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■関東労災病院■

広く、深く、臨床経験を積みながら
患者さんに寄り添う「看護力」を育む
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カテーテル治療を終え、退院間近な患者さんを笑顔でケアする
4階東病棟(循環器内科)のRさん

先進的な取り組みで常に進化の途上にある

 31診療科、610床を有する関東労災病院は、川崎市中部の中核病院として地域社会に医療貢献する24時間救急対応の急性期型総合病院だ。
 また、地域における救急・急性期・高度先進医療に加え、「勤労者メンタルセンター」や「働く女性メディカルセンター」など、特色ある専門医療を提供していることでも知られている。特に「スポーツ整形外科」はスポーツ障害・外傷の治療を目的に日本で初めて開設された専門診療科だ。
 先進的な取り組みで常に進化し続けている同院は、看護師採用と教育支援体制にも大きな特色がある。それが「インターンシップ」と病棟全体で新人を育てる「サポート体制」、実践的な「研修プログラム」だ。
 こうしたことから、同院には臨床看護師としての基礎を築き、患者さんに寄り添う看護を実践したいという、志の高い新人看護師が全国から集まってくる。2009年4月に入職したRさんもその一人だ。

インターンシップで“看護師として働く”体験

 福島県立医科大学出身のRさんは、先進医療に携わりながら看護師としての基礎となる知識や技術を身に付けたいと同院に入職した。多数の医療機関のなかで同院に決めたきっかけが、インターンシップだった。
 同院看護部には、2泊3日または1泊2日で希望の診療病棟での看護体験を受けるインターンシップ制度がある。あるがままの看護を見て、理念に共感し、同院でその理念を実践していきたいという同じ志を持つ新人を、ともに働く仲間として迎えたい。そんな期待を込め、看護部が学生たちに門戸を開放しているのだ。
 Rさんは夏休みを利用して福島県から一人で上京、1泊2日で外科と循環器内科を体験した。「病棟内で看護師について実際の業務を見学するのですが、清潔ケアなどでは実践看護も体験できて、充実した時間になりました。何よりもよかったのは、“看護師として働く”ということがどういうものなのか、臨床で見て、聞いて、知ることができたことです」というRさん。
 さらに、この体験でもう一つ印象的だったのが、患者さんに対してだけではなく、院内で働くスタッフ同士もお互いに温かい雰囲気で接していたことだ。「看護部の理念の基本は“With Warm Hearts(温かな思いやりのこころで)”なのですが、それが実現できていることに感動しました。それで、ここなら私も安心して働ける、成長できると思ったのです」とRさんは笑顔で話す。

安心して看護ができる温かいサポート体制

 新人のRさんが配属されたのは、インターンシップを体験した循環器内科病棟だった。そして、Rさんを先輩看護師たちが仲間として温かく迎えてくれた。
 「病棟スタッフ全員が私を一人前の看護師に育てようとしている愛情を実感する1年でした。一つ一つの課題ができるようになるまでは、必ず先輩の誰かが見守ってくれるので、安心して取り組めたのがありがたかったです」とRさんはいう。
 循環器内科は狭心症や心筋梗塞、不整脈などの患者さんが主だ。カテーテルによる検査や治療などを目的とする入院も多い。先輩たちの見守りと指導で、Rさんは採血や検査後の観察などの手技も着実に会得したという。こうした病棟での人材育成と同時に多彩な教育プログラムで、タイミングよく、看護の視野と知識を広く深く培っていくのも同院看護部が実践する教育支援の特徴だ。その一つが、新人がぶつかる大きな壁といわれる多重課題の研修だ。
 「私も先日受けたのですが、多重課題に対する自分の行動をビデオで振り返り、優先順位の付け方などを学びました」というRさん。もう一つ、視野を広げるうえで役立ったのが、ローテーション研修だった。
 これは所属病棟以外の診療領域の看護を体験する研修で、手術室2日、ICU1日、一般病棟5日というプログラムだ。Rさんは手術室での研修を終えたばかりだった。
 「病棟では患者さんの術前や術後を看ますが、手術中は患者さんがどういう状態なのかわかりません。この研修でブラックボックスのような部分を理解することができました」とRさんは研修体験の感想を話す。
 そんなRさんの傍らではプリセプターのSさんが、ホッとしたような笑顔を見せていた。
 「ローテーション研修に送り出す前は、ちゃんとできるかしらと私のほうが不安でしたけど、大きな成果を得たようで安心しました」というSさんがRさんに向ける眼差しは慈しむように優しい。
 Rさんが言う通り、同院には確かに“With Warm Hearts”が満ちあふれているようだ。それが、新人が安心して看護を修得できるサポート体制につながっている。
 この背景には、「同じ志を持つ看護師を育て、ともに看護の質を高めていくことが、患者さんへのよりよい医療提供につながる」という同院看護部の考えがある。北風よりも太陽の温かさで新人を育てる。それが、関東労災病院看護部の新人教育だ。

  • 看護歴5年目のプリセプターSさんは「常にRさんを視野に入れるようにしています」と新人サポートに努めた
  • 手術室での研修で、器械出しを先輩看護師に学ぶRさん(左)。実り多きローテーション研修だった
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