> 東京都立病院 大塚病院(上野 真弓さん) | 看護部長インタビュー 2018年度

THE LEADING NURSE

SPECIAL TOPIC 1 看護部長インタビュー [トップが語る学生へのメッセージ]

SPECIAL TOPIC 1

[トップが語る学生へのメッセージ]
看護部長インタビュー

都立病院という大きなフィールドで、
自ら学び続ける看護師として
成長してほしい

東京都立病院 大塚病院

看護部長

真弓さん

確実にステップアップできる
教育プログラムを構築

都立病院はどんな役割を担っているのでしょうか?

 東京都では総合病院5、小児病院1、精神病院1、神経難病専門病院1の8病院と、2つの療養・医療施設を設置し、幅広い医療と看護を提供しています。都立病院は「行政的医療」を都民に適切に提供することを目的とし、感染症医療や精神科救急医療、災害時医療など、法令に基づいて対応が求められる医療の提供や、ニーズが高く高度な医療水準を必要とされる医療、新たな医療課題に取り組むことなど、その役割は多岐にわたります。

そのなかで看護師に求める資質は何でしょうか。

 都立病院の目指す看護師像は、「患者中心の看護の提供ができる」「質の高い医療・看護サービスが提供できる」「専門職として自ら学び成長できる」ことです。
 都立病院では幅広い医療に対応しているため、急性期医療、周産期医療、がん・感染症医療、精神科医療など、各病院の特色に合わせた看護が求められます。病院ごとに必要な専門知識や技術は異なりますが、共通しているのは患者さん中心の質の高い看護を提供できる力です。そのためには、常に知識や技術を習得することが大切ですが、人から言われて学ぶのではなく、主体的に自ら学び続ける姿勢を持つことが必要です。

新人教育の教育体制と、教育を受けることでどう成長してほしいかを教えてください。

 以前から都立病院では、院内教育カリキュラムを整え、看護師育成に力を注いできました。そうした過程のなかで、確実にキャリアアップできるシステムを検討、試行した結果、東京都全体の研修体系である「東京看護アカデミー」の構築に至りました。これは個々の習熟度合いに応じて、キャリアアップを組織的に支援するものです。
 「都立病院キャリアパス」は、臨床実践能力の到達目標(キャリアラダー)を設定し、看護師としての自立を目指すレベルⅠからⅢの基礎コースと、看護実践に磨きをかけるレベルⅣ、Ⅴのジェネラルコースで構成。段階に応じた研修を整えています。
 新人研修は、3年間かけて看護の基礎となる知識や技術を積み上げていきます。集合研修とOJTを中心に、しっかり技術を習得できる体制を整えてあります。また都立病院に就職すると公務員となるわけですが、公務員としての自覚や社会人としてのマナーを身に付け、組織人として必要なコミュニケーション力を備えた看護師として成長することを目指します。
 各現場では、実地指導者(プリセプター、ジョブコーチ、メンターなど)が新任職員の知識・技術指導と精神面をサポートしています。さらに主任クラスの教育担当者が、新人と実地指導者をフォロー。病棟スタッフも全員指導にかかわり、病院全体で新人を支援しています。

さまざまな医療機能を持つ病院で
自分の目指す看護に出会える

新人教育後の継続教育では、どのような専門性が高められますか。

 さまざまな場面で行政的医療を担える人材として成長してほしいと思います。そのための院内研修のプログラムには、職場のリーダーとしての基礎を確立する「リーダーシップ」「看護記録」などの研修があります。また本部研修としては、専門・認定看護師を目指す人に向けた「エキスパートコース」、教育者・指導者を育成する「人材育成コース」、マネジメント力を養う「マネジメントコース」など看護専門職として、キャリアを高められる研修を提供しています。また助産師の育成にも力を入れ、自立して助産活動が実践できることを目標とした助産師のクリニカルラダーを導入。これまでに多くのアドバンス助産師を輩出しています。
 さらに都立病院には10病院間の人事交流があるので、ライフスタイルに合わせた異動や、看護の幅を広げステップアップするための異動も可能です。

看護師として成長していくなかで、モチベーションを維持するためには何が必要でしょうか。

 当院の看護師は真面目で勉強熱心です。患者さんのケアに必要な知識や技術を、自主的に学んでいる人が多いですね。院内研修だけでなく、院外の研修や学会に参加する人もいます。看護師は職員一人ひとりが自分でモチベーションを維持し、生涯学び続ける職業です。自分のなかに将来の目標を持ち、キャリアを磨いていくことが大切です。具体的な目標を立て、そこに向かって努力すること、毎日の日々のなかで楽しみを見つけること、現状に甘んじないことが、モチベーション維持につながると思います。

採用している看護方式と、そこに至った経緯を教えてください。

 これまでチームナーシングやモジュール型継続受け持ち方式などを取り入れていましたが、個人の責任だけでなく、チームとしてケアを考えていくことを重視した結果、固定チームナーシングを採用しました。入院から退院まで担当看護師が責任を持ってケアを提供し、これをチームが支援する形を取っています。個々の能力を結集させ、チーム力で患者さんを支えることが目標です。

看護学生へのアドバイスをお願いします。

 就職活動をする際はインターンシップや病院見学会などに参加し、病院の雰囲気を自分の目で確認し、肌で感じ取ってください。
 そして臨地実習では、受け持つ患者さんの喜怒哀楽をともに経験してほしいのです。「うれしい」とか「哀しい」とか「くやしい」など、様々な自分の感情の揺れを経験してください。これが、相手に寄りそう第一歩だと思っています。このような経験を繰り返していくことで、「共感」につながるのだと思います。
 看護を実践するためには、やる気を持つことが大切。看護師としてキャリアを積むなかで、時には自信をなくしたり、迷うこともあるかもしれません。そんなときは先輩たちが手を差し伸べ、必ずサポートしますので安心してキャリアを継続してください。都立病院にはさまざまな医療機能を有する病院があるので、必ず自分の目指す看護に出会えます。

東京都立病院 大塚病院

[住所]〒170-8476 東京都豊島区南大塚2-8-1

Profile プロフィール

うえの まゆみ

看護学校卒業後に都立墨東病院に入都、大久保病院、豊島病院の開設準備担当、広尾病院看護科長、大塚病院看護科長を経て、平成28年4月より現職。

大塚病院は赤ちゃんにやさしい病院(BFH)を推進し、認定病院取得を目指している。

看護部で制作した部署ごとのキャラクターの愛称は、病棟の特徴に合わせている。ぬいぐるみはスタッフの手作りで温もりが伝わってくる。

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