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Special Topic 1 看護部長インタビュー [トップが語る学生へのメッセージ]

正確な臨床判断・看護実践能力を
養える教育で、
患者さんの些細な変化にも対応できる
「気づき」の眼を持った看護師を育成

関西医科大学附属病院

看護部長

里香さん

グループワーク中心の研修と
チーム全体で新人を支える環境

貴院の果たす役割と、その特徴についてお聞かせください。

 関西医科大学は、附属病院、総合医療センター、香里病院、くずは病院の4病院を有し、高度急性期医療から回復期医療まで、京阪沿線の人々の健康を守る医療を提供しています。
 その中で、附属病院は大阪府にある7つの特定機能病院のひとつで、がん診療拠点病院、高度救命救急センター、総合周産期母子医療センター、災害拠点病院など、北河内二次医療圏の中核病院としての使命を担っています。大学病院として求められる最先端の医療の提供だけでなく、地域に開かれた病院として、地域の方々の健康的な生活を支える医療にも取り組んでいます。

看護部の理念に込められた思いはなんでしょうか。

 当院は大学の建学の精神である「慈仁心鏡」、慈しみ・めぐみ・愛を心の規範とした安全で温かい医療の提供を基本姿勢とし、すべてのスタッフが専門職としての自覚を胸に医療・看護を提供しています。
 看護部の理念は「患者さんの意思を尊重し、心の通い合う創造的で質の高い看護を提供する」こと。それをもとに5つの基本方針を掲げています。
 Sincerity(誠実・誠意)、Mildly(やさしく・穏やか)、Innovation(革新・刷新)、Life-giving(生活・活力)、Expert(エキスパート・専門)。それぞれの頭文字を取った「SMILE」をキーワードとして、個々の看護師が目標に向かって、笑顔を絶やさず頑張れる職場環境づくりを目指しています。

その理念を実践するための看護師に必要な資質はどうお考えですか。

 患者さんの些細な変化にも対応できる「気づき」の眼を持った看護師を育成したいと考えています。患者さんの尊厳を守り、安全で質の高い看護を提供するためには、倫理観や実践力を身につけることが必要ですが、看護師は医療チームの調整役として、他職種の専門知識を患者さんの生活に融合させる役割を担っています。チーム医療の場面でも個々の看護師が自分の考えを伝え、お互いの「気づき」を尊重した良好なチームワークを築ける人になってほしいと思っています。

看護師の基礎を築くための新人教育について教えてください。

 当院では卒後臨床研修センターに看護実践支援部門を設置しており、新人が能力を伸ばしていける教育計画を立てサポートしています。看護技術は、大学のシミュレーションセンターで、実践に即した技術を習得できることも特徴です。グループワーク主体の集合研修は勤務時間内に設定され、新人の負担を軽減できるよう配慮しています。
 各現場では、固定チームナーシングの看護体制の中で新人を育成していきます。比較的年齢の近いお姉さん役のシスターが、相談役として精神面のサポートを行い、技術面は実地指導者を中心にチーム全員で新人を育てる屋根瓦方式を取り入れています。指導する側も負担がかからない体制が取られています。
 木が高く伸びるためには太く、しっかりと根を張ることが欠かせません。これは看護師の教育にも言えることです。患者さんの大切な命を守る仕事だからこそ、それを支える技術や知識の習得を万全の態勢で整えていきたいと、私たちは考えています。

2年目以降の教育体制の特徴はどんなところでしょうか。

 教育はレベルⅠ~Ⅴまでのクリニカルラダー制度を導入し、個々の目指す看護をサポートするためのキャリア開発体制を構築しています。各領域の専門・認定看護師と教育委員会で研修を企画し、知識だけでなく実践力を身につけられる内容となっています。
 またキャリアアップ支援にも力を入れ、認定看護師を目指して教育課程に行く場合は、出張扱いで基本給が保障されています。大学院進学は休職制度を利用し進学が可能です。資格取得後は、臨床現場での専門的なケアの実施やスタッフへの教育など、資格を生かして活動できる環境を提供しています。

看護の仕事は生涯勉強
資格取得がゴールではない

病棟での取り組みや、職場の雰囲気を教えてください。

 現場では組織を活性化させるため開院以来「フィッシュ哲学」を導入し、基本方針にも掲げている「SMILE」を実践しています。病棟に「ありがとうカードケース」を設け、各自がひとつ「ありがとう」を伝え、病棟に掲示するなど、さまざまな取り組みを通じて、生き生きと楽しく看護が実践できる環境づくりを行っています。
 当院は全国から看護師を採用していますので、ご両親にとっては看護師としてちゃんと働けているのかご心配されていると思います。そこで、暑中見舞いに新人看護師の近況を記し、ご両親へ送らせていただいており、大変喜ばれています。
 また患者さんや他職種にも新人であることがわかるよう、ユニフォームの襟に「ぴよちゃんバッジ」をつけているので、病院全体で温かく新人を見守る環境があります。

就職活動を行う際のアドバイスをお願いします。

 学生時代は、しっかり勉強すると同時に、看護師の仕事を理解することも大切です。安定している職業だから、急性期看護にあこがれているからという理由だけでは、看護の仕事は続けられません。自分が本当にやりたい仕事か、どんな看護師を目指したいかを考えて就職活動に臨んでください。
 インターンシップに参加することは良いことだと思います。複数の病院を見学すると、それぞれの病院の特徴が見えてくるはずです。そこで自分が働く姿をイメージできるか、自分のやりたい看護を実践できるかを考えて、病院選びを行ってほしいと思います。

最後に学生さんへメッセージをお願いします。

 私自身の看護観は、患者さんを中心に物事を考えること、周囲に気配りができることです。「気づき」は看護の始まりです。さまざまな知識を習得し、多くの引き出しを持つことでアセスメント能力が養われ、実践力につながります。周囲への気配りを忘れず、温かな心で患者さんに寄り添うことを心がけてください。看護の仕事は生涯勉強です。看護師の資格を取得したことがゴールではなく、新たなスタートです。常に学ぶ姿勢を持ち、社会情勢を意識して自己研鑽していくことが求められます。私たちは学ぶ意欲のある皆さんを応援します。当院で自分自身のキャリアプランを一緒に考えましょう。

島村 里香さん

関西医科大学附属病院

[住所]〒573-1191 大阪府枚方市新町2-3-1

島村 里香さん
臨床現場では、看護学生の教育機関として多くの学生を受け入れ、長い歴史の中で温かく見守っています。教育と臨床が連携を図り、実践を積むことで看護の本質を学べるよう支援しています。ライフスタイルの変化だけでなく、急性期以外に在宅看護を学びたいなどスキルアップを希望する場合も、4病院間の異動が可能です。自分のキャリアプランや目的に合わせて選択できる環境が整っています。