Special Topic 2
[卒後研修からキャリアアップまで]
教育研修制度
社会福祉法人 三井記念病院
住所:〒101-8643 東京都千代田区神田和泉町1
TEL:03-3862-9236
ゴール(目標)に向かってさまざまな資料をファイリングしていくポートフォリオ。この教育方法を、三井記念病院の看護部では2007年から導入した。今では「ポートフォリオといえば三井記念病院」と言われるくらい、そのイメージが内外に浸透している。
入職すると同院看護部は、一冊のファイルを支給する。看護師は、年次ごとに目標を設定し、そこに向かって日々「できたこと」や目標達成のための「学習資料」「看護メモ」など、さまざまな「自分にとって必要なもの」をファイルしていく。
同院独特の個性が光るのは、この「自分にとって必要なもの」が多岐に渡ることだ。例えば、患者さんの病態を理解するために懸命にまとめたノート、給料明細、患者さんからの手紙、新人時代にもらった先輩からの励ましの言葉が書かれたメモ、楽しい思い出の写真などなど。実は、これらは全て「振り返った時に、自分を元気にしてくれる大切なもの」ばかりだ。
目標達成までのプロセスを自己管理し、自主的な学習を重ねていくには、楽しくないと続かない。看護の仕事はつらく大変なこともあるが、懸命に取り組んだ結果をファイルし、後に振り返ると、壁を乗り越えたことを実感できる。「今の自分に必要なもの」は「成長した自分」を確認し、新たな活力や自信を生み出すのだ。同院のポートフォリオは、看護の力とともにモチベーションを高める教育方法でもある。