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■大森赤十字病院■

内科系・外科系の病棟を経験する2年間の新人期間を
看護のプロフェッショナルが支援
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内科と外科を経験して疾患を多角的に見られるようになったというAさん

看護の基礎力を養う2年間の新人教育

 2007年、大森赤十字病院では新たな新人教育プログラムを導入した。その大きな特徴は、一般的には1年間であることの多い新人教育期間を2年間とし、内科系病棟と外科系病棟に1年間ずつ所属してそれぞれの看護を学ぶことにある。
 入職1年目に内科系病棟に配属された場合には内科看護の基礎を学び、2年目には外科系病棟に移って外科看護の基礎を学ぶ。そして3年目には、自分の興味のある、あるいは自分により合っている分野を希望すると、可能な限り意向に沿うよう配属される。異なる領域での看護は、そこで出会う患者さん、体験する看護技術も違うので、培われる看護観、習得する内容も1年間だけの教育と比較すると幅広いものとなる。
 実際、3年目で入職当初の配属先に戻ると、アセスメントにおける視野の広がりに先輩ナースたちもその成長を実感するという。その3年目には、それまでの教育の総仕上げともいうべき看護研究に取り組み、看護の根拠を見出す方法、思考過程などを、大学院等で看護に関する研究を専門的に学んだ先輩看護師の指導を受けて、獲得していくことになる。
 また、ベッドサイド以外での患者看護を理解することを目的に、1日から半日かけて「各部署研修」も実施されている。病棟では見えない看護、患者さんの様子を見ることで、他部署との連携、患者理解が深まっていくことが期待できる。
 こうした新人教育カリキュラムは、1カ月ごとに目標が設定され、さらにキャリア開発ラダーシステムとの連動によってナース個々の成長に合わせて、確実に看護の知識・技術・態度を習得できるように工夫されている。

視点の広がりに成長を実感より深い学びの意欲につながる

 2年間の新人教育に加えてキャリアアップへのサポート体制が充実していることから、同院への入職を決めたのが、消化器内科病棟のAさん(看護歴3年)だ。Aさんは1年目には脳外科病棟に勤務、2年目から同病棟に所属している。
 「消化器内科では、肝性脳症で意識障害を起こす人も多いのですが、意識障害は脳疾患が原因でも起こります。脳外科での経験から、意識障害の患者さんに対しても、肝疾患があるから肝性脳症とすぐに考えるのではなく、脳疾患などほかの可能性も視野に入れて患者さんを看ています。どちらか一方の部署の経験だけでは得られなかった視点だと思います」
 内科・外科で看護の基本を学び、疾患を多角的に見る力がついたと、Aさんは2年間での自らの成長を感じている。3年目には引き続き消化器内科病棟を希望した。同病棟はがんの患者さんが多く、その苦痛をやわらげたいという思いから緩和ケアに興味をもったためだ。また院内外の研修で積極的に学び、先輩看護師らとの患者カンファレンスにより、患者さんへのかかわり、医師や他職種とのコミュニケーションの取り方にも変化が生まれた。
 「医師への提案では、根拠の明示だけではなく、伝え方も大切だとわかりました。それは患者さんや家族への説明も同様です」とAさん。
 今後の目標は、深めたい領域をしぼり、大学院で学ぶこと。そして先輩ナースと同様に、その知識を後輩ナースに伝えていくことだと話す。

キャリア開発を支援するリソースナースたちの活躍

 同院では、積極的なキャリア開発支援を行っているが、その一つに「リソースナース会」がある。
 同会は、専門・認定看護師や専門領域の大学院修了者などによって構成され、現在は8名のナースが所属している。各専門領域における活動や外来などでのケアの実践、スタッフ指導のほか、資格取得や大学院への進学を考えるスタッフへのサポートなどの教育活動も行っている。
 「キャリアラダーという階段を上るなかで、専門領域を深く学びたいと考えているスタッフに、進学の情報の取り方、学習の内容・方法、文献の探し方など必要と思われる情報を提供しています。それらを活用して、キャリアアップを図ってほしいと期待しています」
 こう話すのは、同会の代表で大学院で看護教育の修士課程を修了したBさん(外科病棟係長)。この会の活動はスタッフにも大きな影響を与え、大学院への進学や専門・認定看護師の資格取得などを希望し、専門性を高めたいと考えるナースが多い。リソースナースというモデルが身近にいることで自然に刺激を受け、しかも多様な領域のスペシャリストがいるため多彩なキャリアデザインを描くことができるからだ。
 10年3月には新病院がオープンする予定。意欲的に学び続けるナースたちが、新たな大森赤十字病院の看護を創造していく。

  • 日々の看護実践で気づいた問題をテーマにグループで看護研究にも取り組んでいる
  • 幅広い活動をするリソースナース会代表のBさん
  • 来春完成予定の新病院
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