全国38病院 臨床現場を徹底取材!

■東京臨海病院■

新人からスペシャリストまで
豊かな教育内容で人材育成を
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師長の飯島香代子さん(左)の指導を受ける吉田朋美さん

ゆとりの人員配置が充実の職場環境をつくる

 東京臨海病院は、2002年に日本私立学校振興・共済事業団を母体とし開院され、高度医療を提供するとともに、地域医療にも貢献している。
 集中治療室勤務の吉田朋美さんは、埼玉県立大学看護学科を卒業後、同院の看護理念「患者さま主体の質の高い看護の提供」に共感し、入職を決めた。
 集中治療室では、人工呼吸器などの医療機器を装着した重症度の高い患者さんが多く、入職1年目の吉田さんにとって、勤務開始当初は戸惑いが大きかったという。不安を解消してくれたのは、先輩のサポートであり、新人教育プログラムだった。
 集中治療室では、3カ月の間、新人とプリセプターは同一勤務となり、チェックリストを活用して、個々のペースに合わせた教育をしている。そして時期を見て、「独り立ちテスト」を実施、独り立ちできるかどうかを決める。
 吉田さん自身も、「周囲からできている部分を指摘してもらえると自信になります。まだ不十分な部分については、先輩に確認してから実施した方がいいとの判断目安にもなりました」と話す。
 また、集合研修に加えてフロア研修、プリセプター制度など、手厚いサポートが用意されている。集合研修は年に8回、主任を講師とするフロア研修は10回以上、内容の希望を聞いたうえで行われている。集中治療室師長の飯島香代子さんは、「新人には、まずできるようになった部分を自覚させます。自信がつき、次のステップにスムーズに進んでいけるのです」と、認める教育の大切さを語る。
 新人が安心・安全にケアできる理由は、もう一つある。それは、ゆとりのある人員配置だ。同院では、1看護単位が33床で、看護単位ごとに師長・主任が配属されており、新人は1?2名の配属になっている。チーム全員が、新人育成に十分にかかわることができるのに加え、ベッドサイドでの時間も確保しやすい。
 「看護師の仕事はナースステーションにあるのではなく、ベッドサイドにあります」と飯島師長。それを実践しているのが同院の看護だ。
 飯島師長は、吉田さんについて「落ち着きがあり、しっかりと看護に取り組んでいる。患者さんの存在をどう受け止めていくかが、今後の課題」と成長を評価する。期待を受ける吉田さんは、今後の目標については、こう話す。
 「患者さんの全体像をとらえ、判断できる看護師になりたいと思っています。予測ができるようになるために、今は、疾患の理解に力を入れています」
 実は既婚で、すでに母となっている吉田さんだが、周囲の理解と協力のもと、公私ともに充実した日々を送っている。

高い専門性を発揮協力して活躍する認定看護師

 「専門性を活かせる環境があるので、ここへの入職を決めました」と話すのは、皮膚・排泄ケア認定看護師の小田慈さん(看護歴11年)だ。
 同院には、8名の認定看護師(感染管理1名、皮膚・排泄ケア2名、緩和ケア2名、集中ケア1名、小児救急2名)で構成される「認定看護師会」がある。会は月に1回開催され、「実践・指導・教育の役割を果たす」「他領域の活動内容・状況を把握する」「認定看護師間の協力でケアの広がり、質の向上に貢献する」「知識・技術の向上の場とする」という4つを目的のもとに、話し合いがもたれている。
 スペシャリスト同士の交流は、大きな刺激になるという小田さんは、褥瘡対策チーム(皮膚科、形成外科医師、ナース2名、薬剤師・栄養士各1名)の一員として毎週水曜日に褥瘡発生の報告があった病棟をラウンドし、その場で、病棟スタッフと一緒にケアをして指導をしている。
 「皮膚は成果が目に見える部分なので、私とのかかわりを契機に、皮膚・排泄ケアに対するスタッフの関心、知識・技術が向上していくのを見るのは、とてもうれしいしいですね」
 小田さんは専門性を活かせる職場に大きなやりがいを感じている。
 婦人科女性混合病棟に所属する緩和ケア認定看護師の永井真由美さん(看護歴13年目)も、同様に感じている一人だ。同院に入職する前は外科と救急領域で看護をしていたが、痛みのコントロールができずに苦しむ患者さんの姿に、何かできることはないかと考えて09年に資格を取得。痛みについて専門的に学んだおかげで、取るべきアプローチ方法がわかってきたという。
 「資格を取得して日が浅いので、認定看護師としての役割を果たすために、まだまだ勉強中です。スタッフからの質問に回答するというより、提案をしていっしょに答えを探していくというスタンスを大事にしたいと考えています」
 昨年8月からは、緩和ケアチームの一員としての活動も開始している永井さんの、今後の活躍が楽しみだ。
 同院では、現在も数名の看護師が認定看護師の研修コースを受けている最中だ。これからも多くの専門領域を持つ看護師が育ち、患者さんのために良質な看護を実践していくことだろう。

  • ベッドサイドのケアにも自信がもてるようになってきた
  • 認定看護師会のメンバー。前列左が小田慈さん。後列左が永井真由美さん
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