一般病棟で経験を積み、
緩和ケア病棟で看護の専門性を追求
当院に入職した理由は、実習で貴重な経験ができたこと、専門病院として人を育てるという厳しさの中に優しさがあると感じたことでした。実習先で1年目の看護師がどう指導されているかを見てきましたが、当院は一番のびのびとしていました。もちろん厳しく指導する場面もありますが、そのぶんフォローもしっかりしてもらえる。その印象は入職後も変わることなく、看護師にも医師にも意見や思いを尊重し、人を育てていこうという文化が根付いているのだと感じます。
現在の緩和ケア病棟での勤務は今年で3年目。以前から希望していた部署で、治療期の病棟で経験を積み、入職4年目に異動しました。緩和病棟というと看取りのイメージが強いかもしれませんが、当病棟は症状をコントロールして自宅や地域に戻れるような支援をするところに特徴があります。異動して1年が過ぎた頃に担当した80代の患者さんの退院では、家族の不安を解消するために、高齢の夫婦でどこまでできるのか、患者さんのために何が必要なのかをひとつひとつ調整し、実際に退院できた時の患者さんの嬉しそうな姿がとても印象的でした。昨年は病棟内でも業務改善が進み、ベストプラクティス研修で退院調整ができるシステムの整備に取り組みました。自宅退院率も19%から約30%に上がり、成果が達成感にもつながっています。
今後は老老介護や認知症の方など意思決定が難しいケースがますます増えていきます。当院の多くのロールモデルを参考にしながら、そうした方々を支援できる老人看護専門看護師になることがこれからの目標です。
