち患者さんは1人で、先輩に手伝ってもらっている状況です。まずは患者さんをきちんと観察し、自分で判断できる自立した看護師になることです。そのためにしっかり勉強して、アセスメント力を身につける必要があると思っています。
梶谷 寺島さんは責任感が強いので、できないことに目がいきがちですが、私たちも「ここはできているよ」と声をかけ、自信をつけてもらえるようにしているんですよ。ところで寺島さんから見て、このICUの良さはどのようなところだと思いますか。
寺島 別の病棟の同期は、この時期に6~7人の患者さんを受け持っていますが、私たちは最大でも2人なので、患者さんを丁寧に観察できるという点が強みだと思います。その分難しさもありますが、わからないところは先輩が丁寧に教えてくれるので、いつでも助けてもらえる安心感があります。
梶谷 看護師の先輩だけでなく、医師やMEなどにも質問できる、指導者が揃っているところも当ICUの良さですね。1年目でもいろいろな疾患の患者さんを受け持ち、勉強したことを現場で実践できるので、知識が定着しやすいと思います。寺島さんの今後の成長を見守っています。



