エルダーナースとして
新人を励ますイベントを企画
埼玉医科大学短期大学から、保健師の資格を取得したくて大学に編入しました。短大卒業と同時に看護師の資格を取得したので、大学に通いながら当病棟でアルバイトをしていました。そのときから、ここにはモデルとなる先輩がたくさんいることや、男性看護師も多く、病棟のスタッフ同士の仲もよく、とても働きやすい職場だと実感していました。大学卒業後の入職時にも、迷わず当病棟を選びました。
当院では入職2、3年目の看護師が、新人たちの精神的なサポートをする、エルダーナースという役割を担います。私も新人の頃はエルダーナースによく支えてもらいました。自分がエルダーナースになったとき、担当の新人にサプライズを企画することになりました。
頑張っている新人を励まし、ずっとここで働いてもらいたくて、サプライズとして思いついたのが、賞状の形をしたケーキでお祝いすること。当日はケーキの上に書かれた言葉を読み上げ、その後、みんなでケーキを食べました。楽しい時間を過ごし、新人も喜んでくれて「やってよかった」と、今でも忘れられない思い出になっています。
「辞めたい」と思ったときには、必ず
「続けたい」と思えることに出合えた
新人として入職しましたが、アルバイト経験があるので、周りの人には「他の同期よりもできて当然」と見られていると思っていました。そのプレッシャーをなんとか跳ね返したくて、朝早く出勤し、補充をしながら物品のことを覚え、疾患についても一生懸命に勉強しました。
しかし、頭の中では理解しているつもりでも、それがうまくケアに反映されず、しっかり確認したつもりでも漏れがあって、ミスをすることもありました。完璧にできない自分が情けなくなり、「辞めたい」と思うこともありました。
ところが、「辞めたい」と思うときに限って、必ず「もう少し続けてみよう」と思うことに出合えるのです。例えば、患者さんからの「ありがとう」という言葉だったり、思い描いていた通りの介助ができたり。今ではあのときに辞めなくてよかったと思っています。
患者さんへの先輩のケアを見て
看護の本質に改めて気づいた
1年目は自信がなかったケアや業務も、2年目になると一通りのことができるようになってきます。
そうすると今度は、高度な急性期医療や難しい疾患ばかりに目が行きがちになり、患者さんを「管理している」ような気持ちになってしまう瞬間がありました。
しかし、保清ケアを大切にし、意識のない患者さんにもしっかり声かけをしている先輩の後ろ姿を見て、看護の本質を忘れてはいけないという気持ちになりました。今は、ご家族が面会に来た際、患者さんから石鹸の香りがするぐらいきれいにしてあげたいと思いながら、機械浴や足浴、清拭をしています。
将来は保健師の資格を生かして、地域で働きたいと思っています。脳血管障害は要介護となる原因の大半を占めているので、ここでの知識や経験が役立つと思います。さらに幅広い看護ができるように、他病棟の看護も経験し、看護の視野を広げていくことがこれからの目標です。
