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Special Topic 1 看護部長インタビュー [トップが語る学生へのメッセージ]

高度急性期医療と地域連携。
この役割を両輪とする当院で
「温かな心のこもった看護」を
提供してほしい

東京医科大学病院

副院長・看護部長

朝子さん

2019年7月、新病院がオープン。
機能を拡充し高度急性期病院へ

新病院のオープンに伴い、役割や機能面ではどのような変化がありましたか。

 高度で安心・安全な医療を提供する特定機能病院、三次救急指定病院、さらに大学病院としての役割は変わりありませんが、診療機能の拡充と効率化を推進し、救急医療、がん医療、脳卒中診療、心臓病診療、周産期医療などを強化しました。
 病床数は1015床から904床と縮小していますが、集中治療部門(ICU、CCU、SCU)、周産期部門(NICU、GCU、MFICU)などは増床し、より高機能の超急性期病院の役割が強くなっています。
 一方、当院は東京の西新宿という都心にありますが、ここは古くから暮らしている方々も多くいる地域であり、高齢者の一人暮らしが多くなっています。医療が病院完結型から地域完結型に移行し、「時々入院、ほぼ在宅」を実現するためには、地域との連携は不可欠です。そのため当院も地域と患者さんをつなぐ、円滑な連携を実現する役割がより強くなっていると感じています。

看護面での変化、新しい取り組みはありますか。

 地域連携という点では年に数回、地域のケアマネジャーや訪問看護師との連絡会、勉強会、研修会などを積極的に企画し、開催しています。また専門看護師や認定看護師が開催する領域別の勉強会は、地域の医療者に好評です。地域の看護職者の力を借り、患者さんの退院後も見据えた継続看護ができるような教育をしていきたいと考えています。

きめ細かい新人教育には定評がありますが、特に力を入れていることは何ですか。

 新人教育に限りませんが、当院の看護教育の特徴はアクティブラーニングです。なるべく座学を少なくして、シミュレーションやチームビルディングを多く取り入れ、自分で考えると同時に、チームづくりやチームの一員としての意識を持てるようなプログラムを用意しています。
 当院には日本全国から新人が集まります。集合研修では仲間づくりができるように研修のたびにグループを変え、いろいろな部署の人と会話できるようにしています。「研修のたびに仲間が増えた」という声をよく聞きます。
 また6月に実施している1泊2日の宿泊研修も、とても評判が良いです。研修の目的は、コミュニケーション能力を養ったり、チームの中での役割分担やリーダーシップを培ったりすることですが、病院を離れ、新人同士で悩みを語り合うことですごくリフレッシュできるようです。研修後の新人たちの表情が、とても明るくなることからも効果がわかります。

新人へのメンタル面のサポートも、手厚くされているそうですね。

 各部署では看護師長や主任をはじめ、指導係、プリセプターが常に新人をサポートし、見守っています。病棟全体で新人を気にかけ、看護技術や疾患の知識だけでなく、メンタル面もしっかりサポートしています。
 また病棟以外にも、看護部の専任の教育担当者が新人と面談する機会を設けています。さらに臨床心理士に相談できる場もあり、どちらも新人にとっては部署以外の人なので、気軽に相談しやすいようです。もちろん相談内容の秘密は守られていますし、部署でなければ解決できないことは本人の承諾を得て、看護部や部署の上司と情報を共有し、早期に解決することを心がけています。

学習環境とキャリア支援を利用し、
目指す看護を実現してほしい

2年目以降の教育、キャリアアップ支援について教えてください。

 クリニカルラダーに沿ってさまざまな研修が行われているので、個々の成長に合わせた研修が選択できます。専門・認定看護師が開催する専門領域の勉強会、病院や大学が行う研修など、数多くの勉強会や研修会が開かれており、勉強したい人にはとても恵まれた学習環境です。
 ある程度、自分の実践したい看護が見えてきたら、学費の補助が受けられる「キャリアアップ支援制度」を利用して、専門看護師・認定看護師の資格を取得するなどさらにステップアップしてほしいですね。

看護部長が貴院の看護師に求めるものは何ですか。

 看護理念は「温かな心のこもった看護」の提供です。これを実現するためには、知識や技術に裏付けされた現場力が必要です。ですから私は現場力をとても大切にしています。高度医療を提供する当院で、瞬時にいろいろなことを求められる現場にあっても、それに対応できる柔軟性を求めています。
 当院には、「人に関心がある人」に入職してほしいです。話をするのが上手でなくても、人の話をしっかり聞ければ良いのです。それは人に関心がないとできませんよね。
 また、身だしなみや言葉遣いといった接遇も重視しています。病院が新しくなり、目標のひとつにも接遇があげられています。看護師の接遇に力を入れ「看護で選ばれる病院」になりたいと思っています。

就職活動を行う学生へのアドバイスをお願いします。

 就職活動をする時は、「ここに私がいて、この人たちと一緒に働いていけるのか」という視点で、常に「私は」という一人称で職場を見てほしいです。そのためにはインターンシップなどに参加し、実際の先輩と後輩とのやりとりを聞いてみてください。現場では恰好はつけられないので、当院のインターンシップでは、ありのままの現場を見てもらっています。
 私たちから見ると、学生の皆さんは自分が思っている以上に可能性がたくさんあります。その可能性をできるだけ伸ばすお手伝いをするのが、私たちの義務であり、役割だと思っています。一人ひとりの可能性を伸ばし、成長させてあげたいという気持ちでいるので、ぜひ一緒に「温かな心のこもった看護」を実践していきましょう。

清田 朝子さん

東京医科大学病院

[住所]〒160-0023 東京都新宿区西新宿6丁目7-1

Profile プロフィール

きよたあさこ

聖母女子短期大学卒業後、日本医科大学附属病院に就職。約10年間病棟勤務の後、東京医科大学病院へ。小児外科、血液内科病棟等で看護師長を経験し2008年教育担当副看護部長。2014年、東京医科大学茨城医療センター看護部長を経て2018年3月より現病院看護部長。

清田 朝子さん
看護部長が看護師を長く続けてこられたのは、「生まれる時、手術を受ける時、亡くなる時など患者さんの大切な人生のイベントに立ち会える貴重で稀な仕事だから」と言います。病院で出会ったたくさんの人たちとの時間を大切にしてきた結果が、今の自分につながっているそうです。

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