全国38病院 臨床現場を徹底取材!

■成田赤十字病院■

災害救護訓練など幅広い活動が魅力
研修システムと温かい眼差しで新人を育てる
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人体模型を使った実技研修。
さまざまな段階に応じた研修プログラムでスキルアップを図る

特別な感染症や災害救護に備えた医療体制

 赤十字病院は全国で92を数え、成田赤十字病院はその一つ。千葉県では唯一だ。19診療科、719床を持つ地域の基幹病院であらゆる急性期疾患、慢性期疾患の診療を行っている。
 成田空港に隣接し、患者や医療体制などが国際色のある幅広いものになっている。現在、全国に3カ所しかない「特定感染症指定医療機関」の一つであり、新型インフルエンザなど未知のウイルスやエボラ出血熱などの特別な感染症に対処するための医療体制を備えている。
 また、第三次救命救急センターが設置されており、年間を通じて約3万7,000人の救急患者を受け入れる重要な役割も併せもつ。
 ほかに、12個班に分かれた災害救護班があり、1年に一度は救護活動のトレーニングを経験したうえで、実際に国内救護に出動することもある。また、DMAT(災害派遣医療チーム)や国際救護活動に参加する看護師もいるなど、赤十字ならではの活動に特色がある。

キャリアアップを目指す人に応える研修・支援制度

 隣接する看護学校があり、その卒業生も多く受け入れているが、そのほか北海道から鹿児島まで全国の大学・短大・看護学校などから多彩な人材が集まってくる。
 新人として入ってくる看護師は、それまでに受けてきた教育が多様なため、成田赤十字病院の看護師として一定の水準以上の技術をもてるよう独自の研修システム「キャリア開発ラダー」を用意している。全国の赤十字病院共通のプログラムもあるが、成田赤十字病院で独自に開発・実施しているプログラムも多い。
 レベル1から5までの5段階あり、たとえばレベル1は「基礎看護技術」や「リフレッシュ研修」(ヨガ講習を含むレクリエーション)、「フィジカルアセスメント」(聴診器を用いた実習その他)など、新人向けのプログラムを用意している。
 認定看護師の資格取得を目指す看護師向けの研修はレベル3になる。飯田紀代子看護係長(集中ケア認定看護師および呼吸療法認定士)は、レベル1、レベル2において、集中ケアや呼吸療法関係の研修プログラムの開発・指導を担当しながら、自身も大学院でさらに専門性を磨くべく勉強中だ。
 「研修内容は、講義を1時間、実技を2時間というパターンが多いです。現在、レベル1、2は新しく開発されたプログラムが増えてさらに充実していきます」(飯田さん)
 研修プログラムは、段階的に構成されているが、基本的には自己申告制。やる気と実力が備わっていれば、いつでも誰でも好きなレベルのプログラムに参加できる。
 認定看護師を目指す人であれば、実務歴など一定条件を満たし、レベル3のプログラムを修了すれば、病院から認定看護師への推薦を受けられ、半年間、出張扱いとなり、給料を受け取りながら、専門の学校へ通える支援制度もある。助産師を目指す人にも同様の制度があり、キャリアアップを志す人に応えてくれる体制だ。

プリセプターにはベテランを起用新人を育て温かく見守る

 多くの病院では、新人看護師を世話するプリセプターに3?5年のキャリアを持つ看護師をあてることが多いが、ここでは8年以上のベテラン看護師が担当している。
 それだけ新人看護師の教育に力を入れていることの表れでもあるが、同時に若手の看護師よりも、より柔軟にやさしく新人を育成していくという狙いがある。先輩というよりも、保護者的なプリセプターに見守られ、新人看護師はのびのびと育っている。
 「わからないことがあっても温かく教えていただけるので、つらいと感じたことがありません」(成田赤十字看護専門学校出身の新人、高橋弓乃さん)
 「先輩たちを観察しているとそれだけで勉強になるのでよく観察するクセがつきました」(同、齊藤千洋さん)
 また、違う部署に配属された新人同士が情報交換をしたり、悩みを共有する場所として、「憩いの部屋」が設けられている。ここは、新人のみが入室可能。先輩も上司もシャットアウトされている。室内では新人同士が和気あいあいと食事をしたり、談笑したりと思い思いに過ごしている。「憩いの部屋」が新人看護師の心のクッションになっているのだ。
 さらに、女性専用のみだが「夢の寮」が最近完成した。バストイレ付きの完全個室、TVモニター付きのインターホン、IH対応のキッチン、広い床下収納……。病院から歩いて5分で、寮費は相場の3分の1。緊急時には病院の警備員がかけつける体制だという。
 社会に出たばかりで何かと不安で迷いがちな新人看護師。成田赤十字病院では、教育からメンタル面まで育成に力を入れている。

  • 集中ケア認定看護師、呼吸療法認定士の資格を持ち、研修プログラムの開発・指導を行う飯田紀代子看護係長
  • 左から新人の齊藤千洋さん、同じく高橋弓乃さん、8年目のベテラン、プリセプターの岡崎広子さん
  • 新潟沖地震の救護活動で救護所の開設準備中。救護班に登録されると、1年に1回トレーニングを受け、緊急時には現場で活躍することになる
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