全国38病院 臨床現場を徹底取材!

■国立病院機構■

全国のネットワークを活かした教育研修システムで
各自のニーズに合わせたキャリアアップを支援
名古屋医療センターのK・Mさん。
糖尿病の教育入院の患者さんに食事指導を行う

看護管理者を目指してキャリアアップを継続中

《名古屋医療センター》
 東海北陸ブロックの名古屋医療センターは名古屋城、愛知県庁、名古屋市役所に囲まれた、名古屋市の最も中心に位置する。約130年の歴史をもつ東海北陸地区の中核となる高度総合医療施設であり、第三次救急医療、地域医療がん拠点病院、地域医療支援病院、広域災害拠点病院、エイズ治療拠点病院等に指定されるなど、地域医療に貢献している。また、血液・造血器疾患をはじめ循環器病、がん、免疫異常など12分野の政策医療を担う。
 東8階(消化器内科、内分泌内科)病棟に勤務するK・Mさんは、同院に入職した理由を「全国の病院に転勤可能であったことと、長く働き続けたいので、転勤してもキャリアが継続できることが魅力だったから」と語る。また、「糖尿病や地域に密着した看護がしたいと思った」というK・Mさんは、入職時に希望した消化器内科で5年目を迎える。現在はプリセプターをサポートしながら、糖尿病患者さんの食生活の改善や運動習慣などの生活指導を行ったり、院内の褥瘡対策委員会の活動も行うなど、忙しい日々を送る。
 国立病院機構では、看護師の生涯学習として教育研修システムを整備し、全国の病院で統一した能力開発システムとキャリパス制度を導入している(図参照)。5年目を迎えるK・Mさんは、ちょうど「実務Ⅱ」コースを修了するところだ。「プリセプターをしていた時に、プリセプティが成長していく姿を見られることが、自分のことのようにうれしく、後輩を育てることに関心を持ちました。今、幹部看護師任用候補者選考にチャレンジ中です」とK・Mさん。
 同院はチーム医療における多職種との連携もよく、「スタッフがお互いに学び合え、一緒に成長できる病棟」で、K・Mさんのさらなるキャリアアップが続いている。

「さくらサポートシステム」によりチーム全員で新人を見守り育てる

《水戸医療センター》
 関東信越ブロックの水戸医療センターは、茨城県の中央に位置し、「桜の郷」といわれる緑豊かな自然に囲まれている。がん、循環器病の政策医療を担い、三次救急医療や移植医療など、専門性の高い高度な医療を北関東地域の人々に提供している。また、2004年に現在地に新築した病院は、アメニティを考慮した働きやすい施設として好評だ。
 岩手県の大学を卒業して昨年4月、「国立病院機構は教育内容が充実しているから」と、同院に入職したO・Aさんは、3西(外科)病棟で働く。母親のがんをきっかけに、消化器外科病棟で働きたいと同科を希望した。
 また、同院ではあえてプリセプター制度を導入せず、チームの先輩看護師たちが、精神面の支援をする人、指導者、教育係、教育責任者の役割を分担し、チームのみんなで新人をフォローする同院独自の「さくらサポートシステム」で新人を育てている。
 「先輩方がきめ細かく指導してくださるので、とても勉強になります。でも、それに甘えないで、自分でしっかり考えてから、先輩に報告、相談できるようにしていきたいです」とO・Aさん。
 そのために病棟での勉強会や、認定看護師や病院が開催する勉強会などに積極的に参加し、2年目を迎えるにあたり、「頼られる先輩になりたい」と猛勉強中だ。

全144病院で統一した独自の能力開発プログラムが充実

 国立病院機構は全国144病院のネットワークをもつ日本最大の医療グループで、救急医療や災害医療などの急性期医療から神経・筋難病や精神医療などの慢性期(専門)医療までを展開し、個々の病院で専門性を生かした医療を提供している。
 質の高い看護職員を育成するため独自の能力開発プログラムを整備し、全国の病院で均等かつ高度な教育、研修体制を充実させていることが特徴だ。
 そのプログラムにおいて、キャリアパス制度も確立しており、卒後概ね5年までのプログラムを修了すると、その後は、各自の希望に合わせ専門看護師、認定看護師、看護管理者、看護教育者などの道を選択することができる。
(看護職員の能力開発(研修)体系図 上図参照)

  • 水戸医療センターのO・Aさん。ナースステーションを訪れた患者さんに、優しく語りかける
  • 大野さんと同じく新人看護師のO・Mさん(左)。カルテと照らし合わせ、薬剤のダブルチェックを行う